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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
五章 安住の地を目指して
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第151話 歓迎会

僕は精神感応(テレパシー)でパパに小学校グループの参加を伝えた。

その際パパと相談して、お昼から歓迎のバーベキューパーティをしようという事になった。


それを小学校グループの皆に伝えると、みんな目が輝いて大喜びしていた。

卵もそうだけどお肉もきっと今まではあまり食べられなかったに違いない。

今日は今までの分もお腹いっぱい食べて笑顔になってもらおうと思う。


僕の仕事として、お昼までに小学校の拠点化を行なった後、キャンピングカーを中に運び入れなければならない。


「とりあえず、僕はここの拠点化を開始します。皆さん、危ないので校庭には出ないで下さいね。綾音さんと茜さんもここにいて下さい」


僕は皆の了解を得ると校庭の中央に立ち、念動力(テレキネシス)で静かに高度を上げていった。


校舎の窓から子供達も見ており、浮いている事に驚愕する者や、これからする事を興味深そうに見ている者もいる。


これからは仲間なんだ、こういうところも見せておくべきだろう。


(アイジス、土操能力(グランキネシス)で厚さ1m、高さ10mくらいの土壁のバリケードを作ってこの学校を囲いたいんだけど、制御をお願いしていい?)


(承知しました。マスターの精神力を消費して土壁のバリケードを作成し、この世界に固定します)


(ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!)


土壁を作る時の振動が聞こえ、全方向で同時に土壁が盛り上がってゆくのが見える。

僕が自分で作る時はグルっと回りながら作る必要があるんだけど、座標を正確に読み取れるアイジスならではの作り方だ。


この方が10倍くらいは速いかも知れない。

僅か一分ぐらいで高さ10mの土壁のバリケードで学校が囲まれた。



「この小学校全体を土のバリケードで固めました。これで感染者=ゾンビもここには侵入出来なくなります。僕はこれから仲間をここに連れてきますね。お昼のバーベキューパーティは楽しみにしていて下さい!」


僕は教室に戻ってそう言うと、どうせ飛ぶのだから窓から出て行こうかなと思ったんだけど、小さい子が真似したら危ないので普通に下に降りてバリケード前から飛行して戻るのだった。





ーーーーー





キャンピングカーに戻った僕は、最初にパパやママ、明日奈さん、莉子さんが乗る1号車を急いで運び、次からは三台ずつを丁寧に運んで校庭に並べて降ろした。


最後にキャンピングカーを停めていた道路に戻り、簡易的なバリケードを撤去する。

バリケードの周りには人の気配がしてたからなのか、かなりの数の感染者が蠢いていたけど、一々倒していたらキリがないし、そのうち散るだろうからそのまま放置して帰った。


僕が後始末を終えて戻ると、皆がキャンピングカーの外に出て身体を伸ばしているところだった。

やっぱりずっと車だと閉塞感でつらかったのかも知れない。


僕はとりあえず雄二(ゆうじ)さん達の高校生組をパパ達に紹介し、バーベキューパーティの道具や食材をアイテムボックスから出していった。


食材の下ごしらえ等の準備はママの主導で明日奈さん、莉子さんを始めとした女性陣で行い、テーブルや椅子などの大物や、炭の火起こし等は虎太郎さんや明人君などの男性陣が準備する。


小学校グループの皆も手伝ってくれようとしたんだけど、今日は歓迎会だからゆっくりしてもう事にした。


お昼過ぎになって良い匂いがして準備が整い、皆も飲み物を手にしていた。

パパが最初に歓迎の挨拶を述べる。


「まずは力を抜いて楽にして欲しい。私は荒井雅則、このホワイトフォートという集団のリーダーだ。冴賢の父親でもある。小学校グループの子供達、今日まで良く頑張って生き残ったな。高校生達も良く皆を守ってきた。パンデミックから8か月半、そこには並々ならぬ苦労や努力があったはずだ。親御さんや仲間も亡くしてきたのだろう……とても辛い事だろうと思う。だが、我々に合流したからにはもう大丈夫だ! これからは生き残った皆で、協力して新しく素晴らしい社会を一緒に作ってゆこう。では、ようこそホワイトフォートへ! 乾杯!」


「「「「「乾杯!」」」」

「「「「かんぱーい!」」」」


そして楽しい歓迎会が始まるのだった。


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