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第9話 能力の把握

気付くと僕は学校の屋上に寝かされていた。

周りには誰もいないようだ。


どうやら白蛇さんの事は夢では無い様で、膝の怪我が治っているし服もパリパリして新品のようになっている。


(アイテムボックス!)


僕は頭の中で白蛇さんから貰ったはずのアイテムボックスを呼び出してみた。

右手に黒い渦の様な物が現れる。


「おおおおおっ! やっぱりあった! 夢じゃないんだ!」


僕は興奮して叫び、そして慌てて自分の口に両手を当てる。

あまり騒ぐと感染者に気付かれてしまうかも……


僕は気を取り直して渦の中に手を入れて意識を集中してみた。

すると頭の中に入っている物のリストが流れ込んでくる。

感覚的にはパソコンでスクロールしながらショッピングサイトを見ている感じだ。


でも何か必要なさそうな物ばかりリストにある様な気がする……

食べ物は無いのかな?


(食べ物)


僕はカテゴリーで分類するような機能は無いのかなと思い、探したい物のキーワードを頭の中で思い浮かべた。


するとリストが全て食べ物で分類されたようだ。

こりゃ便利だ。

米とか肉とか麺とかも入っている。


数量も全て999999となっていて、単位が分からないけど相当の数がある様だ。

更に水もあって∞無限マークが付いている。


白蛇さんが僕の為に持たせてくれた物資だ、これから大切に使っていこう。





ーーーーー





さっきから気になっていたんだけど、僕は近くにいる感染者の位置情報が分かるようになっていた。


これはパソコンで言うと別ウィンドウを開いて地図を見ているような感覚だ。

屋上で感染者を見ながら目をつむったりして確認すると、自分を中心に感染者は赤い点で表されるようだった。


これも白蛇さんが僕にくれた能力の一つだと思われる。

事前にチェックしていれば不意に襲われる事が無いとてもありがたい能力だ。


どうやらこれは立体的に見る事も出来るようで、屋上にいる状態でも4階や3階辺りにいる感染者の位置が分かるみたい。

範囲はまだ良く分からないけど恐らくこの校舎は全部カバー出来ている。

これがあればこの学校からの脱出も問題無いだろう。


白蛇さんには本当に感謝しかない。





ーーーーー





次に僕は身体能力を確かめるため、屋上の端から端までダッシュしてみた。

耳にゴウッと風を切る音が聞こえるほど速い。

しかもまだマックススピードに達していない感覚だ。

それに結構ダッシュしたのに息もあまり切れていないようだ。

ジャンプは……今は止めておこう。目立つかもしれないし。


ありがたい事に白蛇さんは身体能力もかなり上げてくれたみたいだ。

これで家まである程度休みながらでも何とか自力で帰れそうだ。


僕はポケットからスマホを取り出して、災害用地図アプリを開いた。

このアプリで家までの大体の方角の目星を付ける。


そこで僕はスマホの充電が100%になっている事に気付いた。

充電器が入っているバッグは達也達に奪われてしまったので、充電が出来ないと思っていたけど白蛇さんが100%まで充電してくれていたようだ。


僕への気遣いがとてもありがたくて涙が出そうになった。





ーーーーー





白蛇さんはすぐに全ての力が使えるようにはならないとか言っていたので、当面はこの身体能力とサーチ能力でなんとか家に帰るしないと思う。

もしかしたら空を飛べるかも? と思ったけど流石に飛び降りる気にはなれない。

幸い食糧や水やなどはアイテムボックスに大量にあるので、道中困るのは寝るところぐらいか。


あ、武器とかいらないんだろうか?

こういう時アメリカなら真っ先に銃を手に入れるんだろうけどここは日本だ。

銃はまず手に入らない。


これがゲームとかだと日本刀とかで格好良く感染者と戦うんだろうけど、僕は扱い方も分からないしメンテナンスも出来そうにない。

そうするとオーソドックスにバールとかバットとかの打撃系武器が良いかも。


僕はアイテムボックスで(バールかバット)を検索する。

すると各種の形状や長さのバール、木製、金属製の各種のバットがずらりとリストに現れた。


「えっ? こんなに!?」


思わず声が漏れる。

無駄に凄い種類のアイテムが格納されているようだ。

数も全て999999……


お店を開くわけじゃないんだけどな……

白蛇さんは何も言っていなかったけど格納する容量とか大丈夫なんだろうか。


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