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第11話 脱出の準備

「んっ……」


翌朝になって僕は目を覚ました。


上を向いたままボーッと前を見据えると知らない天井がある……

というか天井が無い!


「そうだ。ここは屋上だった……」


僕は自分が置かれた状況を思い出して飛び起きた。

そして感染者が来ていないかどうか、辺りをぐるっと見回す。

よし! どうやら誰も屋上には来ていない様子だ。


「朝食はどうしよう?」


僕は少し考えて昨日と同じ様に湯を沸かし、カップラーメンをアイテムボックスから取り出した。


「お湯を入れて、5分っと」


インスタントだけど朝からラーメン。

僕の大好きなラ◯の醤油味だ。





ーーーーー





美味しい朝食を食べ終わってトイレも済ませた僕は使い捨て歯ブラシで歯を磨く。

そして昨日の夕食のゴミとさっきの朝食のゴミをどうしようかと考えた。

こんな状況でもやはりゴミのポイ捨てはまずいだろう。


(アイテムボックス)


僕はアイテムボックスを呼び出し、ゴミを格納してみる。


(ゴミを格納!)


手を翳して念じるとゴミ一式がアイテムボックスに格納された。

そしてこれはゴミなので捨てたいと思っていたら〘消去しますか?〙という選択肢が表示される。


おおお! なんと捨てる事が出来るらしい!


(はい)


と、僕が頭の中で答えると〘消去しました。24時間以内なら復活可能です〙というアナウンスのような声が頭の中で流れる。


なんと一旦捨てたゴミの復活機能まである様子だ。

間違って消してしまっても安心のクラウドストレージサービスの様じゃないか。


白蛇さん、これは凝りすぎじゃないでしょうか?





ーーーーー





さてと、学校を脱出するにあたって僕は防具を揃えようと思った。

せっかく白蛇さんが用意してくれたアイテムだ。

これを使って僕は絶対生き延びるんだ!


だけど何事にも準備は必要だ。

ゾンビ映画などでやられてしまうパターンを僕なりに考察すると、僕が一番駄目だと思っているのはズバリ登場人物の防御力だ。


まず半袖や薄着はまずいだろう。

それに急所となる頭はもちろんのこと、首の露出なども要注意だ。

上半身はなるべくガチガチに固めてしまうのが良い。


また下半身にも注意が必要だ。

靴はある程度硬い物であれば良いと思うけど、一般的なズボンだと強く噛まれたら歯を通して感染してしまう可能性が高い。


膝裏からアキレス腱なども要注意だ。

映画では転倒してしまって柔らかいその辺りをかじられて終わるパターンも多い。


考えた末、登山用のロングブーツ、噛まれても大丈夫そうな重作業用の手袋、アームプロテクター、エリが太いタイプのバイク用のプロテクターの上下セット、フルフェイスのヘルメット、ふくらはぎや膝などにマジックテープで留められるタイプのサポーターをいくつか巻く事にした。


アイテムボックスから上記を取り出し、代わりに着ていた制服や靴を格納する。

サイズを調整している時に気付いたんだけど、僕は背が伸びていたみたいだ。

そういえば大きめだった制服がいつの間にかかなり短めになっている。


たぶん白蛇さんの性能アップで背まで伸びたのかもしれない。

それに全体的にぷよっとしていた体格もギュッと絞った筋肉質になっていて、顔も少し面長で引き締まったイケメンになったような気もする。


良い事なんだろうけど、家族に再会した時に僕だとわかってもらえるか少しだけ心配になった。





ーーーーー





ぼくは白蛇さんから貰ったアイテムボックスの事を隠すため、ダミーとなる物資を背負って移動する事にした。


アイテムボックスから登山用の大き目のバックパックを取り出し、カセットガスコンロ、鍋、スプーンとフォーク、ペットボトルの水、お米、ご飯のパック、各種の缶詰、カロリーが取れる栄養補助食品、チョコレート等の菓子、薄い毛布、ソーラー充電器、LEDランタン、懐中電灯、頭痛薬、胃腸薬、包帯、湿布薬、消毒薬、絆創膏、サバイバルナイフ、ロープなどを同じくアイテムボックスから取り出して詰め込んだ。


さらに武器として昨日検索した長めのバールも取り出す。


物資を詰め込んだリュックを背負うとズシッとした重さを感じる。

以前の僕なら立てないぐらいの重量になってしまったけど、今の僕ならこの状態でも前よりも速く走れそうだ。


準備を整えた僕はバールを片手に出発する事にした。


「さあ! 出発だ!」


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