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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
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第36話 呼び出しと対立

僕はあの二人を完全に無視する事にした。


僕を見捨てて、僕の食糧を奪って学校の体育館から逃げた二人。

それを許す事はたぶん一生涯無いだろう。


あれから2ヶ月ぐらい経つ。

今まですっかり忘れていたんだけど、もう僕の胸があの二人の事で痛む事は無い。

死のうが生きようが僕には関わりの無い事だ。


僕たちは3人に割り当てられた区画に荷物を降ろす。

一人一枚の毛布の支給もあるようで置いてあった。


「ふふっ。お兄ちゃんはここ、私はここ、ひさとお兄ちゃんはこっちね!」


美久ちゃんがやっと安全な避難所に入れた事を嬉しそうにして、自分の左右に僕らの居場所を勝手に割り当てた。


「こら美久。勝手に決めるなよ!」


「まあまあ。僕はそれで構わないよ、美久ちゃんが決めて良いよ」


「やった! ひさとお兄ちゃん、大好き!」


美久ちゃんが僕に抱きついてくる。

僕はこの3日間で二人とは凄く仲良くなっていた。


特に美久ちゃんはおぶって移動している事もあり、まるで親の様に懐かれている。

もしかしたら背負ってくれる僕に、亡きご両親を重ねているのかも知れない。

まだ小学生なんだ、無理も無いだろう。


僕らが少しくつろいでいると視線を感じた。

サーチで分かっていたが、顔を上げると数人の制服姿の高校生に囲まれている。

光司君と美久ちゃんが不安そうに怯える。


「おい、ちょっといいか? 顔貸してくれよ」


制服だけど体格の良い男子が僕に着いてこいとジェスチャーしてきた。

高校の先輩なんだろうか。


「冴賢さん……」

「ひさとお兄ちゃん……」


「大丈夫だよ。ちょっと行ってくる。直ぐ戻るからね」


僕は二人を安心させるように微笑みながら言い、高校生達についていった。





ーーーーー





連れて行かれた先には案の定あの二人が待っていた。


「ひー君! あなた、ひー君なんでしょ?」

「お前……何か大きくなってるが、やっぱりひさとなのか?」


二人は僕を置き去りにした事を忘れた様に話し掛けてきた。

あれだけの事をしておいて、今更何の用だ。


「僕には君たちの様な知り合いはいない! 用件がそれだけなら僕は失礼させてもらうよ」


あの二人とは話す価値なしと決め、光司君と美久ちゃんのところに戻る事にした。


「まあ、待てよ! 生意気な奴だ! お前らも囲め!」


踵を返す僕の肩を、一番体格の良い男子がニヤニヤした様子で強く掴む。

力といい体格といい柔道でもやっていそうだ。

明らかに暴力で言う事を聞かせようとするタイプだ。


これを敵対行為と認識した僕は、肩を掴んでいる相手の手首を、肘を伸ばした状態で手首を極めて固定させ、さらに後頭部を掴んで手首をひねりつつ、少し回転しながら重心を下げて顔から地面に激突させた。


昔柔道を習ってたパパに教えて貰った手首の関節技だ。


「ぐがあっ! いでえ〜!」


かなり手加減したけど、鼻を潰された痛みで肩を掴んできた男子が声を上げる。

それを見て周りの男子が僕から一斉に距離を取った。


「僕に勝手に触るな。次は手加減しないぞ」


鼻を潰された男子は、はいつくばって涙目でこちらを見てフンフン頷く。

こういう輩は相手が自分より強いと分かると途端に大人しくなる。


誰もピクリとも動こうとしないので、僕は振り返らずにその場を後にした。


僕はともかく光司君と美久ちゃんに何かされても困る。

夕食前に区画の担当者を探し出して、念のため部屋を変えてもらう事にした。


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