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第2話 テンプレ

段々と意識がはっきりしてくる。

(生きていたのか...)

目を開けると白が広がっていた。

病院だろうか。しかし横を見ると一面真っ白。


起き上がり自分の体を見ると刺された傷もない。

痛みも感じない。

ここは死後の世界なのか?


「あ!起きたんだね!」

不意に男とも女とも分からない声がする。

ぐるりと周りを見渡すと、さっきまでは目の前に何もなかったのに、座り心地の良さそうな椅子に座った中性的な中学生くらいの子供が目の前に急に現れた。

真っ白な髪、真っ白な肌、金色の目、作り物のように整った顔でこちらを微笑みならが見てくる。


その子は再び口を開いた。

「君は死んだんだ。そしてここは死んだ人間の魂が来るところだと思ってもらえればいい。」


やはり、俺は死んだのか。全く実感がわかない。


「あぁ、僕なんだけど君たちの世界の言葉を借りると神になるかな。

で、本題なんだけど、君、僕の世界に来ないかな?魔法と剣のファンタジーな世界!きっと楽しいよ」

こてんと首を傾げて聞いてくる。


あれか。ラノベやアニメとかでよくやってるやつか。まさか現実に起こるとは。

ファンタジーは好きだ。魔法とか面白そうだしすごく興味がある。

でも、召喚されて魔王を倒せとかいうやつとかだったら最悪だな...。今まで平和な日本で生きてきたのにいきなり戦えとか無理だ。

というか、まず藍詩(おとうお)が心配だ。俺が死んだら保険金が入るからある程度お金の心配はないが、1人残してきたのは心残りだ。


機嫌を伺うように恐る恐る話しかける。

「......まず聞きたいことがあります。生き返るのは無理なんでしょうか?」

「それは無理だね。一度死んだものは同じ世界で生き返らせない。」


生き返れないなら考えても仕方がない。弟よ。幸せにな...。

よし、切り替えよう。


「じゃあ、こっちの世界で生き返ったら使命とかあるんでしょうか?」

「いや、まず生き返るのは違うんだけど...。そうだね。順を追って説明しよう。僕の世界にはね、異世界人は1人もいないんだ。まぁ僕が連れてきてないから当然なんだけど。でも、他の世界の神が異世界人を連れてきたら面白いっていうもんだから、気になってね。

で、偶々連れてきたのが君だってこと。

これは僕の都合だから、断ってくれてもいいし、もし来てくれるとしても何か使命とかあるわけじゃないから、君の好きなように生きて大丈夫だよ。もし、来ない場合は通常の流れに従って魂は消えてしまうことになる。」


連れてこられた理由は何であれ、自由気ままにファンタジー世界で暮らせるとか最高じゃないか!

しかも行かなかったら消滅するのか。

ほぼ行く方に心が決まってきた。


「次に生き返るのとは違うってことなんだけど、まず、今君は肉体を持っていない。魂だけなんだよ。肉体があるように思えるかもしれないけど、生前とのギャップに混乱しないよう僕が幻術で作り出してるものにすぎない。君の肉体は損傷して魂がとどまれないからね。そこで君には僕が人間の肉体を作るからそこに入ってもらう。」


幻術!それだけで世界が違うことを実感する。まぁこの空間も地球ではあり得ないほど真っ白なんだけど...。

作られた肉体ってことは、

「それは人形ってことですか?」


「うーん。何を持って人形というのか分からないけど...。今僕も君が親しみやすいように人間の姿をしているんだけど、これも僕が作った肉体なんだよね。これを想像してもらえればいいかな。ちゃんと成長もするし生理現象もある。大丈夫そう?」


神は手を広げて自分の体を見せた。

どこか人間離れしているが、人間に見えるしちゃんと人間としての機能があるならば生活するのには問題はなさそうだ。

「大丈夫そうです。」


俺が理解しているのを確かめると神は満足そうに頷いた。

「で、こちらの世界には来てくれる?」


心はもう決まっている。

「はい。ぜひ、よろしくお願いします。」


「ほんとに⁉︎ありがとう!すぐ死んでしまうと意味ないから、肉体は少し頑丈に作るね。あと、3つだけ何かアイテムをあげよう。僕の都合でいきなり連れてきたお詫びだと思ってほしい。何か欲しいものはあるかな。君の世界で実現不可能なこともできるかもしれないから何でも聞いてね。」


それから神に色々質問しながら3つのアイテムを決めた。

1つ目は、亜次元に存在する家に繋がる鍵。

マスコミに家を囲まれ、近所から嫌がらせを受けたことから、誰にも邪魔されない場所が欲しいと思ってこれを選んだ。

2つ目は、スマホ。

他にスマホを持っている人がいないため、連絡手段としてはあまり意味をなさないが、検索機能は有効にしてもらえるらしい。困ったらなんでもスマホで検索するスマホ依存の人間なのですごく助かる。

3つ目は、銃。

これは身を守るため何か武器を貰った方がいいと思い、自分の中で強そうで扱えそうな武器を考えた結果だ。銃はこちらの世界には存在しないみたいである。


神は、ぱんっと手を叩いた。

「よし、決まったね!アイテムは袋にまとめて入れとこう。早速こちらの世界に来てもらおうか。

じゃあ、第二の人生楽しんでね!」


そして俺の体は白い光に包まれ、思わず眩しくて目を閉じた。

スマホの電波などは神がどうにかしてます!(ご都合主義につき)

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