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プロローグ
ひらひら、ひらひら
「桜……」
「姉さん? 」
「サクラ、キレイね」
「……」
この世界にも新しい季節になるとサクラが舞う。
きっと、どのサクラもあの時見たものには敵わないけれど。
私が少し思い出に浸っていると……
「あ、ここだ」
と言って弟のレオが立ち止まった。
それを聞いた私はサクラから目を離し、いつの間にか目の前にある大きな建物を見上げる。
"ラ・プレマラ学園" と石に彫ってあったのがチラッと視界に入った。
「そうね」
とレオに答えつつも視線はその建物に向いたままだった。
その後、少しの間お互い無言のまま建物を見つめていた。
すると、
「初めまして!」
「これからよろしくね!」
「早く立派な魔法使いになりたいなぁ」 と
新入生達の期待と希望に満ち溢れた声が、柔らかな風に乗って、未だに門の外にいた私たちに聞こえてきた。
そして、私たちも--
「そろそろ、行こう」
レオのその声に頷き、門に向かって歩いて歩いて行った。
見切り発進しております
すみません…