第14話 息抜きと言う名の非日常2 使用した費用の金額(通常版)
「皆様も超大な各事変を前にしたため、いざ終わってみると物足りなさそうな感じに思えているようですよ。」
「アレだけの事変だったからな。一種の燃え尽き症候群とも言えるかも知れない。」
背中に抱き付くのを止めると、左隣の椅子へと腰を降ろすナセリス。予め茶菓子などを用意していたようで、それらを漁りだしている。俺もご相伴に預かり、茶菓子を頬張った。
自分で言っておいて何だが、燃え尽き症候群とは言い得ていると思う。終わりなき行動に身を費やしていたが、それが終わると途端に意気消沈してしまう。必ずしもそうなるとは限らないが、実際は俺も含めてその傾向が出ている。
ただ先にも挙げたが、宇宙種族達は別のようだ。傍らのナセリスが正にそれで、次なる目標を見つけて彷徨っているのだから。そして、その先が俺であったという事になる・・・。
「そう言えば、展開していた宇宙船群は全部戻ったのか?」
「はい。今は太陽系の各惑星に影響がない位置で待機中です。」
「・・・それ自体ぶっ飛んでいると言うんだがな・・・。」
「まあ確かに。」
思い出した事があったため、ナセリスにその内容を挙げた。先の黒いモヤ事変で用いた、宇宙船群に関してである。5大宇宙種族の全ての宇宙船とあって、その数は膨大なものだ。
白いモヤ嬢が締め括った形になったが、それがなかった場合は宇宙船群が大活躍したのは言うまでもない。ただ、それでも黒いモヤを消滅させられたかは危うい感じだったが。
それを考えると、膨大な宇宙船群も1生命体の力量の前には敵わないという感じか。まあ規模の問題もあったため、イーブン的な比率になったのは間違いない。それでも、白いモヤ嬢の一撃が全てを決めたのも間違いなかった。
そして、お役ご免になった宇宙船群は、今は太陽系の各惑星に陣取っていると言う。重力の問題とかが出てきそうだが、そこは反重力機構やヒドゥン能力が役立っているとも。これらも地球人には絶対に成し得られない力量である。
「・・・まあ何だ、これで当面は何事もないと思う。」
「なければ、ですが・・・。」
「・・・まあな。」
目の前の全ての事変を戦い切った俺達。しかし、お互いにこれで終わりとは思えていない。現に博識者たるデュヴィジェが内に何か思う部分があるようだ。つまり、また何らかのデカい事変が起こると思われる。
まあそれらに関しては、恐らく過去の自分が関わっているかも知れないという感じはある。これは確信的なものではないが、そう脳裏に何度も過ぎっているのだから仕方がない。
となれば、今は休めるうちに休んでおいた方がいい、と言う事になる。こうしたノホホンとした瞬間を、心から満喫するしかない。
その後は色々と雑談を繰り広げた。雑学から個々人の戦いに関してのもの。何時もであればこうして討論をする事は希なため、この機会にという感じである。この手の討論はエリシェやラフィナと何度となく繰り返してきたが、ナセリスとは指を折るぐらいの回数でしかない。
そもそも、宇宙種族組は軽度な悩みを抱く事が希で、他者とのコミュニケーションを取る事が希でもある。ただ、完全に孤立している訳ではなく、念話などのツールを使っての意思の疎通が当たり前故に、思っている事が直ぐに伝わるのもある。
今の俺が正にその傾向で、胸中で思った事や脳裏に浮かんだ事は直ぐさま宇宙種族組に察知されている。仕舞いには各種ペンダント効果の恩恵に与る身内達全員にも。よって、些細な愚痴などを思おうものなら、即座に察知されて一撃を喰らう事になる。
それでも、今はこの力の恩恵に与るのが無難な感じだ。総意が身構えている通り、次なる大規模な事変がそれである。力があるのに使わないのは愚かになりかねないのだから。
そう言えば、先日のアキバ・コミケの収益はドエラい金額となった。とは言うものの、俺達は実質的に無償で動いていたため、得られた資金群は運営費用や各物品のメンテナンスの費用に用いる事になった。特にレプリカ大和とレプリカ伊400が顕著だ。
と言うか、俺達は2隻を軽々しく扱っているが、実際には相当な費用が必要になっている。警護者専用ガンシップの位置付けは据え置きも、同艦群は広島は呉市に寄贈させて頂いたのだから。まあ有事は使用させて貰うという条約を結んでいるため、こうして使う事が可能となっている訳だが。
それでも、この2隻を動かすだけでも相当な費用が掛かってくる。先にも挙げたが、俺達が軽々しく扱えるのは、エリシェやラフィナの大企業連合に、ヘシュナ達宇宙企業連合の力添えがなければ不可能に近い。
まあ実働した俺達の方は、こうした環境に携えるだけ有難いと思うため、無償で動く事になっている訳でもある。特に身内のヲタク気質の面々は、大歓喜極まりない状態のようだ。参加できる事にこそ意義がある、これだわな。
話は変わるが、先の黒いモヤ事変で用いた宇宙船群の費用だが、地球の各国が賄える金額を超越した様相となっていた。そもそも、天の川銀河を覆い尽くす黒いモヤを囲うための船団である。相当数の宇宙船が必要だったのもあり、建造費やら運用費やらがトンでもない金額となってしまった。
流石の大企業連合も手に負えない規模ではあったが、そこは宇宙企業連合の出番な感じか。ヘシュナ達率いる宇宙企業連合の総資産は、エリシェ達率いる大企業連合を数百や数千を丸々買収できるぐらいの規模である。ケタ違いと言うか、存在そのものが神掛かっている。
まあでも、その彼らをしても黒いモヤ事変は乗り越えられるかどうかな感じだったため、こうして何事もなかったのは有難い限りだと言うしかない。それを踏まえれば、天文学的な運用費など朝露の如き儚さな感じであろうな。
全ては総意のため、全ての生命を守るため。決してこの部分を忘れてはならない。そのための力であり、力は使ってこそ意義がある、正にここに帰結するのだから。
第14話・3へ続く。
先の黒いモヤ事変に掛かった費用は、間違いなくトンでもない金額だったのは言うまでもないかと。まあこれはフィクションの中の話なのですがね@@; 仮の話ですが、実際の戦艦大和を稼動させるには、相当な費用が掛かったとの事です。それを遥かに上回る宇宙船群となれば、それはもう天文学的な金額でしょうね(-∞-)
ともあれ、手探り状態が続く現状。ラストまであと少しですが、そこに行き着くまでが一苦労なんですが><; 創生者(←執筆者自身)は大変ですわ(>∞<)




