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❤お・も・い・や・り❤

作者: 飴 麻利亜

『さ・・3度あった偶然は、もう運命だと思うんです。

僕とお付き合いしてもらえませんか?』

この人の名前は何だったかな?

ちょっと前に同じコンビニで同じ最後の一つのおにぎりを手に取ろうとして

私に譲ってくれた事がきっかけで話すようになって、

そしたら、同じビルの中で働いている事がわかって

今日は帰る時間が一緒だから駅まで一緒に歩い帰ってる途中に彼は私に告白してきました。

3度あった偶然?3度なのかな?驚いたのと困惑しちゃったので私は彼の顔を見つめた。

そしたら彼は、すごく困った顔をしていて、それがちょっとかわいくみえたから

「はい」

って答えました。


僕が彼女を初めて見たのは営業から自社ビル戻ってきたときだった。

お昼休みでみんな我先にと外に出かける中その子は立ち止まって上を見上げてた

オフィス街なので高いビルが立ち並んでる。

なにをみているのかな?って思いながらその子とすれ違うと

「空、あおっ!」

って声が聞こえた。

あ!

空を見てたんだ。

ビルの合間の空なんてほとんど見えないよな・・・と思って僕も空を見上げた

本当だ青い!

というか、営業で外を歩いていても空なんてみてないから普通より青いかどうかわからない。

だけど、それから僕は空が気になって外回りの時はいつも空をチェックする

そして、僕にこんな習慣を授けてくれた彼女のことが気になってしょうがなくなっていた。

彼女が近くのコンビニでランチをたまに買うことが分かると、

僕も通い始めてなんとかお話できるぐらいになった。

今日は本当に偶然駅までの帰り道に一緒になって

僕は意を決して言ってみた。

『さ・・3度あった偶然は、もう運命だと思うんです。僕とお付き合いしてもらえませんか?』

3度って何だろう?

彼女と偶然を装って会っているのは3度ぐらいじゃない

だけど、なんか勢いでそう言っちゃった。

彼女が困惑したように僕を見上げる

僕は運命的な出会いを信じてるわけじゃない。

もしかしたら、僕と君の運命はちゃんとつながっていたかもしれない

だけどね!

そうだとしても、空は毎日色を変えて、そして毎日僕は空を見上げてしまうんだよ

彼女はずっと僕を見つめていたけどちょっと笑って

「はい」

って言ってくれた。

そんな君をみつめると

運命の出会いを偽造して君に近づいてしまったことへの罪悪感に心がチクリと痛んだ。

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