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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
四章 闇の鼓動
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第134話 移動手段の確保

集会のあった夜の帰り道、明日奈さん莉子さんと寝てしまった秀彦君を背負って歩きながら、僕はここを出て行く時の移動手段をどうしようかと考えていた。


まだ僕達と一緒に行く人数がはっきりと決まっていないんだけど、いつものキャンピングカーだと寝る場所とかを考えると数人しか乗れないので、隊列が凄く長くなって危険になるだろうし、観光バスみたいな乗り物だと移動中の食事や寝るのがきつくなってしまう。


思考の堂々巡りに陥ってしまった僕は独り言の様に呟く。


「んー、キャンピングカーをもっと大きく出来ればな〜」


「えっ、何が?」

「どうしたの?」


莉子さん、明日奈さんが僕の言葉に反応する。


「うん、ここを出て行く時の乗り物をどうしようかと……徒歩という訳には行かないだろうし」


「いつものキャンピングカーは?」

「うん。私もあれが良いと思うけど」


「そうなんだけど、人数が100を超えるようだと隊列が伸びてしまって、ゾンビや変異体とかに襲われると危険だと思うんだ」


「なるほど〜」

「確かにそうかも……」


「かと言って、観光バスだと良く寝られないし……キャンピングカーをもっと大きく出来れば丁度良いんだけどね……」


(マスター。私の能力でキャンピングカーの改造が可能です)


「「「 ! 」」」


アイジスが僕達の話に割り込んで来て、凄い提案をしてくれた!

僕の精神感応(テレパシー)を使用して二人にも聞こえるようにしてくれているみたい。


「そんな事出来るの?」


(はい。私の中にはほぼ無尽蔵とも言える物資が格納されていますので、それを利用して新たな物体を創造する事や、元からある物体の改造も可能です。マスターの精神力の相当量を消費しますが、実施に要する時間は私が行えば一瞬です)


僕達はそれを聞いて三人であれこれと要望を盛り込んでいった。





ーーーーー




「すご〜い!」

「ひろ〜い!」


明日奈さん、莉子さんがアイジスに試しに改造してもらったキャンピングカーに入って絶句する。

僕も寝てしまっている秀彦君を横抱きにして、それに続いて中を見てゆく。


まずキャンピングカーの横幅が増して運転席は真ん中になり、左右二つの助手席にはそれぞれ機関銃が備え付けられ、前方と斜め前への攻撃が可能となっている。

これは僕の発案でサイコ武器が使えない人でも感染者と戦える様にする為だ。


運転席の後ろには左右に広いダイニングテーブルが二つあり、それぞれ三人が向かい合い六人が座れ、合わせて12人が同時に食事を摂れる広さとなっている。

元々あったソファーは無くして大人数が一度に食事を摂れる様にしたんだ。

夜間はダイニングテーブルを変形して収納すると、それぞれが二人用のベッドにもなる。


さらにその後ろには大き目のキッチンと流し、数が増えたIHコンロ、電子レンジ、オーブン、以前よりも大きくなった冷蔵庫があり、不要なテレビは無くしてしまったのでもう無い。


その奥には、左右両側に全自動洗濯乾燥機とトイレ、洗面台、シャワー室がそれぞあり、並行して使用する事が可能になっており、その分水タンクの容量とかも増やしてあるんだ。


ここまでで以前のキャンピングカーと同じぐらいの長さになっていて、その奥が居住区となる、もう一つの少し短いキャンピングカーをアコーディオンで繋げた物になっているんだ。

バスが二つ繋がった連節バスと同じ様な感じだ。


居住区は縦に三つが左右で別れて合計六区画となっていて、それぞれが薄い板で仕切られているんだけど、真ん中は狭いけど通れる様になっていて各区画はドアの代わりにカーテンで仕切られている。

流石にドアを開け閉めするスペースは無いからだ。


一区画は大体大人が三人、子供なら四人か五人で寝る事が出来ると思う。

なのでダイニングテーブルを収容した時と合わせると、一台で18+4の最大22人を運べる事になる。


以前は車高が高いので微妙にバランスが悪かったキャンピングカーだけど、今は横幅が1.4倍、縦幅が1.8倍になったようなサイズなので、多少の衝撃があっても横倒しにはならないだろう。


そして屋根には車体に合わせて以前よりも大きくなったソーラーパネルがあって、太陽光発電が出来るのは変わらないんだ。





ーーーーー





「すっごくいい感じの仕上がりだね! ありがとうアイジス!」


「うんうん! アイジスちゃんありがとう!」

「そうよね! アイジスありがと!」


(マスターと奥様方のお役に立つ事が出来て光栄です)


「そ、そんな! 奥様だなんて!」

「は、恥ずかしいわね……」


アイジスに僕の奥様と言われてしまった明日奈さんと莉子さんは、真っ赤になって固まってしまった。


「ははは。アイジス、これと同じキャンピングカーを10台ほど揃えてもらえるかな?」


(承知しました。マスターの精神力を消費しますが作製しておきます)


これで懸念だった移動手段は確保できた事になる。

明日にでもパパに伝えて安心してもらう事にしよう。


それと後はここに残して行く人達の事も考えなければならない。

きっと追放される僕達に着いて来ない来れない人もいると思うけど、その人達だって僕達を追い出したい訳じゃないはずだ。


僕が居なくなると集約倉庫の物資は瞬く間に無くなってしまうだろうから、ある程度の物資は残して行かなくてはならない。


明日からはその準備も行おうと思う。


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