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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
五章 安住の地を目指して
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第143話 もう一つの生存者グループ

僕は小学校のバリケードを念動力(テレキネシス)で飛び越えて飛行しながら、もう一つの生存者グループの拠点であるショッピングモールに向かった。


もうそろそろ夕方になる時間だけど、子供達には食料もたくさん置いてきたし、綾音さんもいるから最悪は明日の午前中までに戻れば良いだろう。


パパ達がいるキャンピングカーも、小学校に行く前に土操能力(グランキネシス)で周りを囲ってあるのと、サイコ武器が使える虎太郎さん、茜さん、悠里さんや、元自衛官の佐々木さん達もいるので一日ぐらいなら僕がいなくても大丈夫だ。


しかし孤児とも言える子供達を保護していた高校生達が、追い出した側の生存者グループのところにいるって、一体どういう状況なんだろうか。


すんなり連れ帰る事が出来れば良いんだけど……





ーーーーー





「あのー、すみません! 誰かいませんか!」


モールの手前で地上に降りた僕はバリケード前で大声で呼び掛けた。


サーチで高校生達のいる位置はわかっているんだけど、勝手に入るよりもちゃんと手順を踏むのが良いだろう。


子供達と少し対立しているからと言って、それを理由に一般の人を皆殺しにする訳にもいかない。


「人を探しているんです! 誰かいませんか!」


「おい、声を抑えろ! ゾンビ共が集まって来るぞ!」


バリケード内側の高所に見張りっぽい人がいて、僕の呼び掛けに反応してくれた。


「良かった。人を探しているんです。僕をここに入れてくれませんか?」

「お前一人か? 武器は持ってないだろうな」


僕はいつもの大き目のリュックを背負っていて、バールなども持っていない丸腰の状態だ。


そしてここに来る前に、リュックには食料や医薬品など一般的に需要がありそうな物資をアイテムボックスから補充してある。


「リュックの中身は食料と医薬品です。武器は持っていません」


僕は背負っているをリュックを下ろして少し開き、お米や缶詰などを取り出して見せた。


「その大きいリュックに食料と医薬品か……ちょっとまってろ!」


見張りの人が一旦モールに入って行った後、再度三人で戻って来て僕をショッピングモールの中に入れてくれた。





ーーーーー





「感染はしてないだろうな?」


最初に僕に応対してくれた人とは違う、少し年配の背の高い強そうな男性が歩きながら質問してくる。


「はい。どこも噛まれたりはしていません。疑わしければ検査してもらっても良いですけど」


「そんな面倒な事はしない。感染していたならぶっ殺すだけだ」


男性はそう言うと腰にぶら下げている大き目のナイフを叩いて見せる。


「えっと、僕は何処に連れて行かれるのでしょうか?」


「お前はこれから一旦隔離させてもらう。ここの決まりなんでな。後で取り調べがあるだろう」


「分かりました。僕は人を探しているんです。五人の高校生なんですが……」


「……俺には何とも言えん。そのリュックは預かっておくぞ」


「わかりました。どうぞ」


僕は素直に背負っていたリュックを男達の一人に手渡した。


そして僕は一階のショップの一つに押し込まれ、防犯シャッターをロックされて中に閉じ込められてしまった。





ーーーーー





「お前達、そろそろ喋る気になったか?」


「俺達を早くここから出せよ!」

「クソ野郎が!」

「怪我人がいるの! お願い、ここから出して!」

「そうよ! この豚野郎!」


僕が閉じ込められている店舗の三つぐらい先だけど、そこに行方不明の高校生達がいる事はサーチで分かっていた。


僕は取り調べ? というのがあるらしので大人しく待っていたんだけど、高校生達の閉じ込められている方から、モールの廊下経由でやり取りの声が聞こえてくる。


「お前達の食料のありかを喋らないと、そこからは出られないぞ。全く強情な奴らだ。だが、女達はワシの愛人になるんだったら直ぐにでも出してやるぞ。ヒッヒッヒッ」


「……気持ち悪い」

「誰があんたなんかと!」


「ぐふふっ。いつまで耐えられるかな? おっと、他にやる事があるんだった。じゃあな」


声の男はそう言うと僕の方に歩いて来る。

そして、僕は防犯シャッターを挟んで男達と対峙する事になった。


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