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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第4部・大切なものへ
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第12話 壮大な催し9 深い思惑(キャラ名版)

 その後もヲタクの方々による写真撮影は続いた。と言うか、今の俺達の言動に火が着いた面々が、一段と各キャラに成り切りだしている。俺が知らないキャラクターの姿もあるため、その仕草は新鮮なものがあったりした。


 俺は周りの面々と共に、多岐多様な仕草をして回ってみる。と言うか、俺の知識など本家本元のヲタクの方々には到底敵わない。それは身内達の中にも数多く存在している。ここは彼らの流れに乗るのが得策だろう。


 まあでも、今の俺の姿は方々から太鼓判を押されているので、後は応用を利かせた仕草を見せるだけだとも挙がってくる。そもそも、俺の生まれの性別は男性だ。今は必殺の性転換ペンダント効果により女性化しているが、本家本元の女性達には絶対に敵わないのだから。仕草が男臭いと何度か言われているが、正にその通りだと言うしかない。


 しかしまあ・・・何度も挙げるが、警護者軍団がコスプレをして娯楽に興じる姿は、何とも言い難い感じである。それでも言葉は悪くなるが、殺人者集団とも言える警護者が、こうして世上に役に立つのなら本望そのものだ。それが娯楽なら尚更である。




デュヴィジェ「お疲れ様です。」

ミスT「ありがとさん。」


 一旦小休止をするため、近場の模擬店に出されているテーブルの椅子に腰を降ろす。徐に一服をしようとするが、ここ千代田区は条例で指定以外の屋外では全面禁煙となっている。それに近場に規律のスペシャリストたるウインドとダークHがいるため、喫煙は思い止まる。喫煙しようものなら、何をされるか分かったものではない・・・。


 すると、そそくさげに簡単な茶菓子を手渡してくるデュヴィジェ。俺も用いているが、喫煙を紛らわすための別の手段の1つだ。小さく頭を下げつつ、その茶菓子を受け取り頬張る。喫煙とはいかないが、一時の“一服”を満喫した。


 ちなみに、デュヴィジェの出で立ちは“仮想空間にダイヴして戦う救世主”のアレである。主人公は男性なのだが、今のデュヴィジェの雰囲気は女性ながらも見事に男性的だ。俺との対比が凄まじいとしか言い様がない。


デュヴィジェ「フフッ、すっかり女性が板に付きましたね。」

ミスT「はぁ・・・何とも。」


 性転換状態の俺に対して、見事に女性化していると挙げてくるデュヴィジェ。生粋の女性である彼女が言うのだから、それなりに様になっているという感じだろう。


デュヴィジェ「それでも、あの黒いモヤ事変を無事乗り越えられて良かったですよ。」

ミスT「本当にそう思う。普通であれば、アレは正に天の川銀河の終焉そのものだったしな。」


 近場の椅子に腰を降ろし、手持ちの茶菓子を頬張りだす彼女。実質的な裏の立役者だった彼女には、心の底から感謝するしかない。何十年も黒いモヤを看視していてくれたのだから。


デュヴィジェ「まあでも・・・まだ完全には終わってはいませんが・・・。」

ミスT「・・・含みのある感じだな。まあ、俺の方もこれで終わったとは思えないがな・・・。」


 挙げた通り、デュヴィジェの言葉には更に奥があるようだ。調停者と裁定者を担っている手前、心の内を全て挙げる事はできないのだろう。宇宙種族とはそう言った存在であると、彼女達から何度も諭されている。


 それに、その決定打があの黒いモヤであるのも、要領が悪い俺ですら薄っすらと感じ取る事ができた。だが今は深く考える必要はないだろう。


デュヴィジェ「悩ましいですよね。調停者と裁定者を担うからには、絶対に語ってはいけない一念を抱き続けねばならないので。」

ミスT「まあな。それこそ、お前さんの持って生まれた使命そのものだわな。」

デュヴィジェ「使命やら何やらと格好は良いですが、実際には重苦しい事この上ないですし。」


 そう語りつつ、深い溜め息を付く。決して打ち明けられない内情を持つデュヴィジェの事、その重苦しさは筆舌し尽くし難いものだろうな。しかし、それをも覚悟して進んでいる姿に、小父として誇り高いと言うしかない。


 それにこれは彼女だけではなく、他の宇宙種族の面々にも該当する。更には身内の警護者達も同様だろう。それだけ警護者の生き様は、貫き続けるには難しいのだから。


ミスT「まあ何だ、俺も警護者の端くれ、少しでも肩の荷を持てるなら申し分はない。」

デュヴィジェ「フフッ、そうですね。心から期待しています。」


 何時になく優しい表情を浮かべるデュヴィジェに、その様な顔ができるのかと小さく驚いてみせた。まあ生きた年代を考えれば、その表情が全てを物語ると言えてくる。筆舌し尽くし難い生き様を貫いているのだから、ある意味当たり前でもあろうな。


 各々の生き様を貫き続ける、それが今の俺達の執念と信念。そう思わなければ、とてもこの生き様を貫く事などできはしない。逆を言えば、その思いにより先に進む起爆剤を得る事ができるとも。何ともまあな感じである。



 その後も彼女と雑談を繰り返す。久方振りに対話ができた父娘の様である。そんな俺達を遠巻きに見つめる身内達。その視線を感じる事ができるが、割って入ろうとはして来ない。まあ今はアキバ・コミケの祭典中であり、それどころの話ではないのが実状だな。


 流石のヲタクの方々も、こうした本当に休息を取っている面々にアポを取る事はしない。そこは暗黙の了解的な感じなのだろう。流石は“娯楽世界の警護者”である。


 ちなみに、ここに訪れて来ている方々の大多数は、過去のコミケ事変でも参加されていた面々らしい。先に“娯楽世界の警護者”と挙げたが、今や警護者の生き様に等しい生き方をしているとも言える。


 警護者と言っても、何も本当に護衛対象を厳守する存在がそれではない。住まわれる場所を見守ったりする事も同様である。特にヲタクの方々の情報網は凄まじいものであり、過去に何度も助けて頂いた事があった。“情報世界の警護者”とも言えるだろうな。


 何はともあれ、持ちつ持たれつ投げ飛ばす、これが根付いているのは間違いない。ミツキ流の生き様のそれが、今の世上を燦然と照らす太陽の如く、である。


    第12話・10へ続く。

 含みがある雰囲気は、後の探索者への布石と思って頂ければ(-∞-) 劇中の宇宙種族ほど、心の内に複雑な思惑を抱いている存在はいないでしょうね。調停者と裁定者、更には創生者には敵わない、な感じかと><;


 しかし、劇中の茶菓子の件ですが、アップ寸前まで喫煙の流れでした><; そう、今はアキバがある千代田区は条例により指定場所以外全面禁煙でしたね@@; 風来坊の劇中でも同様の流れを描いていましたが、完全にド忘れしてました><; 慌てて修正しましたよ><;


 ともあれ、一服せずにはいられないほどの心労がある警護者軍団。今後も警護者自体のこの流れは続く感じでしょうね(-∞-)

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