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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
三章 集落での生活
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第99話 報告と集落への受入

集落に着いた僕は観光バスを白蛇学園の近くに停め、武装グループに囚われていた人達の代表として小谷(こたに)さんだけを伴ってパパの家に向かった。


僕が帰ったのに気づいたのか学園から明日奈さんや莉子さん、明人君や光司君達も現れる。


「お帰りなさい。大丈夫だった?」

「うん。ただいま」


明日奈さんに聞かれた僕は明日奈さんを含む皆に返事をした。

そして莉子さんの前に行く。


「莉子さん。莉子さん達の避難所を襲った武装グループはもうこの世にはいない。僕が全員始末してきたよ。後でご両親のお墓に一緒に報告に行こうね」


莉子さんのご両親の死の原因になったのは避難所を襲った武装グループだ。

明日奈さんと莉子さんのご両親は、ご遺体は無いけど亡くなられているので集落の外れにお墓を作ってあるんだ。


「うん。冴賢くん……ありがと」


僕の報告を聞いた莉子さんが僕の胸に飛び込んできて泣きじゃくる。

今でも時折武装グループに襲われた時の夢を見ると言っていた莉子さんだけど、これを期に悪夢を見なくなれば良いと思う。


その様子を見ていた明日奈さんもそっと親友の莉子さんに寄り添ってくれて、僕達は莉子さんを慰めながら泣き止むのを待つのだった。





ーーーーー





小谷(こたに)さん。お待たせして済みませんでした……」

「ふふっ。良いのよ。やっぱりあなたは優しいのね。付き合っているの?」


「いえ、正式にはまだなんですけど……」


一旦落ち着いた莉子さんを明日奈さんに任せ、僕は小谷(こたに)さんに待たせた事を謝罪し、軽く雑談しながらパパのところに向かった。


「パパ、帰ったよ!」

「おう! お帰り、結構早かったな。その人は?」


「武装グループは無事に殲滅してきたよ。でも奴らに囚われていた女性達が20人ぐらいいたんだ。この人はその被害女性の代表の人だよ」

「そうか。初めまして、荒井雅則です。この集落の代表をしています」


「初めまして。小谷静香(こたにしずか)と申します。息子さんには、何と言うか凄く助けていただきました」


「無事で何よりでした。そういう事情であればあなた方を歓迎しますよ。ここまで来たって事はもう見たと思いますが、この集落はコイツのお陰で他の避難所より安全なので安心して下さい」


「はい! 色々な力を見せていただいたので、それは疑っていません。私達もお仕事を頑張りますので、どうかよろしくお願いします」


パパと小谷(こたに)さんがにこやかに握手する。


これでパパの承認も無事に終わったので小谷(こたに)さんのグループは先の避難民に次いで第9班という事になる事を伝え、小谷(こたに)さんが班長で副班長を一人選出してもらうよう言っておいた。





ーーーーーー





とりあえず被害女性達の為に、以前避難民の方に住んでもらっていたコンテナハウスを二棟取り出して生活に必要な寝具とかも用意し、簡易水洗トイレなども配置しておく。


お風呂を用意するのは大変なので、キャンピングカーを臨時でもう二台用意して、交代でシャワーを浴びてもらう事にした。


コンテナハウス内に冷蔵庫も二台ずつ配置して電操能力(エレクトロキネシス)で通電させ、飲み物や食材もある程度入れておいて明日以降の食事に備えておく。


その後、明日奈さんを呼んで女性達の服や下着など必要な物もアイテムボックスから取り出して用意して配布していった。

服を選ぶ時の女性達の勢いは凄かったけど、それを見ていた僕は明日奈さんから両手で挟まれた顔をグルっと回されて退出させられてしまったんだ……


そして今夜は歓迎ミニパーティーとして、被害女性達と僕の家族、明日奈さん、莉子さん達、光司君達、早苗ちゃん達、明人君達でバーベキューを開催した。


ママや明日奈さん、莉子さんなど女性陣がメインで準備をしてくれて、辛い目にあった被害女性達に美味しい食事を振る舞う。


小谷(こたに)さんを始めとする被害女性達も、安全な集落に来て新しい服にも着替え、美味しい食事など楽しい歓迎会によって、少し笑顔が戻って来た様だった。


僕は皆のこの笑顔を、これからも全力で守っていきたいと思う。


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