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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
四章 闇の鼓動
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第101話 理想の集落

武装グループの被害者女性を連れ帰ってから一ヶ月ほど経った。


武装グループに囚われていた女性達も予定通り空き家に移ってもらい、被害者だった中学生の女子も元気に白蛇学園に通ってもらっている。

この集落の平穏な生活の中で、つらい記憶を忘れてくれればと思う。


この女性達と領域内の生存者、壁の外側から徐々に受け入れている人を合わせると、集落の人口は500人を少し超える事になった。


領域内に細々と生存していた人達は食料ももう限界だったらしく、食料や医薬品の援助を申し出ると漏れなく集落に参加してくれたんだ。


壁の外側から訪れる人々はパパの面接後に受け入れとなる。

明らかなひゃっはーさんとか、何かを隠していそうな怪しい人達はパパの判断で物資を少しだけ分けて帰ってもらっているけど、女性や老人、家族連れなどはほぼ無条件で受け入れを行ってきた。


そのため人口は徐々にだけど増えつつあり、その中でインフラ技術を持つ人も少なからずいたので、僕は闇雲に壁の外側で技術者を探す事は止めて一旦集落での生活の充実を目指す事にした。

但し、生存者の救出活動自体は僕一人だけど続けている。


具体的には集約店舗の商品を見直して日用品以外の服や靴なども売るようにした。

武装グループの被害女性だった小谷(こたに)さんが、アパレル関係の人だったので、主に女性用の商品についてのアドバイスをもらい、同じ被害女性達数人と共に店員にもなってもらっていた。


また、美容師さんも数名いたので、街の美容院を使えるようにメンテナンスしてお店を開いてもらっている。


食事についても僕が提供する食材で女性達に食堂を開いてもらい、誰でも無料で利用可能とした。

独身男性は料理出来ない人も多いのでここを利用する事も多いだろう。

店員とお客さんでちょっとした出合いの場にもなるかもしれない。


住居は今のところ空き家に事欠かないので、増えてゆく人口にも対応が可能だ。

僕の超能力で電気、ガス、水道のインフラも復活させ、テレビは意味ないけど、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電も支給可能だからパンデミック前とほぼ変わらない生活を送る事が出来る。


この様に集落には衣食住がある程度整っているし、高さ10mの強固なバリケードに囲まれて白蛇さんの加護があるこの領域は、今の世の中においては一番安全で理想郷とも言える楽園になりつつあった。





ーーーーー





「美久、早くしろよ。遅れるぞ!」

「は〜い!」


「私達も学校に行くわよー」

「「「「はあ〜い!」」」」


光司君と美久ちゃん、早苗ちゃん、子供達も元気に学校に通う毎日だ。

現在はキャンピングカーを出て大き目の家で光司君達七人で同居している。


光司君は学校以外にも鶏の世話や僕のブレーン的な役割も担っている。

集落に無料の食堂を作ったのも光司君のアイデアだった。


明人君達の中学生カップル二組も四人で一軒家に住んで同居している。

まだ中学生だし二人ずつで住むには早いだろうというパパの判断だ。

高校生になったら良いという事だったので、来年はどちらかに別の家に引っ越してもらう予定だ。


そして僕達だけど、明日奈さんと莉子さんとは二人の意思を知っている事もあり、僕から正式に申し込んでお付き合いをさせてもらう事になった。

その上で莉子さんの弟の秀彦君を含めた四人で一つの家に暮らしている。


「じゃあ僕は店の在庫を補充した後、救助の仕事に行ってくるね!」


「冴賢くん、いってらっしゃい!」


「外は危険だから、気をつけてね!」

「お兄ちゃん、頑張って!」


「うん。秀彦君も勉強頑張るんだよ!」


秀彦君も僕に命を助けられ、夜通し看病された事を覚えているようなので凄く懐いてくれて、良い関係を築けていると思う。


パパからは僕達の関係について絶対何か言われると思ったけど、やっぱりハーレム野郎とか言われてしまった。


二人でハーレムになるのかどうかは微妙だけど、そういうニュアンスは否定出来ないので言い返すことは出来なかった。

ママや玲奈は僕達を見てニヤニヤしているだけだった。


真理は時折、僕のママの手伝いをしつつ武田さんと農作業をしているらしい。

僕からはもう積極的に関わる事は無いんだけど、この集落にいてきちんと仕事をしているなら平穏に過ごしてもらえればと思う。


僕はこの平穏を守る為にも毎日の筋トレや超能力の訓練は欠かさず行っている。

もちろん白蛇さんへの感謝のお祈りも忘れない。


僕はこれからもこの集落での平穏な生活を、全力で守ってゆきたいと思う。


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