部活が決まらない件 ~inバレーボールclub~
今日はクラブ巡り二日目!
部活有力候補のバレー部とテニス部の日だ。
「なんかさ文化系クラブと運動系クラブの日程偏りすぎじゃね?」
うちは隣を歩く鴻池美雨に聞く。
「確かにねー。あれかな?活動日がやっぱ違うのかな?」
「あーね理解。それにしても七個中五個運動系クラブはヤバいやろw」
「それはそうwしかもテニスとバレーとサッカーはねwww」
そんな話を続けていると、軽くボールをドリブルする音とシューズがこすれる音、ナイスレシーブと叫ぶ声に歓声。バレー部の活動場所に到着した。
先輩に案内されて、試合観戦の席に着くと選手たちの熱気に包まれた。
「すんげぇ」
どんな球も意地でも取りに行く四番のリベロ、強烈なサーブで相手のブロックをはじき返す九番のウィングスパイカー、司令塔で寸分の狂いもなく仲間にボールをつなぐ十番のセッター。
全員が自分の役割を全うし、一つの競技を作り上げている姿に思わずため息が出そうだった。
(でも、うちにできるか?)
投げかけられた純粋な疑問。
(背が低すぎでMBはまず無理だし、、Sもキツイな。アタックは苦手だからWSもアレだし。OPは論外。できるとしたらリベロしかないやん!それ≒バレー部は向いてないってことっすか?やれることが少ない部活は楽しめないし、ほかの人の足を引っ張りかねないからバレー部はボツか。惜しいな。)
バレー部はあきらめたものの、やっぱり希望を捨てきれず先輩に肩を叩かれるまで試合に見入っていた。
(テニス部に大森さん本当に居るんかな?会いたいなー。本当に部活どうしよ)
優莉が部活を決められるにはまだまだ時間がかかりそうな空模様であった。