表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
五章 安住の地を目指して
155/220

第150話 小学校グループの参加

僕と綾音さんは一旦キャンピングカーに戻り、皆に帰還の挨拶をしてからパパへの報告を行なう。


精神感応(テレパシー)で簡潔にだけど情報共有は行っていたから、説明には余り時間は掛からなかった。


「そうか、ご苦労だった。もちろん、その子供達が望むならホワイトフォートに迎え入れよう。しかし、もう一つの集団はダメだな。俺が言えた事じゃ無いかも知れないが、聞いた内容だとかなりリーダーの独裁体制になってしまっているんだろう。映画だと全滅パターン一直線だな……取り敢えず、小学校グループの参加が決まったらモールは諦めて小学校で訓練の体制を整える方針でいこう。綾音さんもご苦労だったね」


「いいえ。お役に立てた様で良かったです!」

「お姉ばっかり、ずるい!」


1号車のメンバーも話を聞いている中、パパに労われている綾音さん見て茜さんが子供のように駄々をこねる。

あんまりへそを曲げられても困るから明日は一緒に来てもらっても良いかも。


「なら、明日の朝は返事を聞きに行くだけなんで、茜さんも一緒に行きますか?」

「うん! 行く行く! やった!」


茜さんは即答してくる。

僕は確認の意味を込めてパパを見た。


「まあ短時間だから良いだろう。明日の確認は三人で頼む」

「「「はい!」」」


その後、僕は各キャンピングカーの燃料補給、汚水処理、食料等の補充を行って、就寝したのだった。





ーーーーー





翌朝、早く起きた僕は白蛇さんへのお祈りと日課のトレーニングをこなし、朝食を摂った後、10時ぐらいに小学校へと向かった。


僕は左右の手を綾音さん茜さんと繋いで低空飛行してきた。

当初は三人だから絨毯を出そうと思ったんだけど、綾音さんから無言で手を伸ばされたのでそれに応じた形だ。


綾音さんは前回と同じ様に少し赤くなっていたけど、茜さんは空を飛んでる〜と大喜びだ。


僕達はついでとばかりに金網もそのまま念動力(テレキネシス)で乗り越えて校庭に降り立った。


「お〜い! 冴賢君!」

「お、女の子が増えてる〜!」

「お兄ちゃん!」


僕達に気付いた小学校グループの子供達が、二階から僕達に手を振ってくれる。

雄二(ゆうじ)さん直哉(なおや)さんも二階から話し、真子ちゃんも僕に手を振ってくれた。


「おはようございます! 真子ちゃんもおはよう! とりあえず、そちらに行きますね」


僕達はみんなに手を振り返すと、二階へと上がっていった。





ーーーーー




僕と綾音さん、茜さんが挨拶をしつつ教室に入る。


「「「おはようございまーす」」」


「「「おはよう〜!」」」

「「おはようございます!」」

「「お兄ちゃん、お姉ちゃん、おはよう!」

「「おはよう、冴賢君!」」

「お兄ちゃんおはよう!」


みんな笑顔だ。

真子ちゃんも走って来てくれたので、頭を軽く撫でてあげる。


「やあ、おはよう! 昨日はありがとう。みんな美味しく朝食をいただいよ。余った卵と納豆は取り合いだったよ」

「ねえねえ。その可愛い子、誰? 昨日は居なかったよね?」


雄二(ゆうじ)さんが笑顔で僕に話し、直哉(なおや)さんが質問してくる。


「紹介しますね。昨日一緒だった綾音さんの妹さんで、平坂茜さんです」

「初めまして、平坂茜です。 パンデミック前は高校一年生でした! 得意な武器は薙刀です! みんな、よろしくね!」


「「「「よろしく!」」」」

「「「「よろしくお願いします!」」」」


直哉(なおや)さんは茜さんを見詰めて少し赤くなっていた。


直哉(なおや)ったら、すっごく鼻の下が伸びてる〜!」

「う、うるさいよ有紗(ありさ)!」


「ホントの事でしょ〜」

「このお!」


「お前らな〜、これから大事な話があるんだぞ」

「うっ! そうだったゴメン、(つばさ)


少し騒がしいけど、こういうやり取りも学生らしくて良いなと僕は思った。





ーーーーー





僕は代表者の雄二(ゆうじ)さんに尋ねる。


「それじゃあ、返事を聞かせてもらえますか?」


「うん。昨日は夜遅かったので今朝になるんだけど、みんなと相談したよ。やっぱり僕達も参加させて欲しい。秘密の倉庫の物資も節約しても後二、三ヶ月しか持たないし、水汲みに行ったりするにも危険がある。ここには教材もあるんで勉強させるには丁度良かったんだけど、僕達だけで暮らすのはもう限界があると思ったんだ。それに冴賢君、綾音さん、今日来てもらった茜さんも凄く良い人みたいだしね」


「まあ日本政府うんぬんの前に、大人達は誰も俺達を助けようとしてくれなかったからな。大人は信用は出来ないのは変わらないが、お前達なら信用できると俺も思う」


(つばさ)、もっと素直に頼みなさいよ〜」


有紗(ありさ)の言う通りよ。冴賢君は雄二(ゆうじ)と真子ちゃんを治してくれたでしょ? そんな人達の集団が悪い人のはずが無いわよ」


「そうそう。茜さんも可愛いしね!」


雄二(ゆうじ)さんが代表して答えてくれ、他の高校生達も同じ意見の様だった。


「歓迎します。事前にリーダーである僕のパパからの承認も貰っていますので、安心して下さい」


そして、僕と雄二(ゆうじ)さんはにこやかに握手を交わすのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ