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図書館迷宮  作者: 咲崎 梨士
プロローグ
4/7

3. 施設拡張

あ、ありのままに今起こったことを話すぜ!

「私は壁の前で土魔法を使ってみたらモグラが現れた」

な、何を言っているのかわからないと思うが私も何が起こったか理解したく無かった。


思わず某マンガの人みたいな独り言をもらす図書館司書 (20才女性)


そう、土魔法を使ってみたらモグラが現れた。モグラを丸々としたようなかわいらしい見た目で、毛並みは赤っぽい。大きさはチワワほど。


「よし、行くんだモグラレッド。掘り進め!」


私の言葉にモグラはその手を使って壁を掘り出した。

カショカショと白磁の壁に穴があいていく。中々素早い動きだが、その大きさはチワワ。

……掘り進められるかなぁ。


あまりモグラから離れると動きが止まってしまうので、本を読みながら待つことにした。

木の丸イスを運びながら魔法の本を熟読する。きっと攻撃魔法とか覚えられるハズ。


しかしこの魔法の本シリーズ、もしかして内容は読んだ人によって変わるのかもしれない。闇魔法とか

「18才、棚奥から出てきた自作暗黒召喚ポエム(14才時作)を親に読まれていたのを見た時に存在ごと滅ぼしたいと思った絶望」を思い出して。

とか本に書いてあったからね。全ての人類がそんな絶望体験してないよ。


ふとモグラを確認すると2匹に増えていた。青っぽい毛並みのモグラ (顔付きがどことなくクール)モグラブルーの登場により、掘り進めるスピードが2倍になった。


うん、これでいいんだろうか。こんな感じで迷宮が出来るのだろうか。

そして、このモグラってエサが必要なんだろうか………?

水は出せるけど食糧はないんだよな。ハローワークにはかばんを持っていたけれども、そのかばんもいつの間にかないし。

今は私もお腹がすいてないから大丈夫だけど、食糧は探していかないと危ないかもしれない。




…………あれ、おかしい。私は相当の時間本を読んでいた。時計も窓も無いから時間が分かりにくいけれども、相当経っているはずだ。

こちらに来てからかなりの時間が経ったのにお腹も空かないし、眠くもならない。

え、もしや私人やめてる? 突然改造人間されてる?


悩んでいる間にモグラは3匹になった。今回はちょっとぽっちゃりイエローが新たに加わった。レッド、ブルー、イエローで戦隊ヒーローのようだ。

よく見てみるとモグラトリオは重力を無視した動きで掘り進んでいた。普通に天井を歩いて掘っている。妙な所で高性能だ。


そして掘り進めた分、土塊や石くずが増えてきた。あれ、不思議な力で消えるんじゃないのこれ?

どうしようかと思ったが、闇魔法ダストホールで解決可能そうだ。説明にも無生物の吸収との事だったし。


「ダストホール」

魔法を発動してみると左の手のひらの上に直径30㎝ほどの黒い丸が現れる。まるでペンで塗り潰したような現実みの無い黒さ。

確か光を吸収するので凹凸が解らなくなる物質があるって聞いたことがある。光を吸収って聞くとブラックホールみたいだよね。いや、ブラックホールって闇魔法?

土塊にダストホールを近づけてみると、触れた位置からどんどん吸収されていく。ちょっと面白い。


あ、これなら私も掘れるんじゃないか?

モグラが掘り進めている所に近づけてみると、どんどんと吸収されていく。

よし、いけそうだ。

モグラトリオには手の届かない所を掘り進めてもらいながら、掘削作業を続けていく。

途中でMP切れを起こしかけたので、小まめに休憩を取りながら、掘削を進めていく。

急がないと冒険者にダンジョンコア壊されて死んでしまう。


私は必死だった。睡眠無効を良いことにぶっ続けで掘り進めていった。必死過ぎて通路が妙にうねうねしてしまったがそこは置いておく。


ある程度の長さの通路をいくつか作り、その内のひとつに部屋を作っていくことにした。

さすがに入口開けてすぐにダンジョンマスターはヤバイ。


そして出来たのが学校の教室くらいの大きさの部屋。広さはあるのだが高さはない。私が手を伸ばして触れられた範囲なので背の高い人が来たら天井に頭をぶつける急ごしらえさだ。

あ、ちなみにモグラが掘った所は白磁の石のような素材に変化していた。これで崩れる心配はなさそうだ。


曲がりなりにも部屋が出来たのでほっと一息ついていると。



ピロピロリーン。

突然ダンジョンコア (本)から音がなった。しかも光っている。内容を確認すると


『レベルが上がりました


特殊能力:Libraryの機能が解放されました』



A.ベンタブラックっという物が現実みのない黒さの物質です。

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