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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
四章 闇の鼓動
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第111話 武装グループの発見

悠里さんを交えての初回の救助活動は残念な結果に終わったけど、その後一週間ほどで、僕達は小さい子供を含めた20人の救出を行う事が出来た。


その人達はそれぞれパパの承認を得て、今は集落で生活してもらっている。

みな栄養状態が悪かったので、しばらくは何もせずに静養してもらおうという事になっている。


早いもので、季節はこれから本格的な冬がやって来ようとしている。

僕達の集落では電気・ガス・水道が使えるので暖の心配はないけど、気温の低下で暖房設備の無い避難民や孤立している人達の生存が、より危ぶまれるところだ。

それを危惧したパパの指示で、僕達は生存者の救出活動を何よりも優先して行っている。


僕達は集落を中心として可能な限り遠くまで、誰に責められるわけではないけど、なるべく平等になるよう全方位に向けて活動を行っていた。


悪く言えばランダムに方角を決めて移動しているんだけど、今日たまたま行った先で初めから黄色い反応を見つけたんだ。

僕がこの方角に来たことは無かったはずなんだけど、感覚的に僕には悪者が黄色い反応で見えるようになったのかも知れないと思った。



「この先に、敵対する黄色い反応が多くあります。恐らく悪に属する何らかの武装グループではないかと思うんですけど」

「どうするんだ?」

「……」


サーチでズームしてよく見ると、少数の者を取り囲むような感じになっている。

今まさに誰かが襲われているのかも知れない。


「どうも少数の生存者が取り囲まれて一触即発の事態みたいなので、取り囲んでいる黄色い反応の方を殲滅して救出します。相手は生きている人間になるので僕が一人で行ってきます。お二人はここで待機して下さい」


僕は神罰の代行者なんだ。

悪者が我が物顔で跋扈する事は認められない。


「そりゃあ無いぜ、大将! 俺達はチームだろ?」

「その通りです! 私も覚悟は出来ています!」


虎太郎さんも悠里さんもとっくに人を殺す覚悟は出来ている様だ。

ならば戦うのは早いか遅いかの違いだけだろう。


「すみませんでした……一緒に戦いましょう! 相手は銃を持っているかも知れないので、無理はしないで下さいね。空中を移動するとアレなので、一旦降りて徒歩で向かいます」





ーーーーー


平坂綾音(ひらさかあやね)視点)



「時間だ! 30分待ったぞ! さっさと降伏して俺達のモノになれや!」

「ひははっ! そうそう!」

「いい思いさせてやるぜ!」

「へへっ!」


襲撃してきた男達は、そう言って私達を取り囲んで下卑た笑い声を響かせた。

心底、気持ちの悪い……


「お姉、どうするの? あいつらに囲まれてちゃって、近付いたら自殺するって脅したけど……もう引き延ばせないみたいよ」


私達があの男達の慰みものになれば、もしかしたら弟の真九郎だけは見逃して貰える可能性もある。


でもそんな保証も無いし、もし生き残ったとしても真九郎の実力では一人で生きては行けないだろう……


ならば、皆で戦って誇りと共に死ぬしか無い!


「私は……やはり戦う! この命尽き、この刀が折れるまで! 奴らの言いなりになどなるものか! 真九郎、逃がしてやれなくて済まない……茜も、母様も……」


「……何言ってるの? 僕だって戦えるよ。もう今年から中学生だし、父様の形見の刀だってあるしね!」

「なら私も戦う! この薙刀だってあるし!」


「よくぞ言いました。それでこそ平坂家の、あの人の子供達です。悔いの無い様に戦いなさい。皆が倒れたら母も後を追いましょう」


そして私達は戦うべく、武器を握って勢い良く車から飛び出すのだった。


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