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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第4部・大切なものへ
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第11話 記憶の中に4 上映会の前の雑談(通常版)

 それから数日後、予てから挙がっていた過去の映像の準備が整った。内容に関しては、今も誰もその内容を確認してはいない。一応、映像出力ができるかだけは確認したみたいだが、詳しい内容までは確認してないようである。


 その点に関して尋ねてみたのだが、どうやら触れてはならない領域は共有するに限るという見解に至ったようだ。一体どんな内容なのか、俺の方も気になっている感じだ。


 ただ、その触れてはならない領域に関してだが、俺の方も気になっている。今現在、当時を知るのはスミエ・シルフィア・デュヴィジェ・ミツキT・ヘシュナの5人のみ。その彼女達は決してその内容を語ろうとはしていない。


 特に当事者の1人となるミツキTは、当時の話を切り出すと悲痛な表情を浮かべる。それを目の当たりにすると、どうしても切り出す事は控えたくなる。


 それでも、5人の誰もが当時の様相を見るべきだと断言してくる。俺の今後の人生に必ず影響するとも語っている。となれば、ここは襟を正して拝見する以外にない。



「・・・お祭り騒ぎにしやがって・・・。」


 目の前の様相に小さく舌打ちをする。今は喫茶店本店にいるが、そこを全面貸し切りにし、更にテーブルなどを大移動してシアター的に改装しだしたのだ。


 更には色々な出し物的な食事も出しており、完全なお祭り状態である。と言うか、主力陣の大多数が集い合っている事もあり、かなりむさ苦しい状態だ。その大多数が女性陣なので、嬉しい感じにはなるにはなるが・・・。


「ほら、早速出ましたよ・・・。」

「エロ目線炸裂ですよね・・・。」

「ふん、言ってろ。」


 下準備に追われる面々の中のエリシェとラフィナがボヤいてくる。俺が他の女性陣を色々と見ているのにツッコミを入れて来た。今も念話力ペンダント効果は働いているため、それが総意へと伝わるのもあるのだろう。


 こちらの一挙手一投足を、常に観察と言う名の監視をしている面々だ。何気ない言動などで俺が抱く心境を直ぐに察知するのだろうな。


 まあでも、悪口などではないため問題はないだろう。むしろ、長時間の性転換状態を維持してきた手前、まるで彼女達が同性の様に見えてならない。和気藹々とする姿に、心から安堵せざろう得ない。


「フフッ、貴方が貫いてきた生き様がそこにある、ですよ。」

「だと良いんだが・・・。」


 普段の戦闘服ではなく、街中でも違和感がない衣服を着用しているヘシュナ。背丈だけは身内の中でトップクラスだが、その様相は何処にでもいる女性そのものだ。


 他の宇宙種族の面々も、地球で馴染み深い普段着を着用してるとあり、言われない限りは彼女達が宇宙人であるとはとても見えない。



 そう言えば、各事変を乗り越えた現在、5大宇宙種族の面々への評価が大きく変わった。地球を救った英雄とまで言われるほどである。まあ今でも災厄は彼らが放ったものだと言ってくる阿呆もいるが、そう言った連中に何と世上の正論が黙らせるにも至っている。


 デュヴィジェが断言しているが、惑星事変に関しては地球に激突するコースを取っている事を、かなり前から察知していた。それを世上のウンタラ論理を黙らせるために利用したのがエリシェやヘシュナ達ではあるが・・・。


 その後の黒いモヤ事変に関しては、デュヴィジェ自身が長い年月を掛けて追跡調査もしてくれていた。トドメは俺達が刺した事にはなるが、それも全て世上を変えるためだとも言っている。


 何だが姑息的な感じだが、全ては総意の安穏を求めての行動、これだろう。5大宇宙種族の広い視野からすれば、この地球に居座ってくれている事自体感謝すべきである。先の惑星事変に黒いモヤ事変は、彼らがいなければ対処不能だったのだからな。


 俺達にできる事は、彼らが地球で過ごしたいと言うのなら、それに誠心誠意応じる以外にない。命の恩人たる彼らに、心から敬意を表したいものである。



「・・・貴方は何時もそうなのですよね・・・。」

「ええ、何時もこの調子ですよ。」


 一服はどうだと煙草を差し出してくるデュリシラ。何時の間にか喫煙者になっており、その仕草は非常に慣れた手つきだった。そして、傍らには感嘆とするナセリスがいる。


 今では恒例的なものだが、先程俺が思った一念を念話を通して読んだのだろう。と言うか、何処であれ独り言に走る俺自身も問題ではあるがな・・・。


「Tさんはご自身の事を顧みず、常に周りに気を配っていますからね。」

「それこそ“恒例的”なものよね。」

「恒例も恒例、必然的と言うべきかしらね。」

「はぁ・・・そうですか・・・。」


 デュリシラより煙草を一本頂き、口に咥えて一服をする。すると、傍らのミツキとナツミAも自前の煙草セットを取りだし、何と喫煙しだすではないか。これには呆れるよりも笑ってしまう。


 彼女達が喫煙をしだしたのは、惑星事変や黒いモヤ事変が発生しだした頃だ。つまり、相当なストレスが襲ってきた証拠である。四天王の方は更に酷かったらしく、作業場に吸い殻が大量に転がっていたらしい。


 まあ彼らも俺と同じく、肺に吸い込む事はせず、口に溜め込んで吐き出す程度の軽い喫煙との事だ。害には違いないのだが、それだけ大きな要因の前には代えられない行動である。


 と言うか、シルフィアですら喫煙している姿に驚くしかない。確か彼女、煙草は嫌いだと伺っていたのだが・・・。


「ん? 煙草は大嫌いではないわ。ただ、煙臭いのはあまり好きじゃないだけよ。」


 そう言いつつ、華麗に喫煙する姿が非常に輝かしい。それこそ男臭さが出ている感じだ。と言うか、この3人ほど男性という言葉が合う存在はいない。


 逆に周りから茶化されているが、俺の方こそ女性という言葉が合う存在はいないのだとも。まあでも、あれだけ長時間の性転換状態でいれば、女性らしさが出てもおかしくはない。


 それにスミエが言う通り、俺の気質は女性に近い感じである。そこに長時間の性転換状態である。女性力が磨かれるのは言うまでもない。


 しかしまあ、どうしてこうも可憐で華麗、そして力強い女傑達がいるのやら。先にも挙げた性転換状態を経て、彼女達の輝き度が痛烈なまでに理解できる。端から見ればエロ目だと揶揄されそうだが、それを超える純然たる美しさが素晴らしいとしか言い様がない。


「あのさ、それを素でやっているのなら、とんだ女誑しよね・・・。」

「ですよね・・・。」

「はぁ・・・今の俺の何処に邪な考えがあるんだか・・・。」


 恒例の茶化しを入れてくるシュームとナツミYU。その2人に尤もらしい正論を語った。すると、こちらのやり取りを窺っていた面々が爆笑しだした。それに釣られて俺達も笑ってしまう。


 まあ恒例のやり取り故に、何時も通りの感じなのだろう。こうした和気藹々の姿こそ、今の世上に必要なものだわな。周りあっての俺自身である事を、再度痛感させられる感じである。



 その後も雑談をしつつ、例の試聴会の準備が続く。かなり昔の記録媒体なので、下準備が色々と大変のようだ。実際に見れる事自体は確認したのは分かるが、それを大々的にとなると話が異なるようである。


 まあ身内には、この手のスペシャリストが数多くいる。今も複数の女性陣がアーダコーダとやりくりをしている。彼女達の力の前には、簡単に解決するだろうな。


 そんな面々を見守りながら、再度一服をする。この一時を得るために、今までの各事変を乗り越えてきたようなものだ。本当に心から安堵するしかない。


 そして、今後も彼らを厳守し続ける。それが俺の警護者としての生き様だ。


    第11話・5へ続く。

 1ヶ月振りです。一応、この後の探索者の話数も作り終えており、次は苦労人の話を考えている次第で。今は何とか軌道に乗りつつあるカキカキです(=∞=) とは言うものの、何か今の現状は行き当たりバッタリでカキカキしているので、何処か変な文法があったら申し訳ないです><;


 警護者の方は、いよいよ最後の話へと進む感じと。ミスターT君が何故にあそこまで意固地に突き進んでいるのか。その淵源が今回の話で明らかになります(作者側からして、しようとしている、が正しいかと)。まあここは風来坊とも通じる部分があるので、彼の絶対不動の原点とも言えますね。


 ともあれ、拙い作品ですが、ご拝見下されれば幸いですm(_ _)m

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