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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
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第69話 治癒の奇跡

「俺は、どうなったんだ? てっきり撃たれて死んだと思ったが……」

「あなた!」

「パパ! 良かった!」


僕が一生懸命に白蛇さんに祈ったお陰なのか治癒(ヒーリング)能力が発動してパパの怪我は治ったようだ。

僕は改めて力を授けてくれた白蛇さんに感謝を捧げた。


周囲で見ていた人たちも驚いている様子だった。

それはそうだろう、撃たれて死んだと思っていた人が生き返ったんだ。

口々に奇跡だと驚愕しているけど説明する義務は無いだろう。


「パパ、ママ、玲奈、ただいま!」


「冴賢、良くここまで来てくれた! しかし相当訳ありみたいだな」

「本当に良くここまで!」

「お兄ちゃん! 助けてくれてありがとう! 凄く格好良かったよ!」


「うん! 聞いて欲しい事がたくさんあるんだ! でも、この男たちはどうするの?」


「ああ、コイツら五人はこのまま追放だろうな。自分たちもゾンビ共の餌食になるといい!」


この男たちは銃という武力を背景に助けてもらったはずの集落を支配し、元からの町民や避難民に危険を押し付けて暮らして来たそうだ。


「じゃあ僕が集落の外まで運ぶよ! ついでに僕の仲間を紹介するから着いてきて」


僕は元々持っていたように見せかけて、アイテムボックスからロープを五本出し、男たちの腰に括り付けると五人を引きずって歩き出した。





ーーーーー





集落の外に引きずり出した男たちを適当に外に捨てた後、僕は待たせていたキャンピングカーに家族を招いてみんなを紹介した。

家族は豪華なキャンピングカーの設備に驚いている様だった。


明日奈さんを紹介するところでは、パパとママに凄くニヤニヤされた。

明日奈さんも真っ赤になりながらも自己紹介してくれた。


一通り紹介し終わった後、僕と家族はダイニングテーブルで再会するまでの事を報告し合った。


まずパパたちは一週間ぐらいは自宅に籠もっていたようで、幼馴染の真理の家である武田家にも物資を分け合いながら生活していたそうだ。

だけど自宅の地区は人口が多くて避難所に入れない人が続出し、物資に困った人がうちに物資があるとの噂を聞きつけて一部の人が襲ってきたそうだ。

武田さん家に物資を分けていたところを誰かに見られていたのかもしれない。


その時は玄関で撃退できたそうなんだけど、これ以上は危ないという事で襲われたその日に慌てて残りの物資を車に積んで、武田さんたちも一緒に車に乗せて家を出たみたい。


そして旅行で多少は土地勘のある栃木の山奥を目指し、何とか無事ここに辿り着いて受け入れて貰えたとの事。

その後、時折物資を調達しに町に行きながら自給自足生活をしていたみたいだけど、二週間ほど前に食糧などの助けを求めてあの男たちやって来た。


最初は低姿勢だったけど、そのうちに拳銃などの武力に任せて傍若無人に振る舞う様になり、今日はとうとう中学生の玲奈を男たちに寄越せと言われて抵抗した結果、パパが銃で撃たれたとの事だった。


次は僕が話す番だ。





ーーーーー





「これから食事を出すから、食べながら聞いて欲しい。実際に見てもらうのが早いと思うから!」


僕はテーブルに手を翳すと、アイテムボックスから一○堂のラーメンを取り出して配膳した。

家族で良く食べに行ったラーメンだ。


「これは!」

「えっ! ラーメン? しかも一○堂!」

「何で!」


パパもママも玲奈も超ビックリしている。

でもあんまり驚かすのも悪いからそろそろタネ明かししよう。


「冷めないうちに食べながら聞いて欲しい。替玉もあるからね」


僕は食事しながら今までの事を話した。

最初は学校で避難していたけど食糧不足から崩壊し、その時に真理を庇って怪我をした僕が二人に裏切られて見殺しにされた事。


その時に明日奈さんが僕を助けてくれたけど、すぐに離れ離れになってしまい、死を覚悟した時に白蛇さんに会ってアイテムボックスなどの力を授かった事。


その後学校を離れた時に明日奈さんと再会し、家に送り届けたりしてやっと自宅に帰ると誰もいなかった事。


あてもなく家族を探す中で光司君と美久ちゃんを助け、二人の避難所を探しているうちに、明日奈さんと再会して行動を共にし最近5人の子どもたちを保護してここまでやって来た。


食べ終えた時、家族は全ての事情を理解してくれたようだった。


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