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第1話 前世

初投稿です!

拙いですが読んでいただけると嬉しいです!

享年21年

思えばクソみたいな人生だった。

親父は酔っ払い怒鳴り散らかし暴力を振るっている姿か、寝ている姿しか見たことがなかった。母親は親父に俺と4つ下の弟が殴られている時、自分に矛先が向くのを恐れて庇ってはくれなかった。

それでも学校には友達がいたし、出来るだけ家にいないよう弟や友達と外で毎日遊んでいたから、この時はまだ幸せだったのかもしれない。


そして俺が中学2年の時、たしか13歳のとき、ついに親父がやらかした。飲酒運転をして、幼い子を轢き殺してしまったらしい。親父は逮捕され、瞬く間に家の周りがマスコミに囲まれ、近所からの嫌がらせも始まった。

俺は弟と一緒に友達の家に匿ってもらおうと何人かの家に行ったが、ほとんどが話さえさせてもらえなかった。友人が出てきた時も親がゴミを見るような目でこちらを見て友人を家の中に引っ張っていった。


それから母親と弟と夜逃げをするように引っ越し、母の職場を手伝いながら過ごしていたが、俺が17歳になる年に母親は外に男を作り出て行ってしまった。


そこからは自分の分まで弟には普通の人生を送ってほしかったので、毎日一日中がむしゃらに働いた。弟が楽しそうに過ごしているのを見るのが日々の楽しみだった。

だが、弟から大学に受かったという連絡が来た日。合格祝いをしようとケーキを買って家に帰る途中だった。

早く帰って直接おめでとうと言ってやりたいという、はやる気持ちを抑えて人混みを歩いていると不意に脇腹が熱くなった。脇腹を見るとナイフが刺さり赤く染まっていた。体から力が抜け倒れ、周りからは悲鳴が上がる。


遠くで男が叫んでいる声が聞こえる。

そちらをぼんやりした目で見ると男が抑えられていた。

音がだんだん聞こえなくなっていく。

視界もだんだんぼやけていく。


寒い。寒い。寒い。寒い。

刺されたはずなのに痛みを感じないが、それは逆に危ないんじゃなかったか。

...もしかして死んでしまうのか。


...藍詩(あおし)、祝ってやれなくてごめんなぁ...。

そこで意識は途絶えた。


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