表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第4部・大切なものへ
497/544

第12話 壮大な催し2 巨大兵装の出展(通常版)

 それに彼女に挙げたネタだが、デュリシラとナセリスも含めて関係者一同を驚愕させた。その内容は、レプリカ大和とレプリカ伊400をアキバの歩行者天国の範囲内に展示するというものだ。


 本来であれば絶対に実現不可能である。そもそも、全ての各事変を終えた現状、2隻の艦船は広島の呉市に寄贈させて貰った。戦争遺構とは烏滸がましいが、過去の大戦で亡くなられた英霊の方々への追悼の意味も込めてのものである。アメリカはハワイのアリゾナ祈念碑と同じ感じだ。


 こちらも非常に烏滸がましい事この上ないが、警護者専用ガンシップが戦争遺構として役に立つのなら申し分ない。それにレプリカながらも、戦艦大和と潜水艦伊400は当時の日本が誇る世界最強の艦船である。


 ミリタリーマニアでもヲタクでなくても、現物の大和と伊400を間近で見れるとあれば、それはもう筆舌し尽くし難い感じと思われる。まあこれは俺自身がミリタリーマニアやヲタクの気質を持つ故に考えるものではあるが・・・。


 そんな訳で、アキバ・コミケに出展する催しが、このレプリカ大和とレプリカ伊400の展示である。それとは別に、俺達が色々なマンガやアニメのキャラクターのコスプレをして参加する事にもなった。これは俺としては、若干嫌な予感がしなくもないが・・・。



 ちなみにレプリカ大和とレプリカ伊400は、一時的に艦体下部を魔改造を施してあった。ラグビーボール的なフロート式の物体を搭載していた。それらは各事変が終了と同時に、全て撤去する流れである。


 そもそも、そんな変なゲテモノ的な様相で展示しようものなら、モノホンのヲタクの方々から大顰蹙を買うのは言うまでもない。レプリカと題しているのだから、せめて艦体の9割以上は本物と同じ仕様に仕立てたいものである。


 残りの1割未満に関してだが、2隻の艦船の推進機構が完全に様変わりしている部分だ。現代の豪華客船のように推進プロペラが独立式になっており、プロペラが360度旋回する特殊仕様となっている。艦首の複数のスラスターも同様だ。


 これにより、レプリカ大和とレプリカ伊400は、艦体をその場で360度旋回させるといった荒業も披露できる。オリジナルの2隻には絶対に真似ができないものだ。この部分は現状の稼動パーツでもあるため、元に戻す事は不可能である。


 他は火器管制システムもある。イージス艦が十八番の電子制御システム群を搭載しているのがそれだ。また、艦体群に使われている材質も特殊仕様である。あのアンオブタニウムを宇宙種族のテクノロジーを駆使して具現化し、2隻の艦体に施してあるのだから。


 更に精密誘導兵器ことミサイル群も搭載している。レプリカ大和とレプリカ伊400の艦首と艦尾に、複数の発射管が備え付けられている。オリジナルの同艦には絶対にない兵装だ。更にはレプリカ伊400の艦尾付近の2連装23cm主砲も該当する。オリジナルにはない兵装群を持っている時点で、最早オリジナルとは言えない状態である。


 見た目は第2次大戦の旧世代の戦闘兵器だが、現状は今現在の現行兵器を総動員をしても傷を付ける事すら不可能な逸品になっている。正に絶対的な浮沈艦である。


 それに、バリアとシールドの防御機構が常に働いているのもあり、仮に壊すなら宇宙種族の力量を持ち出さないと不可能でもある。スーパーレールガンやハイパーレールガンの超兵器でなければ不可能だ。


 そんな常識を逸した超兵器たる、レプリカ大和とレプリカ伊400。この2隻をアキバ・コミケに出展する事を提示したのだ。



 これに関しては、俺としては反対意見が出るであろうと踏んでいた。ところが、身内の面々からは大賛成だと太鼓判を押されるに至った。特にナセリスとデュヴィジェが興奮極まりない状態になっており、反対する意見は叩き伏せるとまで豪語しだしている・・・。


 更にはエリシェやラフィナといった財界の大御所は無論、警察機構の関係者たるウインドとダークHからも大賛成だと太鼓判を押されている。実現不可能だと思われていた催しが、名実共に実現可能にまで至ったのである。


 勿論、2隻をアキバへと運ぶ事も考慮すべきなのだが、そこは何とレプリカヴァルキュリアで空輸すれば良いという意見すら出たほどだ。その空輸自体も一種の催しとしてしまおうというのが本音のようである・・・。


 俺が考えていたのは、転送装置による運輸だったのだが。それを挙げたら、実に呆気ないと即座に却下される始末であった・・・。


 転送装置での運輸自体、地球総意は各事変で嫌と言うほど見てきている。特に顕著なのが惑星事変のアレだろう。地球に激突しそうになった惑星を、地球の反対側へと転送させるという芸当だ。普通では絶対に実現不可能である。


 そんな転送装置を知る総意からか、呆気ないと挙がったのは理に適う感じか。であれば、それ以外での運輸を実行すれば良いという事で、レプリカヴァルキュリアによる空輸という事になった訳である。重力制御の理がなければ、絶対に実現できない業物だが・・・。



 アキバ・コミケへの作戦会議を行った後、直ぐさまレプリカ大和とレプリカ伊400の改修を行う事になる。先に挙げたフロート式群の撤去だ。これは数日で済むとの事なので、作業が終わるまでは他の行動をするしかない。


 アキバの歩行者天国とする区画だが、この2隻のガンシップを配置する事から、かなりの範囲を確保する事が重要となる。それに艦体自体がとてつもなく重いため、不慮の事故は一切排除しないといけない。


 そんな不安事を挙げたのだが、それもこれも全て重力制御の理で済むと一蹴された・・・。実際に艦体自体の重さはあるものの、アスファルト地面へ掛かる負荷はコンテナ10基程度で済ますと言う・・・。


 レプリカ大和とレプリカ伊400をアスファルト地面に直接置く事はできない。両者共に無傷で済ます必要があるからだ。そこで、指定の位置にコンテナを配置し、そこに2隻を置く事にした。当然、コンテナを道路へと置く事によって発生する傷も気を付けねばならない。これらも重力制御の理で何とかなるらしい・・・。


 無論、突風とかで動いてはシャレにならないため、そこは暴風クラスの風が吹いても動く事がないようにはするようだ。この点は専門科たる宇宙種族の面々に委ねるしかない。


 とにもかくにも、前代未聞の催しとなるため、色々と作戦を練る必要がある。コスプレなどの催しをどうするかと考えていたのだが、この2隻の催しを比べれば実に簡単な悩みだわ。




「改修計画は終わりました。ですが、よくぞまあ思い付きましたよね。」

「ヲタク気質の面々からは大絶賛極まりない状態ですし。」


 アキバ・コミケへの準備が着々と進行している。エリシェが語るように、レプリカ大和とレプリカ伊400の改造は取り除いたとの事。ただし、ミサイル発射管を持つ2隻と、後付け主砲を搭載しているレプリカ伊400はその限りではない。


 これらは言わば、既に一体化しており取り除くのは不可能に近い。まあ艦体強度の面からしても、取り除いても何ら問題はないのだが。それでも、ここは現状の半改造状態の艦体を維持する感じである。


 それでも、レプリカであろうが本物の戦艦大和に潜水艦伊400だ。ヲタク気質の面々からすれば、それだけでも垂涎の逸品であろう。俺もそんな中の1人になるしな。


「もう使わなそうな感じがするが。」

「うーん、何かもう一働きしそうな感じがするのですがね。」

「これで終わるには偲びない感じがしますし。」


 カウンターにて小さくボヤく2人。今は喫茶店本店で軽食を取っている。先に挙げた一連の作業を終えて、一段落着いた感じである。そんな2人が挙げるのは、警護者専用ガンシップたる2隻の稼動度だ。


 俺の方も2人と同じく、これで終わるとは何故か思えない。地球の各事変以上に厄介な問題が出るのを危惧している。杞憂に終われば越した事はないが、不測の事態への対応は十分に備えるべきである。


「まあでも、一両日中に起きるとは思えません。今は久方振りの娯楽に酔い痴れるのが無難でしょうね。」

「娯楽、か。それで済めば良いが・・・。」

「何とも。」


 娯楽を超越している現状を挙げると、それに対して苦笑いを浮かべるエリシェとラフィナ。コスプレなどなら分かるが、まさか巨大兵装を出展するとは誰が思うであろうか。


 そもそも、それらを立案したとしても、実行するには相当な労力を必要としてくる。世間体の問題が最大の懸念材料であろう。まあそこは、警護者の存在が罷り通らせているのが実状ではあるが・・・。


 万般に渡って何でもできる警護者機構。しかしながら、それに胡座を掻く事はしたくない。それでも、誰かを喜ばせる事ができるなら、その時は大いに暴れるべきであろうな。


    第12話・3へ続く。

 あくまで劇中での話ですが、アキバの歩行者天国の箇所に戦艦大和と潜水艦伊400が鎮座されたら、それはもう凄い事になりそうですね@@; まあこれはフィクションなのであしからず><; それに今現在の様相で大和を建造するとなると、大凡2500億円掛かるそうです@@; 伊400ならその半分程度でしょうか。


 まあこの出展の流れから、後の探索者での各ガンシップの活躍に至っていくのですがね。そのための調整とかの意味合いが、この出展に繋がったのでしょう。皮肉と言うか何と言うか(-∞-)


 ともあれ、あと少しで警護者は完結しそうです。ですが、まだまだ風呂敷は閉じられていません。最後まで油断なく進まねば><;

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ