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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
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第62話 進路妨害

僕たちは順調に北上を続けていた。

東京を離れるに連れて感染者は少なくなるけど、県境に近いこの辺りはかなり少ないように感じる。


倒されている感染者も多く見かけるようになった。

道の脇に積み上げられたりもしている。

たぶんこの辺りの強力なコミュニティが感染者を倒しているんだろう。


まあ僕たちには関係ないかなと進んでいたところ、光司君がキャンピングカーを停止させた。


「冴賢さん!」


光司君が緊迫感のある声で僕に危険を知らせる。


進行方向を見ると、今までの様に壊れて動かなくなった車や乗り捨てられた車ではなく、人が乗っている車数台で進路妨害をされていた。


肉眼で進行方向にだけ注意してたので気付けなかった。

何らかの方法で遠くから僕たちの車が来るのを見て、待ち伏せしていたのかもしれない。


続々とその車から降りた者たちがやって来る。

元々が徒歩の者もいるようだ。

もしかしたらここは関所のような感じになっているのかもしれない。


「おおーこりゃあ凄え車だな!」

「これ、キャンピングカーですよ!」

「ガキが運転してるじゃねえか!」

「凄え! 欲しい!」


進路妨害をした者たちはそれぞれ手に武器を持っている。

しかも僕たちがバックで逃げられないようにいつの間にか後にも車が停められて、そこからも数人がキャンピングカーの周りにやって来る。


僕たちは囲まれてしまったんだ。





ーーーーー





「冴賢くん……」

「ひさとお兄ちゃん!」


明日奈さんが険しい顔で助手席の僕に近づいて来る。

美久ちゃんも不安そうに声を上げる。

早苗ちゃんは怯えている子供たちを宥めてくれている様だ。


「みんな、大丈夫だから! 僕に任せて!」


僕は落ち着いて、皆を安心させるように笑顔で振り返って告げる。

それを見て少しみんなの表情が和らいだ。



「通れないので、車を退けてくれませんか?」


「うるせえ! 今直ぐ全員車から降りろ!!」


僕は助手席の窓を開けて、近くに寄ってきた男性に上から車を退けるよう声を掛けたけど、男性はこちらを脅すように声を荒げて降りるよう要求してきた。


「早くしろゴラァ!」

「ぶっ殺すぞ!」

「ねえ、早く乗ってみたい!」


他にも脅してくる者や、この車に乗りたがっている女性もいる。

今や僕たちの家でもあるこのキャンピングカーを奪う気満々の様子だ。

だけどそれを許す訳には行かない。


「僕たちは車から降りる気はありません。警告しておきますが、退かないで攻撃して来るのであれば実力で貴方たちを排除します!」


「ガキが、何生意気なこと言ってんだ!」

「これが見えねえのか!」

「引きずり出してやる!」


男の一人が鉄パイプの様な物で、助手席の窓越しに僕を叩こうと獲物を振りかぶる。

このまま叩かれて車が傷つけられるのも嫌だ。

僕はこんな時の為に考えていた手を実行する事にした。


バールにも出来たことだ。

実際に出来るかどうか、みんなが寝ている間に試した事もあった。


男の鉄パイプが窓に当たる瞬間、僕はキャンピングカーに念力(サイコキネシス)を纏わせる。


僕たちの乗るキャンピングカーが青白い光に包まれた。


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