表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

宇宙連合

カークトゥの近くを宇宙連合の艦船が通るという情報を得て、天使がやって来た


[ハシュターに話はしておきました]

[艦船を訪問して連合のテストを受けてきてください]


DPに連れられて、アルはカークトゥから宇宙空間を移動して艦船へと向かった

宇宙連合の艦船は小さな惑星くらいある大きな宇宙船だった

まるで、動く星

艦船の近くまで来るとDPはグルグルと旋回し合図をした


“ここで待つ、幸運を祈る”




「連合へようこそ、カークトゥのアル」


人型の宇宙人がアルに話しかけてきた

気がつくと、艦船の中にアルはいた

無数の映像が周りを取り囲む部屋の中に、大きな体の立派な身なりをした人がひとり立っていた

何だか圧倒される感じがするけれど、嫌な気はしない

身にまとう威厳が無意識に伝わり、アルは少し緊張した


初めまして、アルです

あなたがハシュターですか?


「アル、会えて嬉しい

私は、ハシュターの仮の姿であり、アルの心を通して具現化されている

ハシュターは私の名ではなく、存在を指している」


??

アルはハシュターの説明がよくわからなかったけれど、私もお会いできて光栄です、と伝えた


「早速だがアル、連合への参加を感謝する

君のようなクルーは、敬意を払い歓迎する」


え、テストを受けるという話でしたが…

話の展開もわからず、困惑するアル


「カークトゥ星の出身者は、無条件でテストは不要

大天使からの口添えもあるのだから、こちらとしては何の問題も無い」


あ、そうなんですね

あの、ありがとうございます

よろしくお願いします!


緊張していたアルは、とにかくよかったと落ち着いて心がほぐれるのを感じた

カークサスの皆やDPにも嬉しい報告ができる


「あとの詳しいことは、担当の者が説明する

アル、今から君は連合の仲間だ

宇宙の光として、我らはいつでも共にある」


そう言うと、ハシュターの仮の姿という人は消えた

後ろから、別の人型の宇宙人が現れた


「連合入り、おめでとう

私は、アルの担当をする、ターガといいます、よろしく」


尖った耳をした、早口のターガがニッコリと笑った


「まずは、簡単な調査任務からお願いします」


部屋の中の映像のひとつが大きく表示される


「こちらの星、テラへ行き植物や生物の一部を採取をしてもらう任務です」


緑色の様々な種類の植物や、地面を走り回る龍のような生物、空を飛ぶ翼のある生物、水の中を泳ぐ生物が映し出されている


「この星は後に、星の欠片の衝突によりたくさんの種類の存在が消滅してしまうので、種の保存、記録が必要なのです」


テラという星は、どこか少しだけライラ星に似ている感じがした


「移動には、連合のポータルを使って行き来をしてもらいます

何か質問は?アル」


アルだけど無いです、と答えるとターガはまたニッコリとした



帰りはこちらから、とトンネルのような通路を通り、エントランスに繋がるポータルへ案内された

アルが通過しようとすると、ポータルが閉じた


「登録がまだでしたね」


そう言うと、ターガは壁のパネルを操作した


「スキャンするので少しそのままで」


アルに光が照射され、『登録完了』と機械の音声がした

ポータルが開く


「エントランスから船外のゲートに繋がるポータルを通れば、最初に来たところに出るので、私はこれで」


ターガが会釈をすると、同時にポータルが閉じた

エントランスには様々な姿をした宇宙人が出入りしていた

入り口付近に座っている緑色をした宇宙人に声をかけられた


「新人さん?お帰りですか?」


あ、はい

船外ゲートに出たいのですが


アルが答えると、船外ゲートのモニターを指して、どのゲート?と聞く

DPが映し出されているゲートを指差すと、Aポータルね、と教えてくれた

ちょっと待って、とアルに向けて何か小さな光を照射した


アルの中に連合のマニュアルが流れ込んできた

連合のトリセツよ、と緑色の人は3つある目の1つでウインクした

ありがとう、とアルはAポータルへ向かった


DPが待っている


“もう済んだのか、今行ったところだぞ”


テストは免除だって

親切な人ばかりだった

無事に連合入りできた!


“トンボ返りだな”


DPは大きく旋回してカークトゥへ向かって飛んだ


連合のマニュアルには、宇宙にあるポータルの位置、連合の任務に関するそれぞれの連絡先や担当部署、注意事項など、細かな情報が全て網羅されていた

その中に、アカシックレコードという宇宙資料図書の情報があった


アルはアカシックレコードにアクセスして、テラについて調べた


カークトゥからは約40光年離れていて、低次元にある物質的な惑星

まだ比較的新しい星で、アルが任務で行く時代には文明社会は存在していない

恐竜、と呼ばれる生物が主で、火山活動が活発で気温は40~50度になる

表面を海水という塩分濃度の濃い水が覆っていて、大部分を占めている


初任務でテラへ行くの、とDPに伝える


“テラか…、少し寄っていくか”


DPは方角を変えて、大きく羽ばたいた

しばらく飛ぶと、星団から離れたところに小さな星々がある


連合のポータルを通過すると、青い美しい星が浮かんでいた

アルにはキラキラと輝いて見えた

テラ、綺麗な星

なぜだかわからないけれど、アルはこの星とは縁が深いような気がした


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ