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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
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第47話 婦人警官と被害者たち

僕は拳銃を回収し、二人を連れてこのビルの上の階へと進んだ。


サーチでみたところ、この部屋に女性達が集められている様だ。

部屋のドアを開けようとしたけど、鍵が掛かっていた。


(コンコン!)


「あの! 誰かいますか? 僕は通りすがりの高校生です」


僕は中から開けてもらおうかと、声を掛ける事にした。

サーチで中に人がいる事はもうわかっているんだけど、なぜだか応答が無い。


もう一度声を掛ける事にする。

これで返事が無かったら無視して行ってしまおう。


「これで最後にします。誰かここにいますか?」

「え、ええ……」


「もしかして婦人警官さんですか?」

「えっ! なぜ知っているの?」


自分が婦人警官だという事を当てられてビックリしたみたい。

でもさっきの話しに婦人警官が出てきたし、こういう場合は矢面に立つだろう。


「死んだ男達が言っていましたので。それと拳銃も3丁は持っていました。返したいんですが、ここを開けてもらえませんか? 鍵が掛かっているみたいなんです」

「そう……でも、鍵は中からは開かないのよ」


「そうですか……わかりました。ならこれから扉を壊しますので離れて下さい!」

「わかったわ!…………いいわよ!!」


「行きます!」


僕は素の力でドアを何回か蹴る。

そのうちにドアがひしゃげて少し無理やりだけど開けられるようになった。


中には婦人警官の他、8人程の女性が固まっていた。

こちらを怯えるように見ている。


「どうも。高校生の荒井冴賢と言います。まずはこの拳銃を返しておきます。弾は少し減っていると思いますけど」


僕はあらかじめアイテムボックスから出して床に置いてあった拳銃を、婦人警官に手渡した。





ーーーーー





「これは!! 全員あなたが殺したの?」


女性達には婦人警官に拳銃を渡した事と、僕が中学生と小学生の兄妹を保護しているところを見て、警戒を解いてもらえたようだ。

女性達の中には解放された事で泣き出す人もいた。


そんな中、僕が男達を倒した事を告げると、確認したいという婦人警官と僕で現場に行くことになったのだ。


「はい。拳銃と刃物で僕達を殺そうとしてきたので。正当防衛ですよ?」


こっちが先に手を出したので正確には違うけど正当防衛の箇所を強く主張した。

僕は殺人鬼じゃないんだ。

もう殺人は既に慣れてしまったけど理由なく人を殺したりはしないつもりだ。


「殺したのを責めているのではないんだけど……良く殺せたわね。皆鋭い刃物で切断されているみたい……」


婦人警官が鋭い目付きで僕を見る。

僕が凶器を隠しているように思っているのかもしれない。


「そのう……その辺りは触れないでもらえれば」


「……まあいいわ。助けてもらったんだものね。改めてお礼を言わせてもらうわ。ありがとう」


「いえ、僕達も絡まれたので、ついでみたいな感じですみません。あの、少し気になったんですが、拳銃が3丁という事は……」


「……ええ。同時に捕まった警察官の仲間がいたはずなの。でも殺されてしまったみたいね……」


婦人警官は少し寂しそうにそう説明してくれたのだった。





ーーーーー





その後、名前を教えて貰った婦人警官の米倉さんと相談し、僕達は彼女の所轄の警察署まで全員で移動する事になった。

移動に際して護衛として僕にも手を貸して欲しいとの事だ。


僕からの条件として光司君と美久ちゃんを警察署が運営する避難所に入れて欲しいという事を話すと、米倉さんはすぐに了承してくれた。


これで彼女達を送り届ければ探し求めていた避難所の問題も解決する事になった。


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