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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
六章 希望を捨てずに
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第186話 攫われる者

(大谷光司)



(ズダダダッ!)

(パン! パン!)


あれから直ぐに相手から再度銃撃を受けそのまま戦闘状態に突入した。

戦闘と言っても、こちらの方が武装はかなり上のはずなので、基本的には相手をなるべく殺さずに無力化する方針だ。


「光司君はそのまま1号車に! 綾音さん、茜さんはそこにある小銃で応戦して! 荒井家のママさん、明日奈さん、莉子さんは、冴賢君と子供たちを!」


「「了解!」」


佐々木さんが時折銃撃を交えながら僕達に指示してくれる。


戦闘になるとただの中学生である僕は本当に足手纏いだ。

後は佐々木さん達に任せるしかない。


僕も一応拳銃は練習したんだけど、こんな銃撃戦で役に立つとは思えないので、床に伏せて戦闘がこちらの勝利で終わることを祈るしかなかった。





-----


(細井悠里)



これから戦闘が始まると綾音さんからの連絡があった。

変異体との戦闘で負った足の傷も、本調子には程遠いけどもう歩けるぐらいにはなっている。


隊長が眠りについている今は、私たちが頑張って守っていかないと。


今はサイコボウは使えないので、銃で応戦する。

私は小銃ではなく、自分用に用意してもらった狙いを絞りやすいライフル銃だ。


(バシュ!)


隠れて銃撃してきていた一人の顔のすぐ横を撃ち抜いて怯ませる。

なるべく怪我もさせずに、殺さずにという指示が出ているので、こちらが何時でも殺せる武力を持っている事を思い知らせて撤退に追い込むつもりだ。


幸運な事に私は飛び道具全般に適正があるみたい。

その事を今はもう亡くなっているだろう両親に感謝した。





-----


(一条浩人)



相手との交渉が決裂し、戦闘が始まった。

意思決定がなるべく光司君の負担にならない様に気を付けているけど、光司君は大丈夫だろうか?


冴賢君が起きていればどうってことない事態なんだろうけど、今は僕達大人が頑張って少しでも光司君の負担を減らして目的を遂げるようにしなければ。


(ダダッ! ズダダダ!)


「うわっ!」

「ひいぃ!」


相手はどうやら素人に毛が生えたぐらいの実力だ。

身を隠すのも中途半端な感じで、とてもプロの集団とは思えない。


こちらは今は亡きリーダーのもとで、数か月間みっちり訓練を積んでいるし、俺と佐々木さんに至っては戦闘のプロともいえる元自衛官だ。


車列の最前列には佐々木さん、最後尾には俺、中央付近には射撃も得意な細井悠里さんもいる。


これなら万が一にもこちらが負ける事はないだろう。





-----


(大谷美久)



また銃の音が聞こえる。

戦いが始まったみたい。


私たちの2号車には戦える人がいないので、平坂家のお母さんがトランシーバーで連絡を受けて、私達に伏せるように言ってくる。


この2号車は、今はここにいないお兄ちゃんと私と早苗ちゃんと子供達、平坂家のお母さんと真九郎君なので、銃で戦える人はいないから皆が床に伏せている状態なの。


子供たちは怖くて泣いている子もいる。

冴賢お兄ちゃんが起きていれば何の心配も無いのに……


暫くすると銃撃の音が止み、トランシーバーで相手側が引き上げていったと連絡があり、私たちはほっとした。


それからお兄ちゃんが2号車に戻ってきて、車が後ろ向きに30分ぐらい動いて完全に暗くなった頃、そこで夜を明かすことになった。


いつもの様にキャンピングカー内で美味しい夕食を摂った後、私はストックしてあったお菓子を5号車と6号車の小学校グループの子供たちに渡しに行こうと思った。


冴賢お兄ちゃんのアイテムボックスを使える私は、お菓子係なんだ。

美味しいお菓子を食べるとみんな笑顔になる。


いつもみたいにお兄ちゃんに連絡してもらって、綾音お姉ちゃんか茜お姉ちゃんに一緒に来てもらおうかと思ったけど、お兄ちゃんは今日の事でまだ忙しいみたいで夕食後に直ぐに1号車に行っちゃった。


大丈夫だよね。

だっていつもしている事だもん。


私はお菓子の入った箱を持ち、密集したキャンピングカーの脇を通って、3号車、4号車と来た時、急に誰かに口を塞がれてしまった! 誰? 苦しい!


(ふがっ! ふぐぅ!)

「しっ! 騒ぐと殺すぞ!」


怖い! 誰!


私が抵抗を止めると、その人は私を肩に担いでキャンピングカーから離れていってしまった。


お兄ちゃん! 冴賢お兄ちゃん! 誰か、助けて!!


いくつか誤字報告で訂正させていただきました。

ありがとうございます。


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