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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第4部・大切なものへ
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第13話 母と娘と9 大局的に物事を見る(キャラ名版)

ミスT「はぁ・・・。」

ナセリス「まあまあ。」


 目の前の様相に溜め息しか出ない。ミツキを筆頭にミュティ・シスターズが暴れている。ティリナもいるのだが、サラとセラが巻き込まれないように注意を促していた。そう、かなりの大暴れである。


 と言うも、先日行われた路上格闘技大会的な流れに再び発展しており、その中心がミツキ達になっていた。無論、相手に怪我をさせないように振る舞っているのも見事だが、それ以前の問題だと言うしかない。


 まあ参加者側からすれば、こうした滅多に行われないイベントは大歓迎な感じなのだろう。凄まじいまでの集客度を誇っていた。特にコスプレ美女達が暴れる様は垂涎モノのようだ。


 よくよく考えれば、これが俺達の日常でもある。何気なく行っているお遊びが、周囲には異質に見えているだけだ。そして、それが俺達の怖ろしいまでの力量となっている。


 娯楽すらも修行にする身内達には脱帽するしかない。かく言う俺も同様なので、我ながら見事だと呆れてもいた。何と言うか、警護者魂ここにあり、と言うべきか・・・。


ディナリア「・・・これが日常なのですね・・・。」

ミスT「日常、ねぇ・・・。」


 粗方の談議を終えたディナリアとデュリシラ。その2人も目の前の様相に呆れ返っている。特にディナリアは初遭遇という感じなのか、完全にド素人目線での呆れ返りだ。デュリシラの方は免疫がある分だけ落ち着いてはいるが。


 まあこれは慣れて貰うしかない。今後もうちらと関わり合いが続くのなら、こうした非日常的な流れは必ず舞い降りてくる。その都度驚いて貰っていては、幾ら生命があっても足りはしない。何ともまあである・・・。


デュリシラ「こういう時でしか“本気”で暴れる事ができませんからね。先の各事変は“模擬試合”としか思えませんでしたし。」

ミスT「ハハッ、模擬試合か。見事に言い得ているわ。」


 デュリシラの揶揄に全くその通りだと笑ってしまった。そう、今のミツキ達の様相こそが本気での戦いである。先の各事変の戦いは、完全にテスト試合とも言えた。


 本当の戦いだからこそ本気で戦わない、それが俺達の警護者のスタイルである。逆に娯楽の戦いであれば、それこそが本気で戦うべき時でもある。完全に矛盾しているが、実際にはその矛盾こそが警護者の真髄とも言えてくる。これこそが常日頃から行っている業物でもある。


 ただし、公私混同は避けてはいる。俺達は腐っても警護者の存在だ。その警護者が逸脱した様相を醸し出せば、それこそ世上への悪影響になりかねない。最悪は排除対象になるだろう。故にこうした娯楽での活躍が必要となる。


 何度も挙げるが、本当に矛盾極まりない感じではある。しかしそれこそが警護者の真髄だ。今後もこの姿勢は崩される事はない。


ナセリス「先にも挙げましたが、こうして暴れられる事に心から感謝するしかありません。それだけあの戦いは生死を分けるものでしたし。」

ミスT「本当だわ。一歩間違えば、今の俺達は存在していなかったしな。」

デュリシラ「ですね。生きるか死ぬかは紙一重、本当にそう思います。」


 これも何度も挙げるが、先の各事変を乗り越えて来た手前、今をこうして過ごせているのは本当に奇跡であると言うしかない。だが実際には意図も簡単に攻略できたのも何とも言い難い感じである。


 これは5大宇宙種族の面々がいたからこそ、こうして全てを勝ち越えたのだと断言できる。俺達地球人だけでは絶対に勝ち越える事はできなかった。意図も簡単に攻略できたのは、彼らのお陰である。


 だからこそ、今後は俺達もより一層頑張らねばならない。彼らに作った貸しは、何倍にしてでも良いから返すべきである。


ナセリス「そう思われるのでしたら、今後ともよろしくお願い致しますね?」

ミスT「このじゃじゃ馬娘め・・・。」


 そんな俺の心境を読んだナセリス。間隔空けずにツッコミを入れて来た。俺の方もボヤきを入れながら、傍らの彼女の頭を軽くどついた。それに小さく悲鳴を挙げるも、実に嬉しそうな表情を浮かべていた。


 周りあっての自分自身、そう思わざろう得ない。否、周りがなければ自分は存在し得ない。それだけ重要な存在が周りには多くいるのだ。人は1人では生きてはいけない。それを痛感させられる思いである。



デュリシラ「ともあれ、数日間のアキバ・コミケですが、皆さん楽しめたようで良かったです。」

ミスT「だな。色々と“イザコザは”あったが。」

ディナリア「アハハッ。」


 総括的に纏めるデュリシラに、補足としてデカい出来事を挙げておいた。その重要な関係者になるディナリアは苦笑いを浮かべている。まあ結果良ければ全て良し、これだろう。下手をしたら最悪の事態に発展していた可能性はある。


 しかしながら、それは非常に確率が低かったとも思える。そもそも、誘引事変で拉致的な行為を受けたディナリアはデュネセア一族だ。言葉は何だが、腐っても宇宙種族になるので、まず負ける事はない。


 怖ろしい展開を挙げるとすれば、ティリナを拉致された場合だ。ただそれは杞憂に終わる。恐らくアキバ・コミケに一時的放置しておけば、俺達が何らかの対応をしてくれると思っていたのだろう。そう考えれば全ての辻褄が合ってくる。だからといって、幼子を放置するのはどうかと思うが・・・。


 これもディナリアが宇宙種族故に、大局的に物事を見よ、これを押し通しているのだから。それが罷り通るのも宇宙種族なので、デュネセア一族の女王デュヴィジェやナセリス達は黙認しているようだ。地球人の観点からすれば論外極まりないのだが・・・。


 まあ確かに大局的に物事を見るのなら、愛娘を放置という戦術的な観点はダメではあった。しかし、戦略的には態とらしく拉致されて内部から叩き潰す、と。これは超絶的に特効薬になるのは言うまでもない。それを実現できる実力を持つのが宇宙種族だしな。


 何にせよ、こうした戦々恐々とした流れはあまり遭遇したくはない。だが、警護者である手前、こうした流れに否が応でも至ってしまうのは悩ましい感じである。


    第13話・10へ続く。

 次の話はかなり短くなりそうですが、ご了承の程m(_ _)m


 大局的に物事を見よ、と。劇中の宇宙種族の基本概念のそれですが、端から見れば冷徹無慈悲に見えなくもありません。しかし、最後が笑って済ませられるなら、この大局的に物事を見よ、は理に適っているのかも知れませんね。悩ましい感じですわ。


 ともあれ、そろそろ終盤と終着点が見えてきた警護者。ただ、次の探索者への布石を粗方配置しないといけないので、もう暫くは続きそうです><; まあ既に辻褄が合っていない部分があったりしますが@@; 何ともまあ(-∞-) 今後も頑張らねばね(>∞<)

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