第95話 武装グループへの強襲
僕はこれから一人で最大で一週間ほど東京に行く予定となっている。
一旦、集落のバリケード構築や感染者の殲滅、住居の整備が終わった為だ。
集落の責任者であるパパや、明日奈さん、莉子さんの了解ももらってある。
目的としては例の武装グループの殲滅と技術を持つ生存者のスカウトだ。
特に莉子さんのご両親が死ぬ原因となった、都内で暴れ回っている武装グループは絶対に許さない!
サーチで黄色い反応だから多分すぐに見つかるだろう。
僕がいない間の集落だけど、白蛇さんの加護により領域内には感染者が侵入出来ないしウィルスその物も無効になっている。
高さ10mの土壁のバリケードを超えてくる敵はまずいないと思うんだけど、念のためパパにだけは武力となる自動小銃を数丁だけ渡しておいて万が一に備えておく事にした。
出発前にキャンピングカーの汚水処理、燃料や消耗品、白蛇学園で出す給食の食材の補充、集約店舗の商品の補充も多めに行っておいた。
冷蔵庫もたくさん並べて稼働させているので半月ぐらいなら持ちそうだ。
最後に白蛇さんに毎日の感謝の祈りを捧げ、キャンピングカーで明日奈さんと莉子さん、光司君達に行って来ますの挨拶をして、僕は絨毯に乗って東京方面に飛行していった。
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やはり超能力は熟練度が関係してくるのか、使えば使うほど能力が上がってゆく。
サーチの検索範囲も今や1km超から1.5kmほどになり、念動力で同時に動かせる数も3から5に増えた。
それに念動力で動かす速度についてもかなり上がっているような気がする。
サイコバレットで感染者を殲滅しまくっていたので、たぶん念力の力も上がっているだろう。
操作系の能力はほとんど住宅にしか使っていないんだけど、実は火操能力だけはこっそりと練習して〈炎の玉〉もどきは攻撃として使えるようになっていた。
そんな事を振り返りながら1時間超ぐらいで目的地に着くことが出来た。
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僕は目的地に着く前から低空飛行に切り替えて気付かれない様にしていた。
サーチで周囲の反応見ると、ほぼ全員が黄色い反応ばかりだ。
このショッピングモールを本拠地としている武装グループを僕が敵と認識しているからだろう。
ざっと300人以上はいる。
この1ヶ月で、もしかしたら増えたのかもしれない。
少しだけ青い反応があるのは捕まっている生存者なんだろうか?
僕は武装グループの見張りのいるところまで徒歩で無造作に近づいて行った。
四人いる見張りは若い男で、手にトランシーバーや鉄パイプなどを持っている。
刃物も持っていないところを見ると、恐らく武装グループでも下っ端の方なんだろう。
「あ〜ん? 何だお前」
「避難民にしちゃあ小綺麗な奴だな? その服、置いて行けよ」
「何だ小僧じゃん」
「殺す?」
反応した見張りの者達が、丸腰である僕の全身を舐めるように見て話す。
僕は普通に買い物に来た様な、落ち着いた感じで四人に答える。
「僕の名前は荒井冴賢。あなた達に神罰を下しに来た者です」
「あ! 何言ってんだお前、殺すぞ!」
「殺っちまうか?」
「頭おかしいんだろ? 早く殺せよそんな奴」
「へへっ。そうだよ殺そうよ」
全然強そうに見えない僕にふざけた口を叩かれた見張り達は、案の定激昂して一人が僕に鉄パイプで襲い掛かって来た。
「オラッ! 死ね!」
僕はサイコアクセルを使って体感時間を引き延ばし、鉄パイプが当たる寸前で念動力を発動する。
(固まれ!)
すると男は不自然な態勢で鉄パイプと身体の動きをピタッと急停止した。
無理だったら避けようかと思ってたんだけど、やっぱり念動力で人や物の動きも止められるみたいだ。
「! う、動けねえ!」
「「「!」」」
僕はサイコアクセルを解除するとサイコブレードを生成し、固まって動けない男の左右の腕と両足を斬り飛ばす。
「おまっ! ぎゃっ! うぎゃああ!」
僕はすぐさま他へ連絡しようとしている男のトランシーバーをアイテムボックスへ回収し、逃げようとする他の男達を念動力で足止めして同じ様に腕と足を切断した。
「あ、あがああああ!」
「いぎゃあ! お、俺の手足があ!」
「ひい! 痛い! だすけて!」
手足が欠損した四人に、直ぐに出血死しない様に火操能力で切断面を焼いて止血だけ行なう。
切断の痛みと火傷の痛みで、胴体だけのダルマのようになって呻く男たち。
口々に悲鳴や命乞いをし始める。
「神罰だ、苦しめ! 理不尽に命を奪われてお前たちの犠牲になった人たちは、もっともっと苦しく辛い思いをしたんだ!」
そして僕は彼らの腹を即死しない程度にサイコブレードで切り裂いた。
この傷でいずれ失血死するまで存分に痛みと恐怖を味わってもらいたい。
それが無惨にも殺されてしまった犠牲者たちへの手向けになるだろう。
これから残りの武装グループの者達も、必ず全員漏れなく処刑する。
素晴らしい命の大切さを感じず、平気で他者を傷つける者達よ。
僕は神罰の代行者だ!




