表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
66/220

第65話 群れからの包囲

あれから東よりに北上を続けた僕たちは、このままサーチが指し示す方角に進むと県庁所在地がある市の中央を通る事になると気づいた。


人口が多い場所だと感染者の数も比例して多くなって危険が増すだろう。

僕たちは話し合った結果、目的地がそこである可能性はかなり低いので避けて進む事になった。


幸い僕達にはアイテムボックスがあるので物資には困らない。

無理に人口密集地を行く必要はないんだ。


一旦真北に進んで市の中央を避け、そこからまたサーチで方向を決めて進んで行く方針とした。


夜になって比較的安全だと思われる道路上に車を停め、みんなで美味しい夕食を食べてその日は眠りについた。





ーーーーー





(ドン! ダン!)


何かを叩く音がして目がする……


(ドン! ダン! ダン、ダン、ドン! ダン!)


尋常じゃない音に目が完全に覚める。

何だろうか車体にも少し何か響く感じがする。


ふとベッドルームに目を向けると、明かりがついたままなのが見える。

誰かが寝ぼけて明かりをつけてしまったのだろうか?


これはまずいかも!

僕が急いでサーチで辺りの状況を確認すると、僕達の周りは全て赤色で埋まっていた!


窓を開けてみると、感染者に360度取り囲まれている様だ。

僕達のキャンピングカーを囲んだ感染者が車体を押したり、叩いたりしている。


(ダン、ドン! ダン!)


「みんな起きて! 緊急事態だ!」


僕は光司君を揺さぶりながら車内に声を張り巡らせる。


「どうしたの? 何か少し揺れているみたいだけど」

「……冴賢さん、この音、どうしたんですか?」

「う、ん……何かあったんですか?」


明日奈さんと光司君、早苗ちゃんは僕の呼びかけで目を覚ましてくれた。

小学生以下の子供たちはこれぐらいじゃ起きないみたいだけど、逆に都合が良いかもしれない。


「落ち着いて聞いて! 寝てるうちに僕たちは感染者に囲まれてしまったんだ! ベッドルームの明かりがついたままだから、それを見て集まったのかもしれない!」


「えっ!」


3人が驚いて窓の外を見る。

暗いけど感染者の頭だらけなのがわかったみたいだ。

光司君がすぐに走ってベッドルームの明かりを消してくれた。


「どうしよう? どのくらいの数に囲まれているの?」

「怖い……」


「それが、数え切れないぐらいなんだ……正直、これだけの数だと僕の超能力でも全部倒せる自身は無いかな……」


明日奈さんが不安そうに聞いてきた。

早苗ちゃんはかなり怯えているがこの状況じゃ仕方がないだろう。


「このままじっとしてれば解散してくれませんかね?」

「わからないね……この車は高さもあるし侵入できないから大丈夫かもしれないけど、大勢で車体を叩いたり押したりしてるようだから、そのタイミングが合ってきちゃうと、バランスが悪い車だから横転させられる危険はあると思う」


光司君は案外図太い性格のようだ。

でもこのまま一旦じっとするのもアリかもしれない。


「冴賢さんの能力で、車体が横転しないように制御出来ませんか?」

「それは……出来るかも! 光司君の言うように一旦朝まではやり過ごそうか」


三人とも賛成の様だったので僕は朝まで寝ずに車体の監視を行い、もし車体が倒れそうなら念動力(テレキネシス)で倒れないように制御する事になった。


三人に寝ていても良いよと言ったら、光司君だけは運転もあるので寝る事になった。

明日奈さんと早苗ちゃんは、この状況じゃ絶対に眠れないと言っている。


女子が繊細なのか光司君が図太いだけなのか。

眠れないという女子も泣き叫んだりはしていない。

僕を信頼してくれているからだったら嬉しいと思う。


眠そうな僕に明日奈さんが苦笑いでドリップコーヒーを入れてくれるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ