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壊れた愛情

決闘に勝利して、レイセルに告白するチャンスをえたベルセルク。エイルはレイセルの見舞いにも来ない。レイセルは振り切れないエイルへの思いを胸に秘めながらも、限界も感じていた。真っ直ぐな思いをぶつけてくるベルセルク。自らは釈然としない思いを抱えながらレイセルはベルセルクの胸に顔をうずめるのであった。


 「誰か!誰かいないのか!」


 傷付いたレイセルを抱き抱えたベルセルクは、宮廷治療院に飛び込んだ。


 ここでは、宮廷関係者が優先で治療を受けることが出来る。


 ベルセルクの紹介とレイセルが前筆頭聖女であった経歴から良い待遇での入院治療が開始された。


 治療師の見立てでは、キマイラの鱗で全身は切り裂かれている上で、毒が胎内に入り込んでおり聖女レベルの治癒師出ないと手がつけられない容態であった。


 「聖女様が戻られ次第、高位の治癒魔法で対処致します。」


 「出来るだけ急いでくれ!」


 ベルセルクは急かすが、ギルドからも今回の案件の報告を急ぐ様に伝達も来ており、一旦報告に行かざるを得なかった。


 ベルセルクは、やむ無くレイセルの枕元から離れギルドへの報告に向かった。


 ギルドでは、既にギルド長が待っており程なく今回の報告がなされた。


 今回の問題は極めて防御力の高いS級のキマイラ亜種が出現しており、過去にもルーナが討伐報告をした事のある強力な魔獣であった。


 今回は、ベルセルクとレイセルの2人で討伐され、討伐依頼は成功として処理、多額の報酬も支払われる事となった。


 帰還の際発生した決闘の件については、後にエイルが無事に帰還した事から不問に伏されたのであった。


 ベルセルクは、ギルドから直ぐにレイセルの元に戻ると、ずっと付き添っていた。


 決闘の際もベルセルクの衝撃波攻撃からエイルを護ろうと自らを盾にして防いだレイセルだが、その後暫くして目を覚ました。


 「ねぇ、ベルク?エイルは大丈夫だった?」レイセルはこれだけ自分が蔑ろにされても、エイルを心配するのであった。


 「今回、私が決闘に勝って君に告白する権利を得た。どうだろう・・・私ならずっと君だけを愛して行くと誓う。エイルの事は忘れて、私を受け入れてくれないか?」


 「エイルは、顔を見に来てくれないんだね。」


 「私との決闘に負けたんだ、会いに来れる筈はないし、来ても追い返すつもりだよ。」


 「そっか・・・少し考えさせて・・・」レイセルは寂しそうに呟いた。


 レイセルは、静かに目を閉じてエイルに寄り添った頃の思い出を回想し始める。


 当時のエイルはルーナだけで無く、レイセルにも優しかった。カッコよかった。


 見た目の地味なレイセルを可愛いと言ってくれた。それからと言う一年間以上、チームを組んで寄り添って来たのだ。筆頭聖女の立場を捨ててでもエイルの為に付き添ってきたのだ。


 しかし結果はどうか?


 結局はルーナを忘れられないエイルがルーナを追いかける為に、レイセルの気持ちを蔑ろにして来たのだ。


 「私・・・もう限界かも知れない。ベルクはなんで冴えない私を求めてくれるの?貴方ならもっと可愛くて、綺麗で優しい女性がいた筈なのに・・・」潤んだブラウンの瞳でベルセルクを見つめた。


 「そんな健気なレイセルだから好きになったんだ。もうエイルの事は忘れて、どうかありのままの私の気持ちを受け入れて欲しいんだよ。」


 レイセルは何かをあきらめたかのように、目を閉じると静かにベルセルクの胸に顔を埋めるのであった。

登校の間隔もあいてしまいうまくいきませんが、これからもほそぼそ続けます。

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