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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第4部・大切なものへ
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第10話 生命の力8 愛しき地球へ(通常版)

 光の粒子となり霧散した黒いモヤ嬢。彼女の最後の姿を見届けた後、宇宙戦艦の甲板上で物思いに耽る。既に超大な脅威は去っており、後は地球に帰還するだけとなる。


 他の面々も凄まじいプレッシャーから解放されたからか、疲れた雰囲気を醸し出していた。それだけ、一歩間違えば消滅していた現状だったのが何とも言えない感じか。


 最後の最後で黒いモヤ嬢に救われた形だ。もし彼女も敵対していた場合は、かなりの苦戦を強いられていた可能性も十分ある。まあそれらを踏まえての手筈も整えていたのも事実だが。


 戦略は何重にも考え抜いてこそ真価を発揮する。今まで繰り返してきた事が、こういった極限状態で役立つのは有難い限りだろうな。



(・・・星々が綺麗ですよね。)

(・・・ああ、本当にそう思う。)


 今は主力メンバーの全員が宇宙服を着用し、宇宙戦艦の甲板に出ている。それぞれが眼前に燦然と光り輝く星々を見入っている。特に普段は独特の語末を使うミツキが、純然な乙女の様な雰囲気を放っている。


 不思議な事に、今も俺の性転換状態は解放されていない。ペンダント効果ではあるが、今はまだその時だと告げていないようである。これで元に戻らなかったら最悪だが・・・。


(・・・当面、帰りたくない感じですよね。)

(まあ確かにそうだが、俺は喫茶店でノホホンとしたいわ・・・。)

(アハハッ・・・確かにその通りですね。)


 帰りたくないと告げるナツミAに、俺は喫茶店で休みたいと挙げた。それに苦笑いをしつつ同意してくれるミツキ。眼前の星々の輝きも魅力的だが、今の今までの戦いを踏まえれば、とにかく休みたいという一念が強く出てくる。


 それでも、少し休めば再び動きたいと思うのだろうな。それが警護者に生きる存在故の苦悩なのかも知れない。まあ心の底から嫌だと思わないのが幸いではあるが・・・。


(しかしまあ・・・一介の警護者には荷が重過ぎる役回りだわ・・・。)

(ハハッ、確かにその通りですね。)

(でも、世上を安穏へと至らせるのも警護者の役回りですよ。)


 大企業連合の総帥と副総帥ながらも、今では生粋の警護者に等しいエリシェとラフィナ。その2人が警護者の真髄的な語りをしてきた。結局の所は永遠と続く戦いの連続である。


 この考えについては、今後も続いていくのだろう。それでも、そこに帰結してくるのは必然と言えるのかも知れない。それが嫌であれば、警護者の生き様など貫かない方がいい。



 その後も雑談をしつつも、眼前に広がる広大な宇宙を魅入る。星々の輝きが美しく、何時間でも眺めていられる感じである。


 そもそも、こうして宇宙空間で何事もなく居られる自体、今の地球人には厳しい現実だ。5大宇宙種族の力がなければ、まず実現できないものだしな。それを体験できるのは、本当に幸運だと言うしかない。


 それによくよく考えれば、眼前の星々は生命体である。その彼らとこうして対峙できるのも幸運だ。地球での身内達と巡り逢った奇跡と同等である。


 となれば、その彼らを今後も厳守し続けるのが俺の使命、警護者としての生き様である。改めてその決意に至れて、本当に感謝するしかない。




(星々を見てたら茶菓子が恋しくなってきたわぅ。)

(ハハッ、ボチボチ帰るか。)

(では艦橋の方に戻りましょう。地球へ戻るのは数日後になりますけど。)

(数日で戻れる自体、異常としか言い様がないんだが・・・。)


 ミツキのボヤきに小さく笑うも、デュヴィジェが挙げた帰還時間に呆れるしかない。何れ可能になるとしても、今現在の地球人では天の川銀河の外縁部に数日で辿り着くのは不可能である。本当に5大宇宙種族の力には脱帽だわ。


 それでも、この数日間は再び恐怖に駆られるしかない。先程対峙した黒いモヤ嬢達より、高台そののものの環境に上がる方が恐怖そのものである・・・。


(ぬぅーん・・・となると、女性陣による膝枕が必須になるわぅか?)

(・・・そうだな、今回は本当に委ねるわ。)


 こちらの心情を察知し、ニヤケ顔で茶化しを入れてくるミツキ。女性陣による膝枕の癒しに身を委ねよと語ってきた。だが、全ての戦いを終えた今なら、その癒しに心から身を委ねてみたい感じだ。そう本心からそう語ると、逆に呆気に取られた。


 しかし、俺が一歩進んだ発言をした事に対し、こちらを気に掛ける女性陣の瞳が妖しく輝きだしている。本来であれば尻込みする気迫ではあるが、今の様相を踏まえるとそれが癒しとしか感じ取れてこない。


 そんなこちらの一念を察したのだろう。先程以上に呆気に取られてしまう。つまる所、実際は茶化しが絡んでいる何よりの証拠である。



 こちらとしては、茶化しであろうが気に掛けてくれる事自体感謝極まりない。今までは何処か重苦しい感じではあったが、それが心から感謝の一念しか浮かんでこない。


 これも全て、黒いモヤ嬢が切っ掛けを作ってくれた。倒さねばならない相手であったが、その相手に救われるとは皮肉な話だわ・・・。


 ともあれ、これで俺達の大きな戦いは終わった。後は総意の戦いに委ねるしかない。時間は掛かるとは思うが、達成できない物事は決してない。




 地球への帰路に着いたのは、天の川銀河の外縁部で大宇宙を眺めてからだった。かなりの超時間を満喫したため、地球へ到着したのは1週間程度掛かった。それでも、実に早い時間の到着である。


 前にも挙げたが、実際に今の地球人には天の川銀河の外縁部に到着するには、かなりの時間が掛かる。そもそも、そこに到達する手段が存在していない。それを踏まえれば、俺達は本当に幸運極まりない。5大宇宙種族様々である。


 それらを前提として、今回の大事変は成り立っている。でなければ、こうして地球へと帰還する事すらできなかった。それに、既に黒いモヤの襲来で天の川銀河は消滅していたのは言うまでもない。


 俺達は全てにおいて恵まれていると言うしかない。ならば、それらの恩恵を賜りつつも、今できる行動をし続けるしかない。今後も課題は山積みである。



 ちなみに、帰還してからは大変だった。地球で待機していた面々に質問攻めに遭ったのだ。


 今回は大多数の面々が宇宙戦艦に乗船し、天の川銀河の外縁部へと向かった。それでも、その間に地球の経済の運営などに携わる面々は残してきた。彼らも一緒に来たかったとの事だが、それぞれの役割を担ってくれていた。


 一応、当時の戦いの様相や、天の川銀河外縁部で撮影した様相を伝えた。それに大歓喜すると同時に、自分達も赴きたかったと悔しがってもいる。何れ機会があれば、何らかの形で共闘できれば幸いだわ。


 何はともあれ、彼らの様な縁の下の力持ちを忘れてはならない。俺達が戦えるのは、彼らの人知れぬ陰の奮闘があったればこそである。実際には黒いモヤとの対決はしていないが、胸中の深い次元では共闘を繰り広げていたのだから。



 何度も挙げているが、これで大きな事変は終わりを告げるだろう。しかし、俺達の戦いはまだまだ終わる事はない。


 警護者の生き様とは、常日頃から総意を厳守し続けてこそだ。今後もそこを胸中に定め、我が道を突き進んでいくしかない。


 とりあえず、今は総意にお疲れ様と心から告げたいものだわ・・・。


    第11話へ続く。

 約1ヶ月振りです><; 何とか間に合いました@@; 次は探索者ですが、まだ手付かず状態です><; 頑張らねば・・・(>∞<)


 CSはディスカバリーチャンネルにて放映中の解明・宇宙の仕組み。今回警護者で取り上げた天の川銀河などのネタは、同チャンネルが淵源の1つです@@; まあ大元の淵源は宇宙戦艦ヤマト2202なのですがね@@; 同作を拝見しなかったら、第4部の創生はなかったでしょうし(-∞-)


 ともあれ、残り数話で完結となります。何とか最後まで辿り着き、後続の「覆面の探索者」へと繋げたい所です><; 今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m

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