表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
69/220

第68話 断罪と治癒の光

「遅くなってゴメン! これってどういう状況?」


「お兄ちゃん! パパが! パパがお腹を撃たれたの!」

「早く逃げなさい! あの人たちはこの集落を銃で脅している悪者よ!」

「……冴賢、すぐにママと玲奈を連れて逃げるんだ……最後に盾ぐらいにはなれる……」


武装した無法者の集団が、従わないパパを見せしめに殺そうとしたって事か。

パパは最後の気力を振り絞って、僕たちを逃がそうと起き上がるつもりだ。


「パパ、大丈夫だから今は動かないで! コイツラは僕がすぐに倒すよ」


僕は怒りで力がみなぎって来るのを感じる。

コイツらパパを殺そうとしやがって!


僕は銃を持った男たちを睨みつけた。


「あ〜! 倒すだあ?」

「てめえ、これが見えねえのかよ?」

「そうだ!」

「ぶっ殺すぞ!」

「お前ら、いいからもう殺っちまえ!」


僕は手を翳してアイテムボックスに男たちの銃を格納した。

いきなり拳銃が消えてしまったので男たちは狼狽する。

よし! 思った通りだ。

範囲内なら人が持っている物でもアイテムボックスに格納出来るんだ。


「え、銃は?」

「あれ?」

「どこいった?」

「?」

「いきなり消えたぞ!」


僕はこの隙にバールを振り上げて男たちに向かって行く。

とりあえず危険な拳銃は奪ったので、念力(サイコキネシス)を纏わずに戦う。


パパを撃ったリーダー格の男の鎖骨辺りを狙い、バールを袈裟懸けで思いっ切り振り下ろす。

(ドガッ!)

「ぎゃあああ!」


男の鎖骨は折れて打撃が肋骨にまで達しているようだ。

バールの先端で傷付いた部分から血しぶきが舞う。


次に向かって右側の二人のそれぞれの脇腹にバールをフルスイングする。

(ドゴッ! ドガッ!)

「うごおおお!」

「ぐごおおっ!」


最後にそれを見て怯んだ左側の男たちにも、それぞれバールを振り下ろして叩きのめした。

僕がバールで殴った男たちは皆、地面に倒れて痛みにあえいでいる。


他にも何人か人がいるが、こちらに向かって来る者は誰もいない。

驚いた事になぜか武田さん、真理の両親もここにいるようだ。


とりあえず今はパパの治療だ。

腹部を撃たれて出血している様だし輸血とかしないといけないんだろうか……


「パパ、まだ動かないで! ママ、ここに治療出来るところは?」


僕はママに尋ねる。

だけどママは泣きながら首を振ってパパにしがみつく。


「ここにお医者さんはいないの……」


そんな! それじゃあパパは……


「冴賢……少し見ない間に強くなったな……俺はもう駄目だ、悪いがママと玲奈を頼む……」


パパはそう言うとすぐに意識を失った。

今まで気が張っていたから大丈夫に見えていただけで、瀕死の重傷のようだ。

妹の玲奈も泣きながらパパに縋りついた。


死なせない! 死なせないぞ! ようやく会えたんだ!

白蛇さんは僕に治療が出来ると言ってたじゃないか!

やるんだ! パパの治療を。


「パパ……」


僕はパパのお腹に両手を当てると、白蛇さんに強く祈った。

どうかパパの傷を治して下さい……お願いします。

僕に治癒能力を授けて下さい!

どうか、どうかお願いします……


するとその祈りに応えるように、急に僕の手が眩しい光を帯びた。

そしてその光が、当てられているパパのお腹辺りに吸い込まれて行くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ