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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第4部・大切なものへ
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第13話 母と娘と2 念話での会話(通常版)

(・・・小母様方が、あの出来事を解決なされたのですね・・・。)


 その言葉に驚愕した。発せられた先はティリナ自身で、しかも念話を使ってきたからだ。確かに彼女もデュネセア一族ではあるが、まだどう見ても幼子そのもの。そんな彼女が身内の女性陣に匹敵する気質を放っているのだ、驚く以外にない。


(・・・お前さん、念話が使えるのか。)

(はい・・・。と言うも、お母様とも簡単な会話はしていますので・・・。)


 念話の概念を知っている事自体も凄いと言うしかない。この場合、俺達は外見で判断してしまっているのだ。目の前の幼子たるティリナは、実際には相当な女傑である証拠だ。


 そう言えば、幼子だったデュヴィジェも、ティリナと同年代に近かったと思われる。今となっては詳しい事は分からないが、それだけ宇宙種族達の潜在能力は非常に高いと言うしかない。


 これに関してだが、宇宙種族は総じて精神年齢が高い傾向にあるとの事。外見は幼子であるティリナが、精神面ではかなりの高齢になる感じである。これは全ての宇宙種族の面々が該当しているため、彼らの全てが大人びて見えるのはそれが原因でもある。


(・・・ディナリア様の血筋は凄いと言うしかなさそうですね。)

(いやいや・・・お前さんも相当なものだったと思うが。)

(本当ですよね。)


 俺が思った内容に近い事をそのまま口にするデュヴィジェ。その彼女に自身も同じものであったとボヤいた。それに追撃してくれるミツキTである。


 確かに今の現状を見れば、娘ティリナと母親ディナリアの血筋は凄いと言える。しかし、その彼女達はデュネセア一族なのだ。そして、今し方その内容を挙げたデュヴィジェは、母娘一族の女王である。


 つまり、母娘が凄いと言うのは、裏を返せばデュヴィジェも凄いと言うしかない。現に様々な発明や先見の明が飛び出しているのだから。何と言うか、凄い娘を持った父親な感じだわ。


(この父有りて、この娘有り、と。)

(お前さんがそれを言うのか・・・。)

(あら? 私はデュヴィジェ様の小母ですよ? 当然な感じがしますけど。)

(そうですか・・・。)


 念話を通して、エラいニヤケ顔で語ってくるヘシュナ。確かに彼女はデュヴィジェの小母になるが、その様相は本当の母親的な感じがしてくる。いや、血筋度外視で考えれば、本当の母娘なのだろうな。


 かく言う俺とミツキTも、今となってはデュヴィジェの小父や小母だ。それに、血筋を通り越した先にあるのは、金剛不壊の如く据わる絆なのだから。盟友の領域とも言えるわな。



(・・・そう言えば、ティリナさんと念話ができるなら・・・。)

(あー、ディナリア様ともできるのでは? ですか。実際には、念話にも少々問題がありまして・・・。)

(・・・転送装置の類と同じく、全く出逢っていない相手には伝わらない、だな。)

(・・・お見事、その通りです・・・。)


 今正に思った通りのものだった。ティリナと念話ができるのなら、遠方のディナリアにも念話が届くのかというものだ。しかし、それはできないとデュヴィジェにより語られる。


 その理由も思った通りのもので、一度も出逢っていない人物には伝わらないのだという。彼らが十八番の転送装置の概念と全く同じである。一度も赴いた事がない場所には、絶対に飛ぶ事ができないと。


 まあ考え様によってはその通りだと痛感する。携帯端末などを例に挙げれば、連絡先の情報が分からないのに通話ができるか、というものだ。偶に誤爆ヒットして繋がる場合があるが、それは非常に希なケースなので除外するしかない。


(マスターが仰った通りですよ。一度もお会いした事がない方には、念話を飛ばす事すらできません。推測の域ですが、多分お互いの生命力を探知しての探索だと思います。)

(宇宙種族の力量には、ただただ驚かされっ放しだわ・・・。)


 本当にその通りである。5大宇宙種族のリーダー格たるミュセナからも、今し方思った事への概念に対して確言を頂けた。正に生命版携帯端末である。


 これを草創期に編み出した宇宙種族の面々には、心の底から脱帽するしかない。地球人の考えを超越しているのだから。


(・・・ティリナちゃんを介して、ディナリアちゃんの元に飛ぶ事も可能わぅね。)

(・・・あー、確かに可能かもねぇ。)

(まあ・・・完全にナンセンスなので除外するわぅけど。)


 本当である。ミツキが挙げたそれは、ディナリアを知るティリナを媒体として、現地へと飛ぶ事が可能では、と言うものだ。しかし、それをナンセンスだと一蹴もしてきた。


(はぁ・・・何か遭ってからでは遅いんだが・・・。)

(いえ、ティリナ様の様相を踏まえれば・・・。)

(バリアとシールドの概念が働いていますよね・・・。)

(・・・心から不貞寝したいわ・・・。)


 挙げた通り、何かが遭っては遅いのだが、それを一蹴してくるナセリスとルビナ。確かに彼女達は宇宙種族なので、バリアとシールドの概念が働いても何らおかしくはない。つまり、傷を付けようにも付けられないのだから。


 不測の事態としては、ディナリアにその概念が働かない場合もあるが、恐らくそれは絶対にないだろう。目の前のティリナがその証拠なのだ。


 それに、ディナリアが宇宙種族である事を踏まえると、恐らくこの拉致事変自体の流れを推測するのなら・・・。


(・・・態と妨害要素に捕まり、一網打尽にする事を画策しているかと。)

(・・・心から気絶を所望する・・・。)

(甘ったれんじゃないわぅ!)

(はぁ・・・。)


 再び思った事を挙げられた。デュヴィジェが語った通り、ディナリアは態と捕まったのだと推測ができた。宇宙種族特有の概念、大局的に物事を見よ、これである。


 それを伺い、心から気絶を願った。考える事全てが常識を逸しているものばかり。最早俺の脳は停止寸前に近い。すると、そんな俺を一蹴するミツキである・・・。


 そのやり取りを伺っていた総意は、流石に我慢できなくなって噴き出しだした。傍らにいるティリナですら笑っていた。何と言うか、全ての物事には意味がある、それを嫌と言うほど思い知らされた感じである・・・。



 ともあれ、現状はディナリアの救出が最優先となる。こちらはヘシュナを筆頭に凄腕の面々が動くと豪語していた。遠方のヘシュアすら参加すると語っている。スペシャリストが出揃うのであれば、ほぼ確実に救出は成功するだろう。


 宇宙種族の大局的に物事を見るという概念は、己自身をも犠牲にする部分に帰結してくる。ディナリアなら愛娘のティリナがそれだ。地球人の俺からしたら考えられないものだが、よく考えれば確かに理に適ってはいる。


 だからと言って、愛娘を放置してまで潜入壊滅作戦を実行したディナリアには、後でそれ相応の“オシオキ”は必要ではある。ここは確実に実行したい所だわ。


    第13話・3へ続く。

 念話の対話のそれですが、よくよく考えれば一度も会っていない人物とは会話は不可能だと思いまして@@; 現代の携帯端末もどうようですし。ただ、劇中で挙げた通り、偶に誤爆ヒットで繋がったりしますが><;


 それでも、念話の力量が、リアルタイムで即座に繋がるというのは怖ろしい次第です@@; しかも時間と空間の概念すらも超越しますし(-∞-) 何ともまあな仕様を編み出したものです><;

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