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【速報】冒険者ギルド、解散決定www

冒険者ギルドって平和になったらいらなくね?

 その日、国が冒険者ギルドの解散を宣言した。


 これに対して国民や、現冒険者は激怒した。

 薬草や鉱石を始めとした採取やモンスターの討伐はどうするんだ、と。

 俺たちから稼ぎを奪う気か、と。


 彼らは徒党を組み、国に対して反乱を開始し————







 ませんでした。


 え、なんでしないのかって?

 そら冒険者なんてもう必要が無いからである。必要の無いものがいつまでも存在してても無駄だし邪魔である。

 確かに昔は冒険者ギルドとそこに属する冒険者の存在は大切だった。それぞれの国にも軍はあるが、それだけではすべてを賄いきれない。その賄いきれない部分を賄っていたのが冒険者だった。

 だが、時代は進んだ。人間族や魔族、獣人を始めとした亜人種などはそれぞれ手を組み、剣や魔法では争うのではなく話し合いという一つのテーブルに着いた。その結果、恒久的に続く和平条約が結ばれた。

 それに伴い少しずつ世界中で起きていた争いは無くなっていった。

 争い…戦争が無くなれば戦死者も出ない。そうなれば人員不足による徴兵も起きず、その分の人員は農業や漁業や工業などの生産と供給、街道を始めとした陸路・海路・空路…つまりはインフラの整備などに充てられた。これによって様々な物が輸出入が安全に出来るようになり、以前は一苦労しなければ手に入らない物も安易に手に入るようになった。

 人口も増え、国が得る税金も増え、それらは国民のために使われより豊かさと発展に至る。

 薬草は研究が進み、より効果の高いものが品種改良によって生まれ、更にはハウス栽培などによる徹底管理によって一定量が安定して市場に降りるようになった。

 鉱石は戦時中と違い大量に消費することが無くなったので需要が下がった。これにより鉱石が乱獲されることは無くなった。

 モンスターの討伐は国の軍が対処できるようになった。戦争が起きなくなったことと、税金の徴収量が増えたことでしっかりした装備を得られるようになり、更には討伐に充てられる人員も増えた。


 こうなると冒険者は何の理も得られないが、そこは冒険者である。無能は死ぬが有能は生き残る一種の実力主義の世界である以上、有能な者は冒険者は需要が無くなると察し、さっさと国の軍か貴族の私兵団や別の職に就き、無能な者はアタフタしてる間に持ち金を食いつぶしながら堕ちていく。


 そんな日々が幾年と続き、冒頭へと至る。


 この発表に対して多くの人が理解と納得をしたのは言うまでもない。

 なお、一応という感じで冒険者ギルドは解散記念として料金さえ払えばFランクからSランクまでの冒険者カードを発行すると発表し、一部のコレクターと転売ヤーが冒険者ギルドに赴くことになるのだが、これはまた別の話。因みに、転売ヤーはまるで儲からなかったそうな。見事に買い叩かれた模様。ざまぁ。


 ちなみに冒険者は多くの女性から『結婚したくない職業ランキング』なるものに30回連続一位をたたき出し、殿堂入りしているほどである。これに関してもしょうがないと言えるだろう。何しろ冒険者の収入は完全に出来高制であり、仕事を一切しなければ一切収入はない。昔であれば『俺は定期的な収入は無いが、その分一度でドカンと儲けるのよ』なんて言い分も通じたろうが現在でただの無職の言い訳紛いなものでしかない。働けニート。


 因みに第二位はエクソシストらしい。理由はキモイ! 怖い! 汚らわしい! の3Kだそうな。仕方ないね。



 こうして、冒険者ギルドは特にトラブルもなく解散の日を迎え、だれにも惜しまれることなくその歴史に幕を閉じたのであった。

自分の中で冒険者ギルドがいらなくなる理由を手あたり次第に書いてみました。また今回や前作のようななろうあるあるの上げ足取りを書くかもしれないです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 其れなら一位は転売ヤーに…
[一言] ちなみに、ギルドって今も存在してる。 そう、職業別組合である。
[良い点] なろう小説ではほぼ必須な冒険者ギルド。 ですが、よくよく考えるとその存在意義についてはあまり触れられていないのかもしれません。 今回、お話を読み存在意義についてよく考えさせられました。 創…
2020/09/09 21:11 退会済み
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