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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第1部・生き様の理
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第8話 国家間外交6(キャラ名版)

 結局、国家間外交が終わったのは日付跨ぎとなった。しかし大会議が始まる前に現れた、特殊部隊の連中が功を奏した形か。全会一致で対策を講じる決定がなされた。それは即ち地球規模での対策と言える。


 ただ連中が何処から現れるのか全く不明な点なのが気になる。先程の大型ヘリの一団も、突然レーダーに現れたというのだ。となると、ギガンテス一族の超絶的なテクノロジーに近い力が働いている感じか。


 まあ連中の狙いはミュティ・シスターズなのは間違いない。3姉妹と一緒にいれば、否が応でもこちらに現れる。そこを叩いていけばいい。


 まさか世界各国の首脳が特殊部隊を悩みの種にしているとはな。不信するつもりはないが、営利目的で連中と結託する手法も考えられた。それが現段階では皆無である。首脳陣がその話題になった時、あそこまで声を荒げるのには驚いた。とてもやらせの演出とは思えない。



 ハワイに赴いてまで国家間外交を行う意味はあるのかと思っていた。しかし今のこの流れを考えると、満更無駄ではなかったようだな。むしろこれもエリシェやラフィナの戦略の1つになるのだろう。特に場所が決め手だな。


 常夏のハワイはアメリカである。そこに特殊部隊を呼び込み、言わば強大な獅子を怒らせた形を取らせた。日本だけでは対処できないと踏んだためだろうな。獅子の尻尾を態と踏ませ、本気にさせる事で同調者を得た形だわ。う~む、そこまで狙っていたとは・・・。


 それに連中への腹立たしさを3ヵ国の首脳陣、いや全世界の首脳陣に知らしめた。それが決定打になったとも言える。態と怒らせて反撃に出る、か。何ともまあ・・・。


 ともあれ、今後の流れは見定まった。特殊部隊の目的が俺達なら、対処法は確実である。以後は日本が舞台になるが、駐留中のアメリカ軍の方々にも力添えが可能になろう。これは間違いなく、地球人自体を怒らせた報いになるわな。




ミュティナ「ハワイという場所は、殆どこうして晴天なのですね。」

ラフィナ「偶に曇ったりしますが、この数日間は快晴のようです。」


 翌日はフリーとなった。一同でワイキキビーチに足を運び、バーベキューを楽しんでいる。ちなみに女性陣は水着である。3姉妹や9女傑すらも水着とあって、一種の有名人の集いの場的な感じになっていた。何ともまあ・・・。


エリシェ「・・・ここに来てもその出で立ちですか・・・。」

ミスターT「カナヅチに沈めを仰るのか・・・。」

シルフィア「相変わらずねぇ~。」


 恩師ですら水着を着用している。しかしその彼女達を見ようものなら、次の瞬間ギラ付いた視線が突き刺さってくるのが何とも言えん。その主はシュームとナツミYU。更にはエリシェとラフィナからも向けられてくる。う~む・・・。


ミスターT「流石にここには襲撃は来ないよな・・・。」

ミツキ「来たら容赦しないわぅよ。バカンスを邪魔するツケを必ず払ってやるわぅ。」

ナツミA「娯楽を邪魔するのなら、それ相応の地獄を見せますよ。」

ミスターT「はぁ・・・頼りにしてます・・・。」


 ナツミツキ姉妹の水着姿も初めて見る。というか実に不思議な事があるが。それは姉妹や恩師にはドキリとする感じが出ないのだ。まるで同性を見ているかのようである。確かに女性としての魅力は痛烈に伝わるが、それ以前の次元の話な感じか。本当に不思議だわ。


 しかしまあ、野郎の性は何とも言えん。これだけの水着の美女が揃うと、やはり鼻の下を伸ばしてしまいがちだわ・・・。それでもほぼ全員が警護者であるため、その体躯は半端じゃないものである。


 何度も思うが、やはり真女性には敵わない。今後の世界は女性陣が活躍してこそのものだ。破壊と混沌という業を持つ野郎の時代は終わったも当然だわな。


 そんな考えを巡らせていると、当然の如くエロ目線だとヤジが飛んできた。まあ半分は事実だから否定はできない。野郎の性は悲しいものだ・・・。




ミツキ「サンセットは美しいわぅ~。」

ミスターT「本当だわな。」


 以後もずっとワイキキビーチで過ごした。明日には日本へ向けて戻るとの事なので、夜は大規模なパーティーを開くとの事だ。数時間後に控えた同催しの前に、地平線に沈む夕日に感動を覚える。


ミュティナ「今まで私達が見てきた中での、最高の夕日ですよ。」

ミュティラ「地球が素晴らしい事が分かるよね。」

ミュティヌ「う~む、絶景っす。」

シルフィア「アレよね、宇宙空間で見る日の出も格別とか。」

ナツミA「空気がありませんから、それは見事な美しさかと。しかしこの地球だからこそ、大自然が織り成すハーモニーと言えるのかも。人工物とは比べ物になりませんね。」


 何も考えずに夕日を見つめるのも乙なものだ。この奇跡の地球に生まれ出た事に、心から感謝したい。そして仲間達と過ごせる今にも、である。


ミスターT「・・・地球の環境だからこその美しさ、だな。」

ミュティナ「この世界を守りたいと思いたくなります。」

ミュティラ&ミュティヌ「だねぇ~。」

ミスターT「・・・お前達も立派な地球人だわ。」


 ギガンテス一族は宇宙を流浪する民族。その彼らして地球が美しいと言うのだから、この星を心から守り通したくなる。できる事は限られるが、だからこその行動だろう。


シルフィア「雰囲気クラッシャーになるけど、人間ほど身勝手な存在はいないわよね。」

ミスターT「この美しい星を壊そうとするんですからね。」


 ボソッと語る恩師に本音で応えた。言わずともなが、地球環境の破壊が深刻化している。この流れだと何れ取り返しの付かない事になりかねない。


ミツキ「敬い・労い・慈しみの精神がカギですよ。」

ミスターT「お前のその心構えがあれば、この世上から悲惨や孤児という概念は消えるわな。」

ミュティナ「それは私達ギガンテス一族も同じ生き様です。でなければ何光年も掛けて大宇宙の旅路は続けられませんから。」

エリシェ「今度、宇宙に出てみたいものです。」


 後始末に終われるのか、引っ切り無しにノートPCと格闘中のエリシェ。同じくラフィナもスマホなどを使い雑務に追われているようだ。


ミスターT「空から眺めるのは最高だろうけど・・・俺は絶対に勘弁な・・・。」

シルフィア「相変わらずねぇ~。」

ミツキ「気絶させて輸送わぅね、ウッシッシッ♪」

ミスターT「はぁ・・・。」


 宇宙空間ともなると、地球上の最大高度の比ではない・・・。これ以上の恐怖はあるのかと思いたくもなるわ・・・。まあ多分、無理矢理連れて行かれそうな気がするが・・・。



リュリア「準備できたよ~!」


 夕日が沈み、雑談に明け暮れる。そこに上陸したリュリアが駆け付けてくる。他にアサミやアユミも一緒だ。依頼が終わったとあり、船からハワイ島へ呼び寄せた。


シューム「大会議場が今回のパーティーの場よ。シークレットサービス総出で改修したみたい。」

ナツミYU「ハワイ最後の日程ですから、大いに楽しみましょうか。」


 3人以外にもシュームとナツミYUも一緒だった。しかも今までに見た事がない妖艶なドレスを身に纏っている。エロスを通り越して格好良すぎるわ・・・。


シルフィア「あらぁ~、見惚れちゃって?」

ミスターT「いえ、それを超えて格好良すぎるんですがね・・・。」

ナツミA「なるほど、確かに。」

ミュティナ「失礼ながら、シューム様もナツミYU様も男気がありますから。言わば女装した男性風な感じでしょうか。」

ミスターT「女性はいいよな、男装してもおかしくないし。」


 本当にそう思う。野郎が女装すると変態目線で見られる。対して女性は男装をしても全く問題はない。というか衣服に関して全て着こなせるのが羨ましい。


ミツキ「今度シュームちゃんとナツミYUちゃんに、パンツ・ステテコ・ランニングを着せるわぅ。オヤジ臭さ間違いなしわぅよ。」

シューム「へぇ~・・・それもいいかもねぇ。」

ナツミYU「男性のラフな姿には憧れますし。」

ミツキ「そして・・・Tちゃんには女装させるわぅ!」


 ミツキの言葉に周りの女性陣の顔が不気味に微笑みだす。これはやらされかねない・・・。そもそも体躯の問題で不可能な事なのだが・・・。


ミュティナ「あー・・・すみません。ナノマシンを駆使すれば、一時的ですが性転換も可能です。私達が用いる外交手段の1つでもありますので。」

ミツキ「うっひょー! それは朗報わぅー!」

シルフィア「T君の女性化か・・・見てみたいわね。」

ミスターT「はぁ・・・。」


 これはとんでもない事になりそうだ・・・。ただ野郎の俺からしても、女性化という部分には若干の興味を惹かれるが・・・。う~む、これも野郎の性か・・・。何とも・・・。


ミスターT「・・・もしかして、お前達が外交をする場合は大人化させるとか?」

ミュティナ「そうですね。母をベースとする体躯で担う場合も。まあ大体同じでしょうけど。」

ミスターT「この美丈夫が覚醒する訳か・・・。」


 ミツキやリュリアと変わらない体躯のミュティ・シスターズ。それがシュームやナツミYUの様な女傑に化ける、か。物凄く興味が惹かれるのは野郎の性だろうか・・・。


ミスターT「まあ何だ、今は一時の安らぎを満喫しますかの。」

ミツキ「パーティーわぅ~!」


 脱兎の如く、パーティー会場へと向かうミツキ。釣られてリュリアやミュティ・シスターズが追随して行った。この美丈夫はまあ・・・。まあだからこそ、あの戦闘力が出せるのだろう。実に羨ましい限りである。


 一服を終えて、ドレス姿のシュームとナツミYUを手招く。近付いて来た2人に手を差し出した。本来なら腕組みなのだろうが、ここは手繋ぎという初歩的な姿を取ってみる。すると予想もしない展開だったのか、エラい顔を赤くしながらも握り返してきた。


 俺の取った行動に、周りの女性陣は呆れ顔である。この場合はキザったらしい行動をして、ヤジを飛ばされるのは目に見えている。そこを態とカップル風な行動に変えてみたのは正解だったようだ。まあシュームとナツミYUの方は、恥ずかしがりながらも実に嬉しそうではあるが。


 もう少し人手がいない時は、普段のキザったらしい行動を取ってみてもいいだろう。今はこの流れも乙なものだわ。2人の壮麗な美丈夫の手を握りながら、夜の帷が降りだした海岸を後にした。


    第9話へ続く。

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