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第10話 屋上での休息

アレコレ試してるうちにもう夕方近くになっていた。

取り敢えず雨が降らなくて良かったと思いつつ、食事の準備を行う事にした。


「ん〜何が良いだろう?」


悩んだ僕はオーソドックスにカレーを作って食べる事にした。


まずは炊きあがったご飯のパックと辛口のレトルトカレー、カセットガスコンロと3つ入りのカセットガス、小さめの鍋と水をアイテムボックスから検索して用意した。


それぞれ取り出した時に数が999999⇒999998になった事を確認。

3つ入りのカセットガスは数が1減っただけなので、少々お得感があった。


「カレーをイチから作れなくも無いけど面倒くさいからね……」


僕はいい訳をしつつ鍋でお湯を沸かしてご飯とカレーのパックを放り込んだ。

水は大体1リットルぐらい使ったけど∞無限マークのままだった。


「あ、皿とスプーンが無いや……」


僕はこのままだと食べられない事に気付いて、使い捨ての紙皿とスプーンをアイテムボックスから探して取り出した。


結構探すのに時間が掛かってしまったけど、多分大丈夫だろう。

僕はお湯からご飯とカレーのパックを取ると、紙皿に盛った。


「ふう。今日は人生で一番色々あった日だった……」


僕はあの二人に、幼馴染の真理と親友の達也に見捨てられた事を思い出した。

また胸がズキンと痛む。


「でも桑田さん、無事だといいな」


僕を助けようとしてくれた桑田さんと、力を授けてくれた白蛇さんの事を思い出すと力が湧いてきた。


「僕も頑張るぞ! 必ず生きて家族に会うんだ!」


僕は気力を取り戻してカレーを食べるのであった。





ーーーーー





カレーを食べ終わった僕はトイレに行きたくなった。

でも4階にも感染者はうろついているし……


悩んだ僕はアイテムボックスを検索して工事現場などで使われている、仮設水洗トイレを取り出した。

そしてトイレットペーパーをセットする。

なぜかトイレタンクの水は最初から満タンだった。

これも白蛇さんのサービスなのだろうか。


「ふう〜」


スッキリした僕はアイテムボックスに仮設水洗トイレを格納した。


格納は接触しなくても手を(かざ)して念じるだけでいけるようだ。

自分がチートキャラになった気分だった。





ーーーーー





「とりあえず今日はもう寝よう。何処が安全かな……」


寝ている間に襲われたらきっと死んでしまうだろう。

白蛇さんの名誉の為にも僕はまだ死ぬわけにはいかない。


屋上には水槽設備に行くための垂直なハシゴがあり、そこを登ったところが比較的安全な感じがする。


僕が見てきた大体の映画ではゾンビはハシゴを登れなかった。

基本的に手と足を連動させるような複雑な動きは出来ないはずだ。


僕はハシゴを登ると念の為その一つに紐に結んだ鈴を取り付けた。

もし登ってきたら鈴の音がするだろう。

その時に熟睡していない事を祈る。


その後、アイテムボックスから寝袋を取り出して中に入って横たわった。

横になってスマホを確認するとやはり家族からの連絡は無かった。

僕からの連絡はパパに届いたのだろうか?

パパ、ママ、玲奈、僕が戻るまで無事でいてくれ!



スマホを置いて寝ようとした時、ふとスマホの壁紙が目に付いた。

僕達3人で取った写真を壁紙にしていたのだ。

また胸がズキンと痛む。


僕は黙って設定を開き壁紙を愛する家族の写真に変更した。


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