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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
四章 闇の鼓動
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第114話 救助隊の戦力向上

平坂さん達一家が集落に来てから二週間以上になる。

やはりこの集落の存在が噂になっているのか、冬が近付いて来たからなのか壁の外から助けを求める人達も多く、パパが受け入れた人達を合わせると人口は650人ほどに膨らんでいた。


平坂さん一家は無事にパパの承認を得て集落の住人となった。

四部屋ある一軒家を割り当てて家族で暮らしてもらっているけど、電気・ガス・水道が使えて食料も豊富で安全な生活に感謝しきりだった。

今までがかなり過酷な日常であったのだと思う。


平坂家母親の絹江さんの仕事としては書道や華道の心得があるとの事なので、希望する子供たちへ書道を教える教室を放課後に開いてもらっているのと、希望者に週何回か華道を教えて貰っている。


これは直接生活に役立つ物では無いけど、こういう日本的な文化を継承してゆくのも必要な事なんだろうと思う。


末っ子の弟である真九郎君は中学生なので白蛇学園に通ってもらっている。

本人もまた学校に通える事が嬉しい様子で、日々勉強を頑張っている様だ。

学校が終わったら剣術の修行も毎日やっている様で、いつかは父親の跡を継いで剣術道場を開きたいそうだ。


長女の綾音さんと茜さんは本人達の非常に強い希望で、僕と一緒に救助活動を行いたいと言う事だった。

平坂心刀流剣術が使えて覚悟もあり腕も確かみたいなので、パパからも無理をしないという前提で許可を貰えた様だった。


事前に僕の超能力で日本刀と薙刀を模した武器を生成して使ってもらった結果、やはり特別強力な威力となる事が分かったので、壁外で感染者=ゾンビ達と戦う際はそれを使ってもらい、今の武器は予備としてもらう事になった。


特に長女の綾音さんが力を込めてサイコブレード(刀)を振ると、数メートルほどの近距離ならば斬撃を飛ばせる事もわかった。

茜さんのサイコブレード(薙刀)ではまだ無理みたい。

これは腕前の差なのだろうけど、負けん気の強い茜さんは凄く悔しがっていた。


僕も空いている時間で二人に平坂心刀流剣術の基礎を教えて貰える事になった。

今までは自己流で適当にサイコブレードを振り回していただけなので、これで僕の近接戦闘力も少しは上がる事だろう。


これで救助隊は僕を含めて五人になったけど、救助隊の女子率が高くなってしまったのを聞いた明日奈さんと莉子さんから、僕に説明を求められる一幕もあった。


こればっかりは成り行きだろうとしか言えなかったんだけど、それぞれとデートの回数を増やす約束で納得してもらったんだ。





ーーーーー





本格的な冬も近いので、パパからの指示で余程の者でなければ集落で一旦は引き取って保護する方針となった。

もちろん、その後集落で問題を起こす様であれば追放となるだろう。


僕達救助隊は五人に増えた事もあり、その救助活動を加速させていった。

取り敢えず近場までは全員で行き、そこから二手に分かれて活動する事にした。

良く吟味した結果、僕と綾音さんのパーティーと虎太郎さん、悠里さん、茜さんのパーティーに別れた。


最初、姉妹は一緒の方が良いかなと思ったんだけど、そうすると虎太郎さんと姉妹になってしまい、遠距離担当がいなくなるのでバランスが悪くなってしまう。

それを考えると僕とのペアは綾音さんか茜さんになるんだけど、人数が少ないのでより実力が高い方という事で綾音さんになったんだ。


今日も僕達は出動し、孤立した生存者の救助活動を行なう。


もう外気温がかなり寒くなってきたし人数も増えたので、絨毯ではなく少しゆったりとしたミニバンに乗り念動力(テレキネシス)での空中移動だ。


僕が運転席に座り、助手席には虎太郎さん、二列目に絢音さんと茜さん姉妹、三列目には悠里さんが乗っている。


生存者を救出した際は、人数に合わせた別の車をアイテムボックスから取り出して並行運用する想定だ。


「左前方、1.5kmぐらい先のタワーマンションに少数の生存者がいます」


「「「「 了解! 」」」」


この世界は既に神様に見捨てられている。


だけど僕達は残された生命を大切にし、これからも皆で力を合わせて生きてゆきたいと思う。


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