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図書館迷宮  作者: 咲崎 梨士
第1章 強さ求める近隣住民
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6. 第1異世界人

おおっと、迷宮だとバレた。まぁこんな断崖絶壁の山の中にある人工物ってだけでおかしいのに、必殺技みたいなのくらっても壊れてないもんな。


彼は真剣な表情で扉を調べていたかと思うと、突然バタッと倒れた。え、どうした。

防犯設備セキリュティ:魔力吸収発動』

地図にそう文字が書きこまれた。一応迷宮だから罠あったのか。

これで危機は脱した! 完。



………彼、微動だにしてないけど生きてるよね?

不安にかられていると、彼の図上に

『対象:魔力枯渇状態』

との文字が書きこまれた。簡単なバッドステータスは表示されるのか。


魔力枯渇状態………私も枯渇寸前までいったけど枯渇はしてないよね。


そういえば資料の中に辞書があった。国語辞書と書かれた本を手に取り、調べる。

「えーと。魔力枯渇状態は」


魔力枯渇状態:完全に魔力が0になった衰弱状態。この状態では自力で魔力は回復しない。長期間ではそのまま死に至る。

回復には他からの魔力摂取が必要。


ヤバイぞ魔力枯渇状態! いや、彼も回復アイテムを持っているのかもしれない。


拡大し続けていたコア本に目を向ける。


彼は少しごそごそ動いてから悲しい声で言った。


「あ………………お弁当落とした………ヤバイ…………」


落としたんかい! あんな道なき道走ったりしてるから落としたんでしょきっと!

そしてお弁当で回復なんだね。ポーションかと思ってたよ。


地図を拡大して探してみると、結構離れた位置にちょこんと岩山に似つかわしくないカラフルな物を発見した。ソレをタッチしてみると

『落とし物を発見しました』

との文字とともにページに転移した。

あれ、自動的にコア本に入っちゃうの!?

施設内の落とし物は責任者マスターが保管してるから?


『落とし物』と書かれたページが新たに出来、その中に先程の物が記入されている。


『お弁当:優しさと魔力のたっぷり入ったお弁当。よく落とすので見付けやすいカラフルな布で包まれている』


よく落とすのかい! そしてこの説明文は誰目線だ。まぁこのお弁当をこっそり彼の近くに転移すればいいか。

そう思った私だったが、お弁当は私の手に現れた。

落とし物はきちんと手渡ししてね、と言うことか。待ってくれ、心の準備ができてない。


でも流石に見捨てるのは……。うん、助けよう。強いけどドジっ子みたいだし。なんとかなる!



私はつっかい棒を外し、そろそろと扉を開ける。


「………お弁当、落ちてましたよ」


彼の近くにつっかい棒を使ってお弁当をおく。


「え? ありがとう…………ウマイ!」


彼はすぐさまお弁当を開いてサンドイッチ? のようなものを食べ始めた。警戒心がないけど大丈夫なのか。


「ごほっごぼ」


警戒心以前に喉に詰まらせてるっ!


「そんな急いで食べるから!」


慌てて彼の背中を叩く。なんだこのほっとけない感じ。なんだか母性本能に目覚めそうだ。


「す、すいません」


突っ伏していた彼は顔を上げた。焦げ茶色の目が私をとらえる。


「………迷宮主ダンジョンマスター!?」


なんでバレたし!


「あれ? でも邪神の使徒じゃない」


おおっと、重要そうな単語が出た。『邪神』とは聞くからに危険だか、私は『邪神』とは関係ないらしい。


邪神と関係ない=生存フラグ!


そう考えていると、彼はきちんと座り直して話しかけてきた。


「先程は助けていただいてありがとうございます。僕の名前はミチノークと言います」


真面目な様子に私も背筋を伸ばす。

「私は古海ふるみと言います。一応迷宮主ダンジョンマスターだと思うんですが………よくわからないです」


正直に話してみることにした。というより迷宮主ってバレてるし、誠実な対応で生存フラグを確立したい。


「そうか、フルーミさんはこの世界に来たばかりなんですね」


私の名前がなんちゃって異世界風になった。

A.なぜ彼がフルーミを迷宮主とわかったのか。また次回 (多分)で書きますが、そういう察知能力を彼は持ってます。


そして主人公の呼び名はフルーミとなりました。


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