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聖剣は君に輝く  作者: 柴崎 猫
2/2

プロローグ2 秒読み

投稿一年以上空いたwwww


ま、こっちは気が向いたら書く感じで。

1、


 そういえば、この町で美味い食べ物とは何だろう?


 男は、その配管の一つにつけた小さな箱に配線を繋ぎながら考えた。


 仕事が終わったら、何か探して食っていくか。と思う。さっきのホテルでのロビーの騒ぎも実に 馬鹿馬鹿しいものだった。どうも、あの色男が急に、ピンクのドレスを着た女の手にキスをした事は原因らしい。戸惑ってばかりのキスされた女子とその友人達に、あの色男は「君のあまりの美しさに」云々……。と、軟派文句を並べている所に急に先のエルフ姉妹の長女が割って入ってきた。こともあろうに彼女は、ホテルのロビーで剣を抜き、その軟派男に突き付けていた。「積極的と強引を勘違いしては、女はなびかんぞ」云々……。一触即発な雰囲気に、眼鏡をかけた学生風の優男が双方をなだめて、その場は収まった。


 つくづく平和な国だ。まあ、一人は異界のエルフなのだが。と男は思う。そうこうしている間に配線は終わり、男はその場を離れる。


 その場所は、ホテルの地下の設備室である。男が箱を取り付けた配管はホテル全域にガスに相当する可燃性の魔道エネルギーが通る配管であった。男は歩きながらまたスマホの画面を見る。そこには、あの手にキスをされた少女……華の顔があった。


 なぜ、依頼人はこの娘を狙うのだろう。なぜ、俺は……この娘を殺さないといけないのだろうか。


2,


 煌びやかな立食パーティーが、ホテル最上階の宴会場で行われていた。最初、大和と華は、太一と椿と一緒に色んな人に挨拶に回っていた。ここで大和は不思議と会う人会う人、大和はもちろんの事、太一や椿を差し置いてやたら華とばかり話したがる事だった。どう考えても、ついでのついでについて来た部外者の扱いではない。しかし、場の雰囲気に慣れない大和はそれに気付くわけも無く、華の方はと言えば周囲に並ぶ御馳走を早く自分の腹に収めたいという欲求で他人の話など聞く耳も持たなかった。

 しかし……


 会場にどよめきが起きる。例のエルフ三姉妹が会場に入ってきたのだ。まず目を引くのが、先ほどの旅装束から変わってパーティー用のドレスに着替えたその美貌……特に長女ローレンティアの美貌は男女問わず会場中の人間を虜にした。華はこれ幸いと、いよいよテーブルに並ぶ料理を皿に盛りながら、その豪華な料理を頬張り始めた。大和もそれに習って料理を食べ始める。本来、大和もエルフの姫姉妹の美貌には一ミリも抵抗できずに落ちるレベルの男なのだが、先ほどからアウェイ感全開の会場で見ず知らずの大人達と話していた緊張から解放された安心感が勝り、少量の食べ物と飲み物を手に会場の隅のテーブル席に座り込んだ。


「よう」


 と、やってきたのは華だ。華は口いっぱいに料理頬張って楽しそうだ。


「はもひんへるはね」


 楽しんでるかね? と言いたいらしい。


「まず、口の中をなんとかしなさい。」


 大和に言われると、華はテーブルの向かいに座り、大和の飲み物をひったくり、一気に飲み干した。


「プハー。いやあ、流石に大きなパーティーだねえ。どの料理も美味い。」


「この雰囲気で食欲落ちないのはすげえよ。お前。」


「ま、私レベルになるとね」


「なぜ、誇れる? 」


「情けないわねえ。一応今日はアンタがエスコートしてくれてるテイなんだからさ。さっきだって…」


「さっきって? 」


 華はムッと口を噤む。言いたい事は山ほどある。

 まず、エスコートしてる女性がナンパされたのに何も大和が言ってこなかった事。自分もイケメンにナンパされてちょっと舞い上がったのは事実だが、そんな問題じゃない。少しは男として甲斐性を見せて欲しかった。

 まあ、大和のひ弱な性格をよく理解する華は、そこまで彼に期待していないし、その事で彼を咎めると、なんか大和に気があるみたいに思えて嫌だ。何より今は目の前の食べ物に集中したい。ローストビーフ最高。

 以上の理由から華は、それ以上大和を突っ込むのをやめた。男として、既に絶縁状に近い相当なダメレッテルを貼られている大和はそれに気付く由もない。こうして食事して、ようやくデートっぽくなったなとか呑気に考えている。


「そういや、晴兄ちゃんはどうしたんだろう? 」


「そういや、見ないな。パーティーに来るって言ってたけど」


 その時ーー


「先程はどうも……。」


 2人は声の方を見る。そこには、あのエルフの三姉妹が立っていた。


3、


「あ、さっきはありがとうございまいした。」


 華は立ち上がってペコリとお辞儀をする。相変わらず、何にお礼を言ってるのか分からない大和は、置いておくとして……


「どうと言う事はない。通りすがっただけだ。」


 全く表情を動かさないまま、長女ローレンティアは言った。何か怒っているのだろうか? 華は一瞬怖がった。


「姉さん。もう少し笑って! 」


 次女イフェイオンが横で姉をこづく。


「す、すまない。柔らかい表情は苦手なんだ。」


「そうだ! さっき聞いたんですが、お2人ってアイランド高校に通ってらっしゃるんですよね? 私達も明日から通うんです。姉は3年で私は2年。ヘリオは1年です。」


「へえ、エルフって長命だって言うけど…」


 そのくらいの歳なんだ……と言おうとして、大和は三姉妹が華しか見ていない事に気づいて口を止める。そのまま話したら、女性の年齢を云々的な強いツッコミを華から受ける事になるのだが、相変わらず、鈍感である。

 大和は明るく話し出した、次女と華を見て、ようやく自分1人が場違いだと気付く。場を離れようと、立ち上がり歩いだそうとすると、1人のボーイ肩がぶつかる。


「すみません。」


 大和が謝ると、男もまた丁寧頭を下げ、去っていった。


ーー今の男ーー


 大和は無意識にそのボーイの後をなんとなくついて歩き出した。その様子をエルフの長女ローレンティアが目の端で見ていた。


4.


「なんだよ。あの男は? 」


 パーティー会場の裏で修一は椅子を蹴った。彼は華と親しげに話している大和を遠くから見ていた。


「そんな仲じゃないと思うけどな。あの2人は。」


 ヘラヘラ笑いながら、誠人が言った。


「テメエの見立てなんざどうでもいい! おい誠人! あいつ帰る前に消しとけ。」


「殺せっての? 」


「あ? 女の前に二度と出れねえようにしてくれたら、やり方は任す。」


「考え過ぎだよ。彼女は彼のことなんてなんとも思ってない…」


 咄嗟に、修一は彼の襟首を掴んで体を持ち上げた。軽く首が締まった形になる。誠人は苦しそうにもがいた。


「馬鹿野郎。俺があんな男をライバルとで思ってるとでも言うのか? 食べようと思ってた食い物にハエがたかってたらお前だって不快だろうが! 」


 誠人が諦めて、大和達の所へ行こうとした時、ドオンという音と共に大きな振動が会場に響く。

 このホテルの地階で大きな爆があった…。


 

プロローグ長い…

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