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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第1部・生き様の理
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第6話 ダンシングレディ4(キャラ名版)

 どれぐらい移動しただろう。途中にあった作業用車両を拝借し、そのまま通路を移動する。暫くすると開けた場所に出た。何と羽田空港の地下だというのだ。そこから地上へと出る。


 家族を護衛して都心の方に移動したのだが、あの邸宅から羽田空港に直結しているとは。まあ確かに要人を緊急で逃がすとするなら、この手法が望ましいだろう。よくぞまあこの様な施設を作ったものだ。



シルフィア「へろぅ~。」


 以前、時限爆弾を狙撃した場所に到着した。するとそこに恩師シルフィアがいた。しかも普段は着ないバトルドレス風の出で立ちだ。空港に一般人として潜入していたのだろうか。


ミスターT「は・・・何故恩師が・・・。」

シルフィア「今日は護衛の移送役を買って出てね。これで移動する事にしたのよ。」


 指し示す先には民間用のジェット機がある。少々形が変わっているが、これで種子島へ移動するのだろう。


シルフィア「で・・お嬢さん方は残って、5人で現地に向かうのね。」

ミスターT「そうらしい。彼女達の眼光からすれば、もう変えないようだけど。」


 最強の警護者たるシルフィアの覇気に感化したのか、顔が強張っている8人。この場合は彼らが宇宙人という特殊な生命体故に、彼女の人知を超えた戦闘力に恐怖を覚えたのだろうな。


シルフィア「なるほど、ミツキさんに匹敵の美丈夫ね。分かったわ、後は全て任せて。」


 傍らにあったアタッシュケースを持つと、直後背面で爆発音が鳴り響く。何時の間にか接近していた無人飛行機械が破壊されているではないか。・・・まさか、この獲物は・・・。


シルフィア「これね、ミツキさんから頂いたものよ。何でもマンガのキャラの獲物とか。ただ、実際の獲物とは違い、弾丸を射出する形式らしいけど。」

ミスターT「・・・どれだけ早撃ちなんですか・・・。」


 某マンガは、オカマキャラで有名の獲物だ。アタッシュケースに内蔵された展開式パイルバンカーに似た獲物である。どうやら、弾丸を火薬ではなくハンガー式で発射するタイプらしいが。それでも、それを原作の彼同様に扱うのは・・・。


ミスターT「以前、葛西臨海公園で持っていたケースも同じだったとか?」

シルフィア「アレは違うわね。中身はスナイパーライフルとアサルトライフルを分解格納してあっただけ。その後でミツキさんがコレと交換してくれた訳よ。」


 更に迫る無人飛行機械に瞬殺技を放つ恩師。アタッシュケースはそのままなのに、構えるだけで相手に射撃を展開しているのだ。どれだけの目にも留まらぬ早技なのだろうか・・・。



航空自衛隊員1(隊長、離陸の支援が整いました。何時でも出発できます。)


 ジェット機に家族を乗せようとした時、不意に無人飛行機械が現れる。そこに夥しい銃弾が打ち込まれ爆発。射線上を見ると、低空でホバリングをするハリアーⅡがいた。以前お世話になった隊員の方だろう。


シルフィア「了解。1機は地上で待機、数機は上空で待機して頂戴な。」

航空自衛隊員2(了解しました。)


 気付くと空には別のハリアーⅡが数機展開している。しかも近場では一般の旅客機が離着陸をしているのだ。よくニアミスなどにならないものだわ。


ミスターT「・・・本当にいいんだな?」

少女2「はい。とにかく一度、宇宙に出ない事には分かりません。私達の技術では転送装置による瞬間移動も可能です。何時でも戻れますので。」

ミスターT「・・・喫茶店で寝ててもいいか?」

シューム&ナツミYU「ダーメ!」


 再び在り得ない事を述べられた。転送装置とはこれいかに。今の地球の技術力では、絶対に作れないオーバーテクノロジーそのものだ。こんなのを聞かされては、不貞寝でもしたくなるわな。それを述べると、シュームとナツミYUに止められた。更には3姉妹に小さく笑われてしまう。う~む、それなりに地球人としてのコミュニケーションは得ている証拠か。


 雑談中に恩師達は出発準備を整えた様子。緊急連絡路から現れる無人飛行機械をハリアーⅡで迎撃しつつ、その合間を縫って離陸を開始しだした。転送装置があるなら、何も種子島に向かわなくてもいいだろうに・・・。


 コクピットから小さく手を振るシルフィアに小さく肯き、ジェット機はそのまま滑走路から離陸していった。今回は時限爆弾などはなさそうだ。


航空自衛隊員1(ランジェリーマスター、後をお願いしてよろしいですか?)

ミスターT「分かった。一切の護衛を頼むよ。」

航空自衛隊員1(了解しました!)


 ジェット機を守るように複数のハリアーⅡが護衛して飛んでいく。その中で地上で護衛を担当していた機体から通信が入る。全て承知済み故に、一言返事で合図を出す。それに応じて垂直離陸しながら後を追って行った。ハリアーⅡやその前の機体は、こういった垂直離着陸ができるから便利なんだよな・・・。ラプターには真似ができない芸当だわ・・・。




 全ての機体を見送ると、何時の間にか辺りを無人飛行機械に囲まれていた。すると突然、颯爽と踊り出るシューム。凄まじい銃弾を無人飛行機械に放ち出した。


 よく見ると両手にマグナム、両脚のアキレス腱近くに拳銃を装着していた。アレだ、正に某ゲームの妖艶なお嬢そのものだわ。


シューム「さぁ~、本気を出しますかねぇ~。」

ナツミYU「いいですねぇ~、片っ端から全滅させましょうか。」


 言うか否か、凄まじい射撃を展開しだすシュームとナツミYU。警護者内で最強クラスの腕前を持つ2人の銃弾の嵐は、1発も無駄にせず無人飛行機械に着弾していた。もはやこれは芸術の域であろう。


ミスターT「お嬢さん方も暴れるかね。これでも使ってみてくれ。」


 ライフル機構内蔵の小太刀以外に、普通の小太刀を数本持参していた。それを非武装の3姉妹に手渡す。既に素手での格闘能力が優れているのは承知済みだが、ここは武器を使った戦闘力も見せて貰うとしようか。


 それぞれの姉妹が小太刀を手にすると、颯爽と相手に接近して斬撃を見舞っていく。強度は普通の刀と同じなのだが、使い手の力が尋常じゃないため超凶器と化している。鋼鉄ボディの無人飛行機械をバターのように引き裂いていく様は、もはや常人の域を逸脱している。


 俺は5人の女傑の猛攻の中、チビチビと方天画戟で残党を破壊していく。滑走路付近にいた無人飛行機械を駆逐すると、そのまま緊急連絡路を逆走していった。


 内部で孤軍奮闘していたエリシェ・ラフィナと合流し、都心の邸宅の方に戻っていく。今も飛行無人機械の追撃を受けているが、それらを片っ端から破壊しながら進んでいった。




エリシェ「これで良しっと。」


 目の前の召喚機械に拳銃を放ち破壊する。その姿は既に警護者として確立しているエリシェであった。ちなみに今破壊した召喚機械は、無尽蔵で無人飛行機械を生み出す装置とか。


ミスターT「・・・このテクノロジーは3姉妹の技術力とかにも関係している訳か。」

ラフィナ「そうですね。お3方の技術力を敵方が悪用していると取るのが無難かと。」

シューム「今後は別の戦術プランを考えないと厳しいわね。」


 某お嬢さながらのダンスアーツを繰り広げたシューム。ナツミYUには真似ができない格闘センスを見せ付けられた形だ。ナツミYUが“静”なら、シュームは“動”であろう。


ミスターT「あ、申し訳ない。お嬢さん方のお名前をお聞きしてなかった。俺はミスターT。」


 3姉妹の前でバトラー風に一礼をしつつ、自己紹介をしだした。慌てて畏まり、乱れていた身形を整えだす。先程エリシェに聞いたのだが、こう見えても3姉妹はお姫様との事だ。


少女2「失礼しました。ミュティナ=ギガンテスと申します。」

少女1「ミュティナの姉、ミュティラ=ギガンテスと言います。」

少女3「2人の妹、ミュティヌ=ギガンテスです。」

ミスターT「よろしく、ミュティナ・ミュティラ・ミュティヌ。」


 それぞれの小さな右手を持ち、手の甲に優しく口付けをしてあげた。それに顔を赤くするも、こちらの誠意ある対応に感激しているようだ。


シューム「へぇ~・・・そうなんだぁ~。」

ミスターT「・・・ロリコンの気があるとか言うんじゃないだろうな・・・。」

ナツミYU「そうは言いませんが、異性に対しての嗜みは心得ているようだと関心しまして。」


 完全にヤキモチだ。シュームとナツミYUから、半端じゃない程の殺気に満ちた目線で睨まれ続けている。それが自分達より年下への対応だから尚更だと思っているのだろう。しかし、もし俺の推測が正しいなら・・・。


ミスターT「失礼だが、3人とも“実年齢”は幾つだ?」

ミュティナ「あ、はい。私達は10万歳です。」


 3姉妹を代表して、ミュティナから年齢が告げられる。それに大驚愕の女性陣。俺の方は彼らが宇宙人であるという事から、薄々は感じていたものだったが。


ミスターT「ほら見ろ、年上への誠意ある対応は必要不可欠じゃないか。」

ナツミYU「そ・・・そ・・そうは言うけど・・・。」

シューム「う・・う~ん・・・。」


 茫然自失する4人を見て小さく笑う3姉妹。更に聞けたのだが、どうやら地球人相当の年齢だと10歳ぐらいだとの事だ。それでも3姉妹が10万年を生きているのは事実。常識の範疇を通り越した、クレイジーとしか言い様がないものである。




 邸宅での襲撃者掃討を終えた俺達。喫茶店に戻ろうとしたが、ウアイラでは全員を運ぶ事ができない。すると虫の知らせなのか、グローブライナーで登場するミツキとナツミA。運転はナツミAが行っていた。


 更には後ろに牽引型の小型トレーラーも完備してある。これにウアイラを乗せるつもりで持参したのだろう。見事な先読みである。


 小型トレーラーにウアイラを搭載して、一同グローブライナーで喫茶店に戻る事にした。その中でのミツキの話術には驚かされた。初対面の3姉妹の境遇すら驚かず、普通に接するのだから。当然ナツミAも同じであった。



 ちなみに帰路道中、3姉妹の今後を話し合った。家族が無事宇宙へと出たら、転送装置で戻るとの事だった。しかし俺達の事を大変気に入った様子で、一緒に居たいと言い出したのだから困ったものだ。


 まあそれに大賛成するはミツキ、賛同のナツミAやシュームとナツミYUである。ちなみにエリシェとラフィナも3姉妹に気に入られたようだ。この純然たる気質はミツキに近いか。むしろシュームの娘リュリアにも近いと言える。


 実年齢は10万歳で、俺達よりも遥かに大人で多くの時間を生きてきている。しかしその時間の流れは地球のそれと殆ど同じで、3姉妹はリュリアと同年代の少女なのだ。


 臨時の父親、か。まあそれも刺激があっていいだろうな。それに3姉妹の戦闘力は、俺達を遥かに超えている。守ろうとしようも逆に守られるのがオチだ。ここはミツキ縁のあの語句、“持ちつ持たれつ投げ飛ばす”で進むしかない。



 宇宙人ねぇ・・・。理路整然と解釈できる物事ではないが、実際に3姉妹は存在している。これを断固否定はできない。ならば全てを受け入れて進むしかあるまい。


 今後が更に大変になりそうだが、これもまた俺達の使命なのだろうな。


    第7話へ続く。

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