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サイキック・オブ・ザ・デッド  作者: ぴっさま
三章 集落での生活
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第98話 被害者女性達を連れて

「私は小谷静香(こたにしずか)と申します……あの、あなた様はもしや神様なのでしょうか?」


僕は武装グループから助けた女性達全員に注目されていた。

質問して来たのは20代ぐらいで料理に最初に手を付けてくれた女性だ。

スタイルも良く顔も美人系のお姉さんだ。


「えっと、僕は荒井冴賢と言います。高校一年生です」


「えっ! 高校生?」


お姉さんや、後ろの女性たちもビックリしている。


僕は白蛇さんのパワーアップや毎日のトレーニング、食事でも栄養が取れているのでかなり体格も良くがっしりしてきているのと、ゴテゴテのプロテクターなどマッ○マックスばりの格好なので、とても高校生には見えなかった様だ。


「はい。基本的にはお姉さん達の方が歳上だと思いますので敬語も不要です。たぶん色々と物を出したりしたのでそう思ったのかもしれませんが、僕はもちろん人間で、神様ではありません。但し、僕への詮索はしない様にお願いします」


「……わかったわ。それと、助けてくれてありがとう。あのケダモノ達も殺してくれたんでしょ?」


「はい。ここにいた武装グループの者は全員僕の手で処刑しました。一人も逃がしていません。個人的にも親しい者の仇だったので、先程のボスの男の様に皆かなり苦しませてから命を奪う様にしました」


「いい気味ね! 少しスッキリしたわ!」


小谷(こたに)さんが片手をガッツポーズにして吐き捨てる。

結構ワイルドな人なのかも……


「えっと、あなた方は武装グループに襲撃された避難所の方だと思いますけど、何処かこれから帰るあてはあるんでしょうか? バリケードが壊れたので感染者がこのモールに入ってきています。このままずっとここにいると危険ですよ?」


「そうなの? ちょっとまって皆で相談するわ!」


小谷(こたに)さんはそう言うと女性たちと話し合いを始めたので、僕はその間に侵入してきている感染者を減らしに行った。





ーーーーー





「ねえ、あなたはあの男達を一人で全滅させたぐらい凄く強いでしょ? あなたに私たちを保護してもらえないかしら? 私も含めてここにいる子達の避難所はだいたい武装グループに壊滅させられているみたいなのよ。かといって私たち女性だけじゃ暮らしていけないし……私だけで良いなら何でもするつもりよ……」


女性達の帰る所はもう無い様子だった。

これはやっぱり集落に連れて帰るしかないかも。


「そうですね……僕と言うよりも僕のパパが代表を務める集落があるので、もし良ければそこで暮らしますか? かなり田舎でまだ人口は300人程度ですが、巨大な壁に囲まれていて安全なところです。電気、ガス、水道のインフラが生きているのでお風呂や食事に困る事はありません。但し、中学生以下の子供は学校に、それ以上の年齢の人は何かしらの仕事を分担してもらう事になります。治安も凄く良いと思いますよ」


「何それ? 今の日本でそんな理想郷の様なところがあるの!」

「また学校行きたい……」

「行きたいわ!」

「お仕事頑張ります!」


それを聞いた小谷(こたに)さんや中学生らしき女子、その他の女性たちも行きたいと騒ぎ出す。


「みんな、どう? 賛成よね? 是非、是非お願いします!」


「わかりました。最終的な加入は僕のパパの判断になりますけど、武装グループの被害者であれば問題ないと思いますよ。これから直ぐに向かいましょうか?」


「ええ、でも遠いんでしょう? 食料とか着替えとか色々と準備しないと……」

「大丈夫ですよ。座っていてもらって僕が運べば2時間も掛かりませんので」


「えっ? 座って移動?」


僕は百聞は一見しかずと女性たちをモールの外に連れ出した。

また集まり始めていた感染者をサイコバレットで一掃すると、アイテムボックスから前に真理がいた避難所の人を運んだ実績のある観光バスを取り出した。


「「「「 えええええーっ! 」」」」


「さあみなさん乗って下さい。これに乗って移動します」


僕が観光バスを出すと小谷(こたに)さんを始めとする女性たちは凄く驚いた様だ。

驚愕しつつも観光バスに全員が乗ってくれた。

僕は運転席でエンジンを掛けるけどそれは空調の為だ。

僕はマイクを持ってアナウンスする。


「それでは皆様、空の旅に出発します。危ないので窓から顔を出したりはしないで下さいね」


「「「「 空? 」」」」


そして女性たちの驚愕の叫び声の中、青空に浮かび上がる観光バスは集落を目指して飛んでゆくのだった。


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