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帰還困難

 スケイルキマイラと言う強敵との戦いに辛くも勝利したレイセルとベルセルク。

 しかしながら二人は自力で街のギルドまで戻るだけの力さえ残っていないほど疲弊しており帰還することさら困難な状況であった。

 そんな中、二人は遅まきながら心配して迎えに来たエイルと遭遇する。

 元々エイルに良い感情を持たないベルクは、無神経な態度を取るエイルに怒り、レイセルの恋人の座をかけて決闘を申し込むのであった。

 スケイルキマイラとの初戦は聖騎士団の失敗に終わった。


 レイセルの活躍によって死人こそ出てはいないが、レイセル自体がキマイラの風魔法で瀕死の重症を負ってしまっていた。


 自己回復しようにも、蘇生魔法を使った後の状況であり神聖力が殆ど残っていない。しかも、傷の痛み、苦痛で集中して回復魔法を紡ぐ事すらできないのであった。


 街に帰りたくとも馬も逃げ去ってしまい移動手段もない。しかも回復したキマイラ亜種に遭遇せずに帰還できる可能性は無いに等しかった。


 「はぁはぁ・・・ベルク?私動けないから置いていって・・・街でエイルに状況を伝えて・・・」


 ベルクの外套に包まれて横たわるレイセルを膝に抱きかかえるベルク。


 「確かにこのままでは拉致が空かないな。お前達全員で隠れて街に助けを求めに行ってくれ。」


 「ベルクも行って・・・私は一人でも大丈夫だから・・・」


 ベルクは泣き出しそうになりながら否定する。「俺が君を置いて行く訳ないだろう!」


 「そぅ・・・」レイセルは少し安心した様な表情をすると、スイッチが切れた様に気を失った。






 聖騎士達が街のギルドに向かて戻っていった。


 傷ついたレイセルとベルクが二人きりで岩場の小さな洞窟の入り口に抱き合って一夜を過ごす事になるが、ここで運が悪い事にキマイラに居場所を嗅ぎつけられてしまう。


 キマイラは知能が高い。捉え損ねた獲物を執念深く探していたのだ。


 「グルルルウゥゥ・・・」


 休んでいた二人は間近に大敵の気配を感じて震え上がる。


 ベルクは傍の戦鎚を持つとキマイラの前に立ち塞がり覚悟を決めた。  


 レイセルは横たえた身体を苦しそうに起こすとベルクに祝福をかける。


 「ホーリィアクセル・・・」魔力の戻っていないレイセルだが必死に抵抗する。


 それでも幸運だったのはベルセルクの武器が戦鎚であった事である。外皮の硬いキマイラ亜種は、切断攻撃には強いが、ハンマーによる衝撃には比較的弱かったのだ。


 ベルクは、何度も何度も近寄ってくるキマイラをハンマーの衝撃波で押し返す。


 レイセルは痛みを堪えてルーナから伝授された魔力消費を最小限にして魔法の威力を上げる魔法運用術「マナハーベスト」を唱え神聖力を研ぎ澄ましチャンスを待っていた。


 そこにベルクがセイクリッドハンマーを放ち一瞬の隙ができ、それをレイセルは逃さなかった。


 「ホワイトサイクロンエッジ!」


 聖なる空気を圧縮した渦を作り斬り刻む、比較的物理攻撃に近い魔法がキマイラ亜種の右脇腹の鱗を逆撫でる様に命中した。


 一見何のダメージも無いようだがレイセルは続けて魔法構成を編み出す。 


 「ベルクお願い!右横腹にセイクリッドハンマーを叩き込んで!」レイセルも起き上がるとフラフラになりながら必死にキマイラの右横に回り込む。


 「セイクリッドハンマー!」


 『パキキッ!』遂にスケイルキマイラの鱗が剥がれ落ちる。


 「そこっ!!セイクリッドエクスプロージョン!」


 レイセルは動きが止まっているキマイラ亜種の鱗が剥げた横腹に手を翳して一気に研ぎ澄ました神聖力を放った。  


 近距離で放たれた神聖力の爆発はキマイラの全身を内部から破壊、息の根を止めたのだった。


 ただし神聖爆発の余波で吹き飛んだ鱗が全身に突き刺さり崩れ落ちるレイセル。


 「レイセル!!しっかりしろ!頼むしっかりしてくれ!」壊れたおもちゃの様にグッタリとしたレイセルを抱き上げ、抱き締める。


 辛くもキマイラ亜種の討伐に成功したのだった。





 その日からベルセルクは、昼夜構わずグッタリとしたレイセルを抱きかかえて街へと歩き始めた。


 「早く街に戻ってレイセルに治療を施さなければ・・・」


 レイセルは重症な上に、失血と高度な魔力欠乏のため生きてはいるが意識を戻す事はなかった。


 そんな状態で2日ほど経っただろうか?ボロ切れのようになった二人の前に慌てた様に駆け寄るエイルがいた。


 「レイセル!どうしたんだ?大丈夫か!」


 レイセルを抱きかかえたボロボロな聖衣を纏う大男を見たエイルは、突然キレた。


 「貴様か?勝手にレイセルを連れ出したのわぁ!」ベルクに殴りかかる。


 「ガッ!」


 べルクは必死に抱きかかえたレイセルを落とさない様に耐えた。


 しかし、ベルクも我慢の限界だった。


 「ずっとお前が振り向いてくれるのを待っていたのに、放って置いたのはお前じゃないか!馬鹿も休み休み言え!」ベルクも負けてはいない。


 大事そうにレイセルを大地に寝かせるとエイルを殴り倒した。


 「丁度いい・・・決闘だ!勝った方がレイセルを恋人として自分のモノとする。負けたら身を退いてもらう!」  


 「なんだって?」レイセルが側にいるのが当然と思っていたエイルは慌てた。


 そしてレイセルの恋人をかけて決闘がはじまった。


いつも閲覧有り難うございます。また、頑張って執筆活動続けて行きますので、ご感想、ご意見などありましたら聞かせていただければ幸いです。宜しくお願い致します。

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