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kurokuro 短編小説集

デッド・デッド・ミー

作者: kurokuro

またこの夢だ。何かから私が逃げていて、一本道に私の死体が落ちていて、それがだんだん増えてくる。それで、それから、私が血に沈んで行く。


「・・・朝だ」

朝は嫌いだ。一日が始まる感じがして嫌だ。今日も生きなくてはいけない気がして吐き気がする。それでも、朝ごはんを作るのは私の悪いところだろう。

「あっ黄身が二つだ、ラッキー」

・・・今日の私はツイているみたいだ。しゃぁ。

「パン、あと二枚か。うん、食べてしまおっ」

学校の帰りに買いにいかなくてはならない。正直面倒だ。でも、行かなきゃ明日の分が無い。でもなぁ、財布は持っていきたくないんだよな。私は、イジメのようでイジメではないような、醜くて汚い事をされている。クラスの陽キャグループにされている。何故目を付けられたのか、理由は多分私にある。私は中学の頃は友達がいた。しかし、高校からは独りがよかった。理由は、関わりたくないから。それだけだ。スマホ等は使っても良いから、休み時間はそれで潰している。だから、正直クラスでは、浮いてると思う。だから目を付けられた、と思う。さて、どうしたものか。そうだ、一度家に帰ってから行こう。うん、天才だ。

「いってきます」

食器を洗うのは帰ってからでいいだろう。そうそう、私は基本的には制服で寝るので着替えは不必要だ。さて、今日もクソみたいな学校に行こう。


学校に着いた私の行動は決まっている。下駄箱に行きスリッパを履く。今時スリッパを隠す馬鹿はいない。ではイジメのようなイジメではないような物は何処から始まるかのか。それは・・・

「おはよ~また一人~友だちいないの? あっなってあげようか? アッハッハッハ」

「おい、やめてあげろよ。困ってんじゃん」

「え~でも事実じゃない?」

これだ。一人の女が煽ってきて、仲間の男が優しい風に接する、というか一緒になって笑ってる。しかし、私は何とも思わない。何時もの光景だからだ。そもそも、同じことをして笑えるのだからコイツらの笑いの質が見えてくる。新しいこともできない無能な猿たちに、私がノる必要もないので、スルーする。

「お前スルーされてんじゃん、おもろ」

「聞こえてないんじゃない? もっかい言ってあげたら?」

もう一匹増えたが放っておく。

「ねぇ聞こえてる?」

さぁスルーしよう。私はそのまま黒板の前を通り、ベランダ側、補足するならドアから一番奥っ側だ。そして、その列の三番目の席に座る。正直言おう最悪の席だ。一番前の席の子は大人しい男子なのだが私の前が陽キャグループの子だ。さっき話しかけてきたヤツとは別のヤツだ。それから、私の後ろの子は陰キャの女の子。その後ろはこの席順になってから来ていない子。一番後ろがこのクラスで一番うるさい男。それだけじゃない、私の横はその連れ。斜め右上が陽キャグループの女だ。つまり、私はクソグループに挟まれている。くじで席は決まる。なので恨むのは私なのだが、本来ならば全く持って別の場所だった。しかし、視力の関係で黒板が視えない男が私と交換したのだ。半ば私は強制的に、空気的に交換するしかなかった。ソイツの友だちも圧を掛けてきたからだ。結果今に当たる。でも、私は学校に通う。そこに一番吐き気がする。



もし、仮にこの世界に魔法があれば変わっていたかも知れない。もし、仮に特殊な能力を持っていたら変わっていたかも知れない。もし、仮に、何て考えていたら気づけば六限目の、ラスト十分になっていた。私の悪い癖だろう。直ぐに妄想に浸る。私には悪いところしか無い、寧ろ自分の良いところ何て見つけられるのだろうか。無いな、うん、無い。だったら死んだ方が良いのではないだろうか。悪いことしか無いのなら、死ねば誰かがハッピーになれるのではないだろうか。私は死んで終って誰かはそれで、得になる。最高にハッピーじゃないか。そうだ死のう、誰も悲しまないのだから・・・あ。でも、実行できないのが、私か。



「ただいま」

帰ってきてしまった。学校とは、やはり気付けば終るものだ。さて、パンを買いに行こう。明日の朝ごはんがないから・・・そうか、無いから買うってことは未だ生きていたいってことか。だったら別に良いか、悪いところしか無くても悪いことしか無くても、私がハッピーなら、それで良いか。うん、軽くなった。




その日、私はあの夢を、見なくなった。

ハッピーエンド!ハッピーエンド!

ハッピーエンド!ハッピーエンド!

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