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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
五章 安住の地を目指して
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第148話 小学校への帰還

僕達は三人の男性達に付き添われてモールの外に出る。


見逃してくれた大柄な男性が気を利かせて僕のリュックを返してくれたんだけど、リュックだけ返してもらい、中の物資は迷惑料として置いていった。


解放された僕達はモールのバリケードを超え、路上近くに集まる。


「うげっ! もう真っ暗だよ?」

「うん。全く見えないね……」

「そうね、怖い……」


直哉(なおや)さん雄二(ゆうじ)さんが話し、麗華(れいか)さんは怯えたように呟く。


「この暗さじゃ自殺行為じゃないか?」

「戻るのもどうかと思うけど、進むのは無理ね……」


もう夜になっていて今では街灯などもつかない為、辺りは暗闇が支配している。


(つばさ)さん、有紗(ありさ)さんも進むのは無理だという意見だ。

パンデミックが発生して以降、闇夜に外に出掛けるのは自殺行為となっている。


人間はかなり視覚に依存して動く生き物だし、暗闇だといきなりゾンビに襲われて対処出来ないからだ。


映画だと上半身だけのゾンビが足元で這っていて、油断すると足元をかじられていたりもしたと思う。


僕の様にサーチが使えない限り、暗闇だと不安になるのも当然だろう。

どうやって彼らの暗闇の不安を解消しようかと考える。


炎の玉(ファイヤーボール)念動力(テレキネシス)で浮かせて明かりにで出来ないかな? でも同時使用数が5だから少ないか……


(アイジス、丁度良いライトの様な物って何かあるかな?)

(現在の状況で一番良いのは、広範囲を照らせる高輝度のハンドライトだと考えられます)


(じゃあそれを人数分出して貰える?)

(承知しました。一つは手元に、残りはリュックに格納します)


僕の手にぱっとハンドライトが現れる。

アイジスがアイテムボックスから最適な物を探し出してくれた物だ。


自分で探すよりも全然早いし、今後は検索はアイジスに任せようと思いながらハンドライトをオンにした。


(ピカッ!!)


うおっ! これは眩しい。

軽く20mぐらい先まで明かりが届くのがわかる。


「えっ!」

「凄く明るい!」

「懐中電灯を持ってたのか」


「人数分ありますよ。はい、どうぞ」


雄二(ゆうじ)さん直哉(なおや)さん(つばさ)さんが驚く。

僕はリュックから同じライトを出して皆さんに一つずつ配った。


皆、辺りが明るくなったので嬉しそうだ。


「この明るさなら進めそうですね。場所は僕が分かりますので急いで小学校の子供たちと合流しましょう!」





ーーーーー





ショッピングモールから小学校までは1kmほどの距離だ。


僕と雄二(ゆうじ)さんが先頭、最後尾が(つばさ)さんと直哉(なおや)さん、中央の安全な位置に麗華(れいか)さんと有紗(ありさ)さんという隊列で街中を進む。


僕の力を説明する前に、いきなり念力(サイコキネシス)を纏って全力で戦う姿を見せてしまうと、きっと怖がられてしまうと思った僕は、久しぶりに相棒のバールを手にしている。


感染者の大群や変異体でもいるのでなければ、これでも問題は無いだろう。

その辺は既にサーチで確認済みだ。


それに危険になったらアイジスも教えてくれるだろう。

どうしても危ない状況が発生したらその時に対処すれば良い。


「前からゾンビが3体も来てる! 下がって逃げよう!」

「ここは僕に任せて下さい!」


(ドガッ!)

(バゴン!)

(ゴッ!)


雄二(ゆうじ)さんが警告を発したけど、僕は瞬間的に念力(サイコキネシス)を纏わせたバールで危なげなく感染者を倒してゆく。


「冴賢君、凄く強いね!」

「本当……」

「凄いわね、全部一撃じゃない!」

「俺たちだとゾンビが2体以上だったら逃げるしか出来ないのに……」

「ああ、凄いな」


雄二(ゆうじ)さんが嬉しそうに話し、麗華(れいか)さんと有紗(ありさ)さんや、直哉(なおや)さん(つばさ)さんも驚きながら感想を口にする。


「感染者の対処には慣れていますので、僕に任せて下さいね」


皆が頷くのを見て、移動を再開する。

そして僕たちは30分ほどかけて小学校まで無事にたどり着くのだった。


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