第162話 狙われる坂部市
俺の名は東堂達也、復讐者だ。
冴賢に殺されて邪悪な神達の力で復活した俺は、忠実な配下である四人のジェネラル達に大勢のマンイーターやゾンビどもを付け、冴賢のイメージを頭に送り込んで日本各地の捜索を指示していた。
※138話を参照
どうやら俺とジェネラル達は何かで繋がっているようで、離れていても連絡が取れるし、イメージの共有も出来るようだ。
ゾンビどもは無理だが、マンイーターともイメージの共有だけは出来る。
多分だがこれもあの神達が俺にくれた能力だ。
それに俺は、俺や俺の手下が人間どもを襲う度に死んだ奴らの魂の力を吸収し、力が湧き上がる様になった。
今では力を込めると身体から黒い闘気みたいなモンも出る。
闘気を纏うと凄まじい力だし、耐久力もハンパねえ。
傷まで勝手に治っちまうんだからな。
だが、それと引き換えなのかどうか分からねえが、額にコブの様な突起が段々と盛り上がってきて、今では二本の角みたいになった。
多分これもあの邪悪な神達のせいだと思うが、どうせもう人間を捨てているんだ。
今更容姿が多少変わっても問題は無いだろう。
冴賢は確かに強えが、もう既に奴より俺様の力の方が上回ってるはずだ。
奴に仲間がいようが、俺様にもジェネラルや大勢のマンイーター、無数のゾンビどもがいる。
完全に操れるわけじゃねえが何百万、何千万ものゾンビ軍団だ。
何処にいようが必ず見つけ出してぶっ殺してやるぜ!
あいつはなんか神の使徒らしいが、俺にだって邪悪な神が付いている。
しかも三柱もだ! 俺の方が数だって全然多いぜ!
四人のジェネラル達であるアルファは北の太平洋側、ベータは同じく北の日本海側に、ガンマは南の日本海側、デルタは南の太平洋側にそれぞれ派遣して、それぞれに冴賢の痕跡を探させる。
奴には何か不思議な力がある。
必ず何らかの手掛かりがあるはずだ。
日本列島をくまなく探して見つからなかったとしても、離島や国外まで全部探してやる!
どの道、冴賢を始末し終わった後は、この世界を全て滅ぼしてやるんだ。
早いか遅いかの違いしかない。
俺様の手駒はそれこそ無数にいるしな。
ーーーーー
その後、俺はまだ東京にいて適当に避難所を食い散らかしていた。
逃げ惑う人間ども、命乞いをする人間どもの何と哀れな事よ。
人の心を失った俺にはもう何も感じねえけどな。
そういや、あれから真理はどうしたんだろうな?
いつの間にかやられてゾンビになっちまったのかも知れねえか。
結局は俺に靡かなかった女だが容姿は俺好みだから、もし見つけたら速攻でゾンビ化させて身の回りの世話でもさせるとしよう。
そして数週間後、遂にアルファから不思議な壁に囲まれた街があるという連絡があった。
その壁は強固で、ゾンビやマンイーターども、ジェネラルであっても傷一つ付けられないというじゃねえか。
そんな馬鹿な事があるか?
間違いねえ、そこが冴賢の居場所だ!
俺はすぐに南側に派遣したガンマ、デルタを引き返させた。
全部移動させると何ヶ月かかるかわからねえ。
だから誘導役だけ残して、ジェネラルとマンイーター達だけを呼び寄せる。
そうすれば数日でここまで来れるだろう。
俺たちも大量のゾンビを引き連れながらそこに向かった。
そしてアルファ、ベータと合流して奴らに気付かれない様にゾンビどもで周りを囲む事に成功したんだ!
遂に! 遂に奴をぶっ殺せる時が来たぜ!
お前の家族も!
仲間も!
愛する者も!
世界も!
全て滅ぼしてやる!!