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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
最終章 新たなる世界へ
206/220

第198話 佐渡ヶ島に着いて

僕は一瞬にして別の場所に移動した事に驚く皆に、ここは佐渡ヶ島である事を伝えた。


そして全員に今後の方針を話す。


「あの時、僕達の小学校を襲ってきた者達は邪神の使徒でした。白蛇さんが奴らを遠くの極寒の地へ飛ばしてくれたみたいなんですけど、いずれまた僕達の前に必ず現れます。ですので今度はここを拠点として準備し奴らを迎え討つ事になると思います!」


続けて話す。


「この島全体ではさすがに広すぎるので、この野球場を中心としたエリアを要塞化して、変異体の大群と魔王となった達也、暴食の魔王を討つ準備をします。サイコ部隊の皆はジェネラルと呼ばれていた特殊な変異体と戦う準備をお願いします。あと、新生守備隊の募集をしますので、佐々木さんと一条さんで希望者を取りまとめてください」


とりあえず僕の考えを説明した後、ママ、光司君、明日奈さん、莉子さん、佐々木さん、一条さん、綾音さん、茜さん、虎太郎さん、悠里さん、雄二さん、明人君、川上先生、小谷静香さん、平坂家母と、新潟グループからは虎太郎さんと雄二さんが面識のある青柳さん他一名にも代表、副代表として参加してもらい、色々な事を決めていった。





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僕はとりあえず近にいる感染者をサイコバレットで一掃し、野球場とその周辺のある程度の大きさの土地全体を土操能力(グランキネシス)で作った土壁で囲んだ。


土壁は以前より高い20mとした。


いくら壁を高くしても変異体は飛び越えてくると思うので、本格的な要塞化は佐々木さんや一条さんと相談する事にしよう。


とりあえず今日はもう日が落ちるので、皆には簡易テントと毛布を配布して野球場に展開してもらい、周囲に仮設水洗トイレを20台ほど設置して野営準備を行った。

また、電操能力(エレクトロキネシス)で通電した冷蔵庫をいくつか配置し、いつでも飲み物で水分補給は可能にしておいた。


夕食は立食形式のビュッフェをアイジスに用意してもらい、取り立てて挨拶とかはしないけど新潟グループの簡易的な歓迎会とした。


昨夜もカレーや丼物を出して食べていたようだけど、ビュッフェは和洋中とかなりバリエーションが揃っていたのと、飲み物としてはソフトドリンクやお茶系以外に酒類も出したので、大人の人はそれに大満足みたいだった。


アイジスがビュッフェの一部にスイーツ系も出してくれていたので、真子ちゃんや明日奈さんにべったりの千夏ちゃんという小学生女子や、その他の子供や女子たちも満足してくれた様だった。





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今日の最後の仕事としてはお風呂の作成だ。

日本人として、お風呂は日々の生活に欠かせない物だからね。


アイジスにお願いして、男湯と女湯、それぞれ50人ぐらいは一度に入れる銭湯の様な施設をグラウンドの端に立てる。


もちろんお湯は源泉かけ流しの温泉だ。

湯上りにコーヒー牛乳などの水分が取れるように、大型の冷蔵庫と中身も配置しておく。

タオルなどはとりあえず大量に用意して使い捨てにしてもらい、後で僕が廃棄しておく事にしよう。


お風呂が使用できるようになったと通知すると、みんな大喜びで順番に仲良く使用してくれている様だった。





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僕はママと玲奈のテント、僕と明日奈さん、莉子さん、秀彦君のテントを組み立てた後、まだ出来ていなかった武田家母と真理のテントの用意を行い、そのまま真理に人気の少ないところまで来てもらった。


真理に助けられた、あの小学校の時の話をしておきたかったんだ。


「ひ~くん話って……」

「真理、あの時は本当に助かった。今、命があるのは真理のお陰だよ。ありがとう」


僕は真理にお礼を言って頭を下げた。

あの時真理が割り込んで来てくれなかったら、間違いなく僕は死んでいただろう。


「ううん。あれは私の本心だから……あの時、ひ~くんを置いて行った事は死んでも良いぐらい後悔しているの……だから死ぬことなんて、もう怖くないから」


「それでも、ありがとうだよ。それとおじさんの事、ごめん……」


僕達が弱かったからパパや武田のおじさん、守備隊も全員が犠牲になってしまったんだ……


「ううん。あの後ね何日かして夢にお父さんが出て来たの。自分はみんなを守る事が出来て満足して死んだって。だから、これでいいのよ」


「そうか。強くなったね、真理は」


「もう後悔はしたくないから……」


「うん。でも自分の命は大切にして欲しい」


「うん……」


「じゃあ、皆で頑張ってこれから理想の社会を築いて行こうよ!」


「うん!」


僕と真理は笑顔で別れ、自分たちのテントに戻ってゆくのだった。


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