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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
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第45話 ならず者コミュニティ

「どうしても行くのか? 他の者からも君がここに居られるようにと嘆願が来ているんだ。ずっとここに居てくれてもいいんだよ」


「ええ、ありがとうございます。でも、ここには思い掛けず問題のある知り合いが居まして……後から来た僕が出ていくのが妥当だと思います。それで、この二人にも影響があるとまずいので連れて行きます。とても良くしていただいたのに、すみません」


「そうか……なら仕方ないな。また気が向いたらいつでも来てくれ」


「はい。その時はよろしくお願いします」


避難所のリーダーと最後の挨拶を交わした。


そして僕達はまた北へと旅をしながら避難所を探して進んでゆくのだった。





ーーーーー





「ひさとお兄ちゃん、美久もう疲れちゃった……」

「美久、甘えるなよ。冴賢さんが大変だろ!」


「良いよ。疲れたなら僕におぶさって」

「わーい!」


膝はかなり良くなっているので美久ちゃんは自分で歩くと言っていたけど、どうやら一時間ぐらいが限界だったようだ。


僕はリュックを手に持ちかえると、しゃがんで背中をつき出した。

美久ちゃんが嬉しそうに僕におぶさって来る。


「もう……すみません冴賢さん。リュックだって重いのに」


「いいんだよ。小学生でずっと歩くのはきついだろうからね」


僕たちはその後少し速度を上げて進み、途中の空きビルで夜を越した。

そして次の日の昼頃、サーチで大勢の生存者の反応があった付近にいってみたけど、1つのビルでしか無かった。


ここは避難所ではなくて生存者が作ったコミュニティーだろうと判断する。

子供を受け入れてもらえるとは思えない。


僕はこのビルをさっさと通り過ぎてしまおうと足早に歩を進めた。


だが感染者がまわりに何体かいたので、その対応に追われてるうちにそのコミュニティーに僕達の存在が知られてしまった様だった。





ーーーーー





「おい、お前ら! ちょっと来てもらおうか?」


後ろから続々と現れた若い男達が10人ほどいる。

その中の金髪の男が僕達に命令してきた。


「ひさとお兄ちゃん……」

「冴賢さん……」


男達はさっと僕たちの前にも何人か回り込んで、取り囲まれる格好になった。

光司君も怖いのか僕の側に寄り、美久ちゃんは背中にしがみついて震えている。


サーチで確認すると、まだビルの中には10人以上いるようだけど、ほとんどが女性みたいだ。


「僕達は避難所を探して移動しているんです。 このまま僕達を行かせてくれませんか? もし必要ならこのリュックは差し上げます」


僕は美久ちゃんを背中におぶったまま男達に答えた。

手に持ったリュックは手前に差し出す。


恐らくこの男達も食べるのに困っているんだろう。

リュックはアイテムボックスが不自然に見えないようにするダミーなので、物資は少しのお米とお菓子、後は水と医薬品ぐらいしか入ってない。


あげても特に問題は無いだろう。

また何処かでリュックを探そう。


男達は何やら相談してる。

まあ小学生をさらっても意味はないだろうし、僕達を食べるという事も無いだろうから僕の提案はきっと通るはずだ。


男達は僕の持つバールをチラチラと見ながら相談している様だった。

そして最初の金髪の男が口を開く。


「駄目だな。お前は感染者とも戦えるみたいだしな。全員、ビルに入れ!」


僕達はそのままビルの中に連れて行かれる事になった。

僕はどういう集団なのか少し興味もあったので、抵抗はせず連行されて行く事にした。


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