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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
二章 家族を探して
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第35話 望まぬ再会

最初の避難所に断わられてから2日経った。


その間、僕達はいくつかの避難所に掛け合ったけど、その全てに断られていた。

パンデミックから2ヶ月、どの避難所も食料事情が悪いらしい。


今は感染者が多く社会がマヒして色んな物が生産出来なくなっている。

だから田舎ならともかく、スーパーやデパート、コンビニや食料品店、倉庫などから食料を入手するしかない。


運搬も自分達でやらなければならないし常に危険が付きまとう。

子供には出来ない仕事なので親がいない子供は断わられてしまう様だ。


それでも僕達は北上しながら避難所を探し続けた。





ーーーーー





「悪いけど食料事情が悪くてね。子供だけの受け入れはしていないんだよ」


僕達は事情を説明したけど、また同じ様な言葉で断りを入れられた……

二人とも済まなそうな顔を僕に向けてくる。


仕方が無い、また他を探そう……


そう思った時、周囲から結構な数の感染者が近付いてくるのが見えた。

そういえばまた断られるかもという事で、あまり遠くまでサーチしていなかった。


「君達! 感染者が来てるよ! 早く逃げなさい!」


避難所の人が上から警告してくれる。

僕は兄妹を後ろに隠してバールを構え、感染者を迎え撃つ態勢をとった。


兄妹は僕の強さを知っている。

この程度の感染者の数では慌てた様子は無い。


避難所の人が上から見ているから念力(サイコキネシス)は纏えないけど、バールに攻撃の瞬間だけ纏わせる事は出来そうだ。


「はあっ!」


一番近い感染者に自ら走り寄りながら、バールを頭部に貫通させた。

すぐ後ろの感染者は頭蓋骨を斜めから叩き割る。

全て一撃だ。


「おお!」


避難所の2階から見ていた人が感嘆の声を上げる。

僕は残りの数体も兄妹を護りつつ、危なげ無く倒した。


サーチで他に感染者がいない事を確認すると、避難所の人達に会釈をして立ち去ろうとしたが、さっきとは別の人に声を掛けられた。


「君、強いねえ! もしかして剣道の有段者とか?」


「いえ、我流です。でも、このぐらいの数なら問題ありません」


避難所の人は何やら考えている。

もう立ち去ろうかどうか迷っていると、また声を掛けられた。


「君が少しの間食料調達に協力してくれるなら、二人を受け入れよう」





ーーーーー





その後、僕達は避難所の中に通され、近々大型のスーパーマーケットから食料を調達しに行く案を聞かされた。

僕にそのメンバーに戦闘要員として加わって欲しいそうだ。


そこには感染者が多くいて調達は難しそうだと言う事になっていたけど、もう食料が不足してきているので、そうも言っていられないという事だった。


今はメンバーを選定中で明日にでも出発したいとの事。

先ほど声を掛けてくれた避難所のリーダーも、光司君達の事は今後も責任を持つと言ってくれたので僕は参加する事を承諾した。


僕達はこの避難所の説明もされた。

ここは元は市役所で現在の避難者は約200人。

食事は朝夕の2回。

中学生以上は、何らかの仕事をしているとの事だった。


僕達は係の人に誘導され、避難所の中での居住区に案内された。

ホテルとかではないため会議室のようなところで雑居する事になる。

家族単位でパーティションのような間仕切りも、必ずではないが与えられるとの事だった。


僕たちに割り当てられた部屋に移動する。

若者は若者同士の方が良いだろうという配慮で、学生が多い部屋だという。


扉を開けて入った僕達は、係の人に紹介された。

無意識にサーチを使用した僕は、ふと嫌な気配を察知した。


部屋の隅にはあの二人、真理と達也が驚愕した顔でこちらを見ていたんだ。


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