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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
六章 希望を捨てずに
202/220

第195話 迫りくる大群

(大谷光司)



「明日奈さん! 佐々木さん達も!」


「光司くん!、一条さん!」

「虎太郎くん!」

「明人!」


女性陣の暮らすビルに向かう途中、運よく明日奈さん達と合流する事が出来た。

教団幹部が住むビルからは、今も続々と慌てふためく人々が出てきている。


今ここにいる男性側は全員ではなく、取り急ぎのメンバーという事で僕以外には元自衛官の一条さん、虎太郎さん、遠藤雄二さん、吉田翼さん、渡嘉敷直哉さん、明日奈さんの弟の明人さんとその友人の赤羽諒さんの八人だ。


僕以外の皆は内緒で用意していた拳銃や、教団の監視員から奪った銃で武装している。


残りのメンバーは細井悠里さんのところの高校生たちが主導し、荷物を持って後を追いかける事になっている。


「その子が千夏ちゃんですか?」

「そうなの。早く母親に会わせてあげたいわ」


(パン!)

(パン!)


僕が明日奈さんに確認すると銃声が聞こえて来たので、素早く体勢を低くする。

一条さん、佐々木さんが直ぐに応戦する。


(パン!)

(パパン!)


「僕がここで追手を食い止めるから、光司君と佐々木さん達は行ってください!」


「俺も残ろう!」

「なら僕も!」


元自衛官の一条さん、小学校グループの高校生だった吉田翼さん、遠藤雄二さんが追手を食い止めてくれるらしいので、僕達は佐々木さんを先頭に女性陣のビルに突入した。





-----


(桑田明日奈)



「千夏!! 千夏~! 無事で良かった!」

「お母さん! 怖かったよ~、え~ん!」


女性陣の監視員も佐々木さんが機先を制して制圧に成功し、千夏ちゃんとお母さんも無事に再会する事が出来た。


二人とも再開した喜びで涙で抱き締め合っている。

私と親友の莉子ちゃんも、それを見て涙を流して良かったと抱き合った。


「本当にありがとうございました!」

「お姉ちゃんたち、ありがとう!」


「いいえ、無事で良かったわ!」


私は佐々木さん、綾音さん、茜さんとも本当に良かったと笑顔で笑い合った。


そして、男性側とも合流し、元からいた人たちとも話し合った結果、<終末の救世教>とは袂を別ち、ここを出ていこうという事になったの。


そうと決まれば教団側との戦闘中ではあるけど英気を養うため、私達ホワイトフォートの女性陣は温かい夜食を用意して配り、皆に提供していった。


「おいしー! あったかいご飯!」

「本当! またこんな食事が食べられるなんて!」


久しぶりに親子丼を食べて喜ぶ千夏ちゃんとお母さん。


冴賢くんのアイテムボックスから材料を出し、女性陣でご飯を炊いて豚汁とおにぎりを用意し、それ以外にもアイテムボックスからかつ丼、親子丼、牛丼、カレーライスなどを取り出した。


飲み物もお酒は無しにしたけど、果汁のジュースや各種の炭酸飲料、日本茶、コーヒー、紅茶などを飲めるようにした。


「美味しいね、これ!」

「(もぐもぐ)美味い!」

「ああ、コーヒーってこんなに美味かったんだ……」

「(ひっくひっく)美味い……」


ホワイトフォートではなく、元からいた人たちは不思議がりつつも、今では失われた懐かしい味に舌鼓を打っていた。


美味しくて泣きながら食べる人もいる。


かつては何時でも飲んだり食べたり出来たものが、こんなに有難かったのかと思っているのかも知れない。


……


教団との戦闘は最初の方は向こうの方が人数が多くて、女性陣のビル前まで追い詰められてしまったみたいだけど、光司くんが冴賢くんのアイテムボックスから追加で武器を出して渡し、合流した男性陣も戦闘に参加したので守るのは容易みたいだった。


夜が明けて明るくなって暫くし、断続的に聞こえていた銃声が聞こえなくなった。

教団側がもう諦めて去っていったのかな。


少しすると、そこに慌てた様子の光司君が飛び込んで来て私達に告げた。


「ゾンビの大群がやって来ます! 既に逃げ場がありません!」


私達は追い詰められてしまったみたいだった。


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