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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
四章 闇の鼓動
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第119話 避難民の集団

警察署だった避難所から連れ帰った明人君達の仲間も、無事にパパの承認を得て明人君達の家の近くに共同で暮らしてもらう事になった。


まだ全員が中学生なので暫くは学園で勉強をしてもらうんだけど、電気・ガス・水道が使える家で、各種のお店や無料の食堂があるので食事にも困らず、お風呂にも毎日入れて普通に学校に通える事を凄く喜んでいる様子だった。


これからの未来の事を考えると彼ら若者は絶対に必要だ。

ここで暮らして学んだ彼らが、いずれこのホワイトフォートを一緒に背負って立つ立場にでも成ってくれればと思う。


感染者の大群と複数の変異体の件もパパに報告したら、その方面への出動は今後は見合わせる事になった。

たしかにあの大群と変異体はかなりの脅威に感じた。

もしホワイトフォートに押し寄せてきたら戦う必要があるけど、現状は近付かない方が良いとのパパの判断だった。


今後、守備隊を拡大して実弾兵器を扱えるような部隊を作り、自衛する案も考えておくという事だ。


それとは別に僕は今回連絡が取れず武器も無い状態での味方の孤立を危惧した。

相手が警察組織だった事が幸運だったんだけど、これがならず者達だったりしたら命の危険さえあっただろう。


そこで僕は虎太郎さん達が、サイコ武器をあらかじめ凝縮して持っておく事が出来ないかと考えた。

圧縮する感じで石の様にしてしまえば……


そして僕は数日掛けて試行錯誤した結果、事前に念力(サイコキネシス)を込めて凝縮した石を作る事が出来た。


そして、それを持っていればいつでも使用者の意思で、一回だけサイコ武器に展開できる事がわかったんだ。


本当に、こんな万能な能力を授けてくれた白蛇さんには感謝しか無い。


但し、これは僕の念力(サイコキネシス)の総量を消費する様なので量産は出来ないのと、保持期限でもあるのかギリギリ三日ぐらいしたら消えてしまったんだ。


とりあえず僕はこれをサイコストーンと名付け、壁の外に出る救助隊の皆には事前に一つずつ作って持っておいてもらう事にした。





ーーーーー





そんな日々の中、バリケードに設けたゲートを監視している守備隊の人達から僕とパパに連絡があった。


また自衛隊でも来たのか? とも思ったんだけど、どうやらホワイトフォートの門に大勢の避難民が一度にやって来た様だった。


多分、老若男女合わせて300人以上はいるかも知れない。

正直、良くこんな大勢でここまで辿りつけたと思う。


「私達はこの壁の噂を聞きつけて来た者です! これから冬もやって来ます! どうか私達をここに入れて貰えないでしょうか?」


「お願いします!」

「子供もいるんです!」

「お年寄りも!」

「お願いします!」

「お願いです!」

「私達を入れて下さい!」


代表と思われるでっぷりと太った男が仰々(ぎょうぎょう)しく話すと、他の避難民の人達も一斉にお願いしてくる。


大勢の人がいるので周りから感染者も集まって来ている。

今は避難民の中に混ざっている屈強な人達が対応できているみたいだけど、そのうちに対応出来なくなるかも知れない。


「これだけの集団で来るとはな。まずい流れだな……」


パパが大量の避難民の現状を見て呟く。

今も避難民の開けてコールが収まらずに続いている状況だ。


「人道的にも無視は出来ないし、仕方が無いか……」


パパが少し不満そうに呟いた後、拡声器で話し掛ける。


「私は、この場所、ホワイトフォートの代表である荒井です! あくまで緊急避難的にですが、皆さんを壁内に誘導します! 中に入った後は武装を解除して私達の指示に従って下さい! こちらの指示に従わなかった人は、その理由に関わらず問答無用で排除します! 怪我をしている人も隠さずに申し出るようにして下さい!」


パパの言葉を中に入れると聞き、避難民の人達から歓声が上がる。


僕はパパの指示に従って、ゲートを念動力(テレキネシス)で上に持ち上げた。

現状は僕の超能力でしか開く事が出来ないようにしているからだ。


そして、僕が開いたゲートから続々と避難民の人達が入って来るのだった。


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