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アンドロメダの海と、星空の灯台

作者: 逢乃 雫

街並みを照らす


満天星紅葉は淡く


色づきの半ばに



ふりかえる頬を


風がそっと  


やさしく流れて



深まりゆく秋に


心まで色づくように




ひらり はらり


空から舞い降りる


一葉一葉は


トパーズの煌めき



秋時雨のあとの


キラキラ光る


道は星座を


ちりばめるように




吹きゆく風は


季節の旅人



翠の波の上を


さすらいながら



オレンジバラに


彩られた道に沿って



夕蜩(ゆうひぐらし)の鳴く


かすかな声に


耳を澄ませながら




星空の灯台に


秋という明かりを


燈すように



夜空の大海に


煌めく南のひとつ星


フォーマルハウト



街灯の橙色に


染まりゆく宵の街



(そら)にもまた


オレンジがやさしく




心の灯台に


言の葉の明かりを


燈しながら



澄んだ海のような


宙に浮かび上がる


アンドロメダ座の星々



二百五十万光年の


彼方に見つめる



夢と銀河を


瞳に映しながら



爽やかな夜風を


背中に感じて




いま見える星だけが


宙のすべてではなくて



昏い夜はきっと


星の光のやさしさと



朝の光の眩しさを


そっとささやくように



アンドロメダ銀河は


海のように


彼方に果てしなく



夢を言の葉という


かたちにしながら



言の葉にできない


想いを宙の星にこめて




大地に果実が


色づき実りゆく季節



海に溶けていく


バーミリオンの夕陽と



宙に煌めく


南のひとつ星




宙の海を照らす


星空の灯台に



燈る光はあたたかな


トパーズのように



そして


描いた夢の


言の葉もきっと



心の灯台に、


燈す明かりとなって




















トパーズは、11月の誕生石で、黄玉とも呼ばれ、太陽のかけらのような美しいオレンジ色のほか、様々な色があり、石言葉は「希望」「誠実」です。


秋の星座は、やさしい光の星が多く、唯一の一等星が、みなみのうお座のフォーマルハウトです。南の低い空に灯台の光のように輝き、白色ですが、地平線に近いためオレンジ色に見えます。「南のひとつ星」「秋のひとつ星」とも呼ばれます。


秋を代表する星座の一つ、アンドロメダ座は、神話の王女をモチーフに、一部がペガスス座と重なるように天高くにあります。中心部にある「アンドロメダ大銀河」は、地球から肉眼で見える最も遠い天体とされ、約250万光年の彼方とされます。


バラは色により様々な花言葉があり、オレンジバラは「幸多かれ」「絆」です。「満天星紅葉」は、春に沢山の星のような白い花を咲かせる満天星躑躅どうだんつつじが秋に紅葉することです。灯台躑躅とも呼ばれます。


季節の星や花、宝石をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] いつもながら綺麗な言葉の詩に心が癒されます。 とても素敵ですね。トパーズという言葉が出てきたときは嬉しかったです。私自身が11月が誕生月でありますので……。 いつも、作者様の詩には心が…
[良い点]  逢乃様の作品を音と光、言葉の選択が素晴らしいです。また効果的に擬人法をもちいることで躍動感を感じます。 [気になる点]  トパーズって、綺麗な宝石ですが音もどこか神秘的ですね。 [一言]…
[良い点] トパーズ、南のひとつ星、オレンジバラ。 秋の色々なオレンジが重なり、一つの絵を描いているような美しい詩でした。 『描いた夢の 言の葉もきっと 心の灯台に、 燈す明かりとなって』 …
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